退場には訳があった。元々岡田監督は「激情型」ではない。本心は「どうせ言っても判定は変わらん」という主義だ。
だから猛抗議も、暴力行為による退場も計算ずくのことだろうと思う。「普通じゃない」判定に対して、「普通じゃない」怒りを喚起したかったのだろう。
そりゃ「井野と土山にやられたー。あんたら阿部四郎か？」と言いたくもなる。誤審や疑惑の判定は野球にはつきものなんだけど、この二人の審判は私が監督だったとしてもいずれ胸をどついていることだろう。いちいち挙げないが、あの判定、この判定、おかしな判定の多くにこの二人が関係している。
ただし、審判で負けたと言えるほど立派な試合ができていたわけじゃない。タラレバを言うのは簡単だが、正しい判定があって無死満塁であっても、赤星の三ゴロはホームゲッツーになっていたかも知れないしね。だいたい荒木がややこしいポロリをするからこんなことになっちゃうんよ（笑）。
まあ空気読まずに暴論すれば、あの場面、二番手岡本が舞い上がって作ってしまった無死満塁でマウンドに上がって、鳥谷への初球に外角低めいっぱいに直球をビシっと決めて、以降ひるむことなくビシビシまっすぐで攻め込んできたＤ三番手高橋聡文がすごかったということ。今年の働きではとうてい荷が重いと思ったが正直驚いた。崩壊気味の中継ぎを救う妙手をひねり出しているＤ首脳陣も大したものだ。
「普通にやったらええ」Ｄ３連戦。１勝２敗という結果以上に、普通じゃないモヤモヤを抱えてしまった。できればその普通じゃないモヤモヤは忘れた方がよい。アレで負けた訳でも、コレで負けた訳でもない。下柳対川上の勝ち頭対決は、得点では差がなかったが、内容では雲泥の差があった。これがこの試合の本質だ。かいつまめば、川上と高橋と岩瀬に抑えられた。ウッズと井端に打たれた。下柳も粘ったが、四球が多く、味方の援護を得られるような投球じゃなかった。それでもこっちの主砲金本もウッズに負けじとＨＲで応戦した。わずか１点及ばなかったが善戦した。３タテの仕返しが１つの負け越しで済んだ…。そういうこと。そう思った方が良い。
プロ野球は結果がすべて。結果はそれほど悪くない。負け越したのに首位とのゲーム差も縮まるというラッキーもあった。
話は前後する。無死満塁で左の高橋が出てきて、１番鳥谷。退場は騒ぎは別にして、右の代打を送る選択肢についての声がちらほら。鳥谷への代打はない。いやもちろん最近当たりがないのであっても良い場面だが、鳥谷を代えないのがタイガースの「普通」だから、私は代えるべきでないと思う。問題は退場騒ぎの後、８回ウラ２?３、一死一三塁で赤星。代打濱中か。やっぱり私なら代えない。赤星は打率出塁率ともチームトップのバットコントロールがあり、しかも最近絶好調。特に軽いバットに変えてからスピードボールへの対応が良い。対左も対戦打率では２割９分台の対右よりはるかに良い３割３分台。どちらかと言えば速球系に弱く、差し込まれる傾向の強い濱中よりは、赤星の方が前進守備の間を抜きやすいような気がするし、前に転がせば何かが起きそうな赤星の方が相手もイヤだろう。いや私が監督なら、ウッズの前へのセフティスクイズなんだけどね。理屈ではホームに悪送球して２点入るんだけど（笑）。
しかしこの試合で最も「普通じゃない」ことは、疑惑の判定などではなくて、７回表に上園をマウンドに上げたことではなかったか。落合監督の口癖じゃないが、この時期は普通に試合をすれば良い。つまり自分たちの形を貫いて淡々と仕事をして、もちろん勝ち越せればラッキーだが、順位も拮抗した者同士、３連敗さえしなきゃＯＫなのだ。もし普通じゃないことをするならば、それ相応の道理と意図がなくちゃいけない。
０?２とビハインドの７回表、前の回代打を送られた先発下柳に代わる投手は誰か。先発ローテの杉山と上園、リードチームのＪＦＫ以外に、渡辺、江草、桟原、玉置といる。そこで出てきたのが上園。先発で結果が出ていないので、以後中継ぎに降格なのか、ちょうど能見を先発で使う前に一度中で投げさせたように、気分を変えて整えてからまた先発に行かせるのか。どっちにしたってなぜ今、上園なのかがわからない。だいたい大量リードだった能見の調整登板の時とは状況が違うし、リリーフ転向させるにしても「お試し」に適した場面じゃない。。
そりゃ、首脳陣には考えがあってのことだろう。上園にはしっかり説明してあるのかも知れない。だけど見ているこっちにはちっともわからないし伝わらない。見ている人の力をバカにしちゃいけないよ、こちとらぼけーっと見ているようで、球場でもテレビを通じてでもタイガースと一緒になって気を送って応援しているし、戦っているんだ。ホームの球場内の空気を変化させて、相手チームをイヤな気持ちにさせる仕事を担っているんだ。そもそも、ここで上園が出ていくということを、江草、渡辺、桟原らビハインドチームがどう受け取ったか。まだ２点差。いつものように彼らが試合を組み立て直せば、ドラゴンズも逃げ切り態勢に不安があるだけにまだまだこの試合わからない。彼らだって気合いが入っていただろうに。
たとえ上園がゼロに抑えたとしても私はこの策を支持しないし、たとえ上園ではなく桟原が出て行って、失点し負けたとしても、その責を問うことはしない。どんな意図があったにしても気持ちを分散させてしまう首脳陣のエラーだったと思う。
退場には訳があった。自分のエラーにイラついて、不確かな「劇場的激情」に、不確かな期待を賭けた。その計算の裏には、２年前の９月の出来事も影響を与えていたかも知れない。それはドラゴンズとしても同じこと。あの時と同じにしてたまるかという気持ちも働く。それに、同じような空間でも、あの時は敵地ナゴヤドーム。異様な空気に怒りのパワーが集中した。ここは大阪ドーム、ぐるりと味方ばかりの場内は、期待と重圧をかけてくる。そうそう思惑通りにならなかった。願わくば、選手の力を信じて、普通に試合を続けて欲しかったと思う。
コメント
帰京する新幹線の中から携帯で書き込みです。
昨日の試合ですが、一夜明けても悔しさが沸き上がってきます（苦笑）。審判の判定もアレですが、赤星選手、シーツ選手の打席で逆転、悪くても同点に追い付いて欲しかったです。
上園投手のリリーフは私もビックリしました。大阪日刊スポーツによると、広島戦は杉山、能見、ボギー（中４日）を先発させ、上園投手は中継ぎで待機させるそうです。個人的には、上園投手は先発一本で行って欲しいのですが。
上園を使ったのは、調子の良いボギーを中4日とか5日で、広島戦とその次の次の中日戦とに使いたいのが理由だと思います。本来だと、広島戦に当番予定の上園をその次のヤクルト戦で使う為、当番間隔が開きすぎるという所での調整登板でしょう。
それにしても中継ぎ課の面々が良い思いをしませんよね。桟原はもっと酷使した方が良い結果が出る選手だと思うのですが。。
代打、浜中を送って欲しかったなあ。
ランナー三塁の時は、
パワーのある打者の方が、
投手にプレッシャーを掛けられるから。
ただ、首位との差を１詰めたんやから、
言うことないでしょう。
悔しくはあるけど、中日サイドから考えるとどうでしょうか？
川上は今年一番のピッチングで金本の一撃も動じる気配なし。
「球数から完投も可能だし、９回に岩瀬で勝ち越しだな。」
ところがチャンスが出てきて代打立浪。
いや、代打はよいのですが敬遠されるの分かりきった事じゃないの？
