苦手井納に序盤9点の速攻

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阪神は初回に猛攻。上本の初球ヒットを皮切りに、原口先制タイムリー、中谷2点二塁打、今成犠飛、坂本タイムリー二塁打など、6安打に2四球を絡めて5点を先制。さらに2回には中谷タイムリー、今成併殺崩れの間に2点、3回にも福留のタイムリー二塁打と原口の犠飛で2点を加え、DeNA先発井納から序盤で9点の大量リードを取った。阪神先発能見は8回を投げ3失点の好投、9回は松田が投げ、試合を壊すことなく9-3で快勝。

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対DeNA 17回戦 横浜

神 | 5 2 2 0 0 0 0 0 0 | 9
デ | 0 0 0 0 2 1 0 0 0 | 3

勝:能見8勝10敗0S
敗:井納6勝9敗0S
HR:戸柱ツーラン2号
阪神:能見 – 松田
DeNA:井納 – 砂田 – ブロードウェイ – 加賀

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主審がプレーボールの声をかけて第1球。ど真ん中の直球をこの日も1番セカンドでスタメンの上本が軽やかにシバく。この一打が井納の自信を揺るがせるきっかけ。
ところが2番北條は初球バント失敗、2球目バスターをポップフライにしてしまう。もしもこの回無得点に終わってしまっていたとしたら(次の髙山の打球が少し右か左にずれて併殺になっていたらそうだった)、非常に悔やまれる攻撃になっていた。
それをリカバーしたのが3番髙山と一走上本。初球のまっすぐを叩いて痛烈に一二塁間を破る。一走上本はスピードを上げて三塁を狙う、ライト梶谷から好送球が飛んできて、タイミングはアウトだったが三塁飛雄馬がタッチしたグラブからボールがこぼれておりセーフ。

ここまで2人の打者が初球の真っ直ぐを狙っていたかのように痛烈に弾き返した。井納は福留への初球、非常に投げにくそうにした。バッテリーは結局福留には直球を一つも投げず、外角一辺倒。福留は一つも振らずに四球を得た。

満塁となり、井納は吹っ切れたように腕を振ってくる。初球から直球で押して原口は2つファウルで追い込まれる。しかしここから4球続けて外角低めへ曲げたり、落としたりしてくる球にくらいついて、最後は外に外れたフォークをバットを投げ出すようにして拾ってショート左をハーフライナーで越えていくヒット。先手を取った。

1点先制という「先手」もさることながら、ここまでの打者4人で、「阪神打線に狙われている」と心理的に追い込んだ。この「先手」が大きかった。序盤で9得点を上げるが、その経緯が下記。
★は初球の直球を打ったもの。■は2ストライクに追い込まれてから低めの変化球を打ったもの。

【1回表】
上本 ★左前打 無死一塁
北條 三飛 一死一塁
高山 ★右前打 一死一三塁
福留 四球 一死満塁
原口 ■左前適時打1-0 一死満塁
中谷 右越2点二塁打3-0 一死二三塁
今成 ★左犠飛 4-0 二死二塁
坂本 ★中越適時二塁打 5-0 二死二塁
能見 投手強襲打 二死一三塁
上本 四球 二死満塁
北條 空振り三振 チェンジ

【2回表】
高山 ■中前打 無死一塁
福留 四球 無死一二塁
原口 中前打 無死満塁
中谷 ★左前適時打 6-0 無死満塁
今成 遊ゴロ併殺崩れ 7-0 一死一三塁
坂本 見逃し三振 二死一三塁
能見 遊ゴロ チェンジ

【3回表】
上本 中飛 一死
北條 二塁内野安打 一死一塁
高山 右前打 一死一二塁
福留 左越適時二塁打 8-0 一死二三塁
原口 中犠飛 9-0 二死三塁
中谷 空振り三振 チェンジ

試合開始時のチームオーダーとして、「初球パワーで抑え込もうと投げてくる直球を叩け。追い込まれたら低めの変化球に対応しろ」が徹底されていた。得た四球もその方針の延長でもらえたもの。

こちらの狙いがわかった相手バッテリーは、2回以後、徐々に組み立てを変えてきたが、今度は阪神がその変化に対応すれば良かった。ボールから入ってくる球を冷静に見送ったり、甘い変化球を叩いたりと、相手の変わり身を予想して、球を待てていた。
結果、もののみごとに序盤の速攻が決まり、5点、2点、2点の9得点で試合を決めてしまった。

先頭の上本がまさに1球で仕留めたため、後続の打者も自信をもって振れたし、逆に井納は初球から緊張して腕が振れなくなