焦点と空白

スポンサーリンク

  少し前のことになるが、大西宏さんを迎えたビジネスセミナーに参加した。


大西さんはマーケティングの大家、有名人なのだけど、04年プロ野球再編問題の時に何度がブログを通じたやりとりをさせてもらった関係で、私としては(一方的に)他人とは思えない方(笑)。今回東京で無料セミナーがあるというので、大西さんに会いたいという、それだけの理由で参加してきた。
 04年当時、オーナー連の一部は、10球団(あるいは8球団)による1リーグ制を目論んでいて、その端緒としてオリックスによる近鉄合併、それに反対する選手会がストライキを行い、ライブドアやら楽天やら大騒ぎがあって現在の12球団維持という形になっている。その大騒動の間、たくさんの方と意見交流した。大西さんはもともと影響力のあるブログをやられていたので、そちらで紹介されることでアクセスが増えたことを覚えている。
 大西さんはブログの印象そのものの柔和な関西紳士(または「大阪のおっちゃん」)で、今という時代についていろいろと役立つ話をされていた。セミナー終了後、挨拶と名刺交換する。毎日のように読んでいるブログの書き手と会うのは、なんだか不思議な感覚になる。
 セミナーに限らず「無料」にはきちんとした思惑があって、その客寄せの中に「有料」へと発展する顧客を求めているということ。今回は大西さんで客寄せをして、そのコンサルタント会社の講義も聴いてもらおうというもの。確かにその内容は、とっても濃くて個人的に役立つと感じることが多かった。事情により有料の顧客にはなれないけど(笑)、まあひょっとしたらそのうちね。
 ビジネス系の話を聞いている時、当然自分の仕事に照らし合わせて聞くのだけれど、ふっと気づくと阪神タイガースに照らし合わせている。アホである(笑)。
 例えば「焦点と空白」というテーマ。人間の思考、行動の中に、「空白があると埋めたくなる」というのがあるという。「やれ!」と言われるとやりたくなくなるが、そこに気になる空白があると、勝手に埋めたくなる性質があるという。なるほどね。また、ある一点に焦点を当てることで、それ以外のところに空白が生まれるという。だからマネジメントというのはその時その時、どこに焦点を当てるか、それによってどこに空白を作るかを考えることだと。ふーん、面白いな。そうか、応用できる部分がありそうだぞ…。阪神の補強ってのは空白がないよな。いっつもこうその場その場で球団主導で埋めちゃう。で、焦点が当たらない感じで、そこそこ埋まっちゃうから、空白を埋めたいという沸いてくるような力が出てこない。ヨソなんか監督が方針を出して引っ張って、できた空白を我先にと埋め合っているもんな。そういうことか…。なんてね(笑)。
 なんか今年もそこそこの外国人で空白を埋めにかかっているようだけど、うまいこと焦点を当てて、うまいこと空白を作って、「埋めたい」という力を巻き起こして欲しいと思う。

コメント

  1. バースと藤川命 より:

    うまいこと言うよなあ
    「空白」かあ
    確かに我社は空白つくるの下手だよなあ
    センターなんか会社で穴埋めせずに、
    柴田、狩野なんかで競わせて欲しいよなあ
    他社だけど、巨珍なんか先発で「空白」つくって、山口チャレンジさせて、セットアッパーに「空白」つくって、新しい力期待するって!
    なんかいつのまにか原さんてうまくなったよなあ。そこらは、なんか星野イズムだよなあ
    なんとなくだけど

  2. 熊虎 より:

    なるほど。
    歴史的にも権力の空白と群雄割拠の戦乱はセットですもんね。
    阪神に当てはめると、やっぱり空白の出来にくい体質でしょう。フロントの補強はある意味当然だし選手のポジション争いにフロントが「参戦」していると思えばチームより大きな球団としては「穴を埋める」本能的なことで、失敗続きでも行動としては合目的と言えますよね。
    問題はどちらかといえば人気球団にありがちな「小粒なビッグネーム」がチームの主力になったときに「空白」が出来にくい。これはユーティリティプレーヤーとか平均点の良い選手がスペシャリストよりも重用されることによって拍車がかかっている印象です。
    バースと藤川命さんのおっしゃるように星野監督然り野村監督然り「空白に登用」、「活躍する場を設ける」タイプでしたし、特にノムさんはスペシャリストを通用させる術を持っていたように思いますね。
    普通に思い浮かぶような少しずつ起用して「慣らし育成」するのは本質的に間違いなのかもしれませんね。

  3. バースと藤川命 より:

    こうして新庄が抜けたときの「空白」をふりかえると、あの時ノムさんじゃなかったら、赤星はいなかったよなあ。もしいたとしても、レギュラーには簡単にはなってなかったよなあ!と思いますなあ!野球人て、「空白」の出現、「空白」にワンピースをあてはめる上司との出会い等 運 によるところが大きいよなあとあらためて感じております。そういう意味じゃ真弓さんは人間的にはすきだけど、柴田や狩野にとって運命的な監督かって言われると、微妙だよなと勝手に分析しとりますわ

  4. G3 より:

     「空白」の話は大納得ですね。
     仮に戦力が充実し、毎年優勝争いをするチームであっても、首脳陣が上手に「空白」を作れば新戦力が台頭する可能性は高くなる。逆に常に「再建中」のようなチームでも、上手く「空白」を作れなければ、チームの新陳代謝は促進されないのかも知れません。
     そう考えると、チームを強くするには資金力より何より、首脳陣のマネジメント力が最も大切なのかも知れませんね。

  5. 西田辺 より:

    困った事に、ウチの経営陣はポジションの「空白」が生じるのを
    姑息に埋めてしまおうとする伝統があるようで。
    その隙間を縫って、スターが生まれても来ているけど
    球団主導とは言い難い。
    余り若手がポジションの争奪戦を繰り広げて、と言う
    光景が見えてこないのも、トップが「レギュラーの空白はファンが
    許してくれない」などと妙な思い違いをしているからではないでしょうか。
    計画的なドラフト戦略デザインもなく、空白など埋まるはずもない。
    今年、大きく空いた幾つもの「空白」を誰が埋めてくれるのか。
    大穴の出現を楽しみにしたいです。

タイトルとURLをコピーしました