井端で押し出しを狙ってるの？そして凡退。
8回裏の攻防言わずもがな。
明らかに采配ミス、もし負けてりゃえらい事になっていたでしょう。
昨日は判定に不服はあるが勝敗の不服は無かったと思う事にしています。
久しぶりの負け越しですが初戦をとっているので無理はでていません。
勝負はこれからでしょう。
toraoさん、こんにちは。
人間が判定するかぎり誤審はなくならないでしょうから、
誤審もひっくるめて楽しんじゃったほうがいいですよね！
そのハプニングをパワーに変えて一気に敵を飲み込もう！
って作戦が昨日はたまたまハマらなかった、ってことで。
赤星がそのまま打席に入ったのは、吉竹代行が雰囲気に
飲まれちゃって『代打浜中』を忘れたんだと思いますが。
投手起用については、下さん＆ボー＆ジャンがＤＧ戦に
合わせて週後半にシフトするなか、先週の横浜戦先発の
中で一番内容が悪かった上園が飛ばされるのは仕方ない
かなと思います。ＣＳでの中日戦中継ぎテストも兼ねて。
次回先発は22日（水）でしょうか。ガンバレ上園！
そんなかんじで、誤審も赤星そのままも上園登板も全部
まとめて、私は『普通』に受け流すことにしま?す！
がんばれ審判！
誤審も含めて野球といってしまえばそうなんですが、ないに越したことはありません。疑惑の判定を繰り返す審判をのさばらせておいて良いわけがないのです。
ウチの采配にも不満だらけです。頭の中は「たら」と「れば」があふれています。
痛い、悔しい負けでした。
たった二連敗ですが、皆さんのように前向きには受けとれません…。
ごぶさたしております
あの岡田監督があんなに怒るなんてびっくりしました。
今日は出場できるのでしょうか？
昨年の矢野様の退場、翌日出場停止のときほどはショックじゃないのが岡田監督……
toraoさんの記事は、負け試合を語るときいっそう輝きを増す、というのが私および私の周囲のtoraoさんファンの一致した見方です。今回も、素晴らしい敗戦記でした。
０対３で終わるはずの試合がもつれたのは、予想外のことが立て続けに起こったから。
まず桧山くんのヒットｗ。バントのはずが四球。急遽出てきた高橋の一球目がもうすこし怯えていてもいいはずが、ズバッと素晴らしいストライク。鳥谷くんの二塁ゴロがダブルプレーのはずがアウトはひとつ（誤審なければノーアウト）。
これで勝っていたら、まさに棚ぼたですが、棚から落ちてきたボタ餅をちゃっかり食べてしまえないところが、いかにもタイガースらしい（しっかり喰っちゃうのがドラゴンズ？ｗ）。
とは思っても、試合終了直後は、もやもやが残る。で、翌朝、toraoさんの記事ですっきり。ほんとうに、ありがとうございます、です。
仲間入りさせてください。宜しくお願いします。
待望の携帯版復活ありがとうございます。
あと先日はありがとうございました。昨日の試合は残念でした。toraoさんの言う通りで戦術的？退場はﾅｲﾝの心に響かないですね。岡田監督がﾍﾞﾝﾁにいたら、赤星に代打浜中か狩野ありと思いました。考えてみれば一昨年の9･7のﾅｺﾞﾔ決戦の時の橘高球審の判定は、もっと切羽詰まった状況でした。その時岡田監督退場を防いで自ら退場になった平田ﾍｯﾄﾞｺｰﾁは素晴らしかったと思いました。
残念な敗戦でしたが、両先発の内容からして勝てるわけの無い試合でしたし、負けることが「普通」の試合でしたからまぁOKでしょうか。
あんまりこの時期にツイてると9月が怖いですもん(笑)
僕は上園起用は今後を睨んでの事かなぁと見てました。
制球も安定して中継ぎ適正もありそうだし、シーズン後半のスクランブル登板に向けてこの場面で投げさせてみるのもありかなぁと。
オスギと能見は中継ぎだと出りゃあ点取られるってカンジですしねぇ。
それだけ上園を必要戦力として見てるって事かとポジティブに受け取ってたんですけど、どうなんでしょうかね実際？
まぁ、中日相手に３連敗しなければ今の時点ではOKでしょう。こんなところで中日と勝負付けが済むとはとても思えません。きっと連中は最後の最後まで我等の心を痛めつけてくれることでしょう。今年は最後に笑うのはウチですが。
誤審については、井端の２塁封殺がセーフ＆ボーグルソン２ランなんてこともありましたから、まぁ禍福はあざなえる縄のごとしということで。
岡田監督については打算無しでナインと一緒に盛り上がってるときが一番光って見える人なので、あそこはナインと一緒に怒りをグッと飲み込んで欲しかったところではあります。
阿部四郎（笑）
またエライ懐かしい所を突いてきますね。
超高速３カウントとか、ね（笑）
勝っても負けても、明らかな誤審って言うのは、そこばかりに
勝負の焦点が当たってしまい、他がボケちゃう点で余り
良い気分はしませんよね。
しかし、昨日のＤ高橋のピッチングは敵ながら
天晴れでした。
見事にポイントを抑えられました。
この対戦も、中止振替分含め残り８試合。
次辺りから本格的なドッグファイトが見れるかな？
「おきしきな」みたいにシャツを破かれるのか、という勢いでした（笑）。いろんな意味で出なしゃあない場面でしたね（笑）。見る位置は悪くない。捕球のグラブの方じゃなく、ベースの方を見ていたら逆のジャッジだったかもしれません…。上園の登板…ありゃあダメですね。鳥谷と上園は監督の退場にインネンがありますね（笑）
to ぴゅあらっくさま
お疲れさまでした。たとえば無死満塁でクリーンアップであろうとも、ウチのＪＦＫなら０点に抑えることが多々あるように、こっちも抑えられることもあるので、まあ気にしないでいきましょう。勝負はまだまだ先ですからね。
to ななさま
なるほど。ただ調整登板というものの優先度は低く、調整登板に適した場面とは思いませんでしたけどね。そのギャップが問題だったと思います。
to 酔虎伝さま
そうそう言うことありません。
to KEIさま
いや、今は立浪より井端の方が調子良いと思いますから、ドラもあれがベストだったと思いますよ。また岡本も結果は悪かったけど、型どおりですからね。
とにかく双方大きな無理のない３連戦でしたね。
to umeさま
雰囲気に飲まれたのもありそうですが、ああなると外からの選手より、ずっと出ていた選手の方が燃えているだろうってのもあると思います。
to 一虎ファンさま
そうそう、負けた時には思いっきりネガりましょう。体質によっては、それが健康の秘訣です（笑）。
to かんさいやさま
怒ってなかったと思いますよ（笑）。
to tenkiさま
またもう勘違いさせるようなこと書いて（笑）。ありがとうございます。
to S20.7.15生まれの戦後派さま
おお、大先輩。ようこそお越し下さいました。どうぞお気軽にいろいろとお書き下さい。よろしくお願いします。
to ｸﾘｷﾝﾄﾝ飛雄馬さま
そういえば、和田コーチが先にどつかなきゃいけませんでしたね、そうだそうだ。
to 良虎さま
もちろん今後を睨んでのことでしょう。問題はギャップです。
to caitさま
そのとおりですね。勝負付けを許すようなチームではありませんでした。
to 西田辺さま
いやあホント気分悪いですよ。しかも連日連日ですからね。高橋すごかったですよね。ああいう投球は褒めてやらんといけません。
to BSミツルHさま
出なしゃあないでした。でも退場まではいらなかったように思いました（笑）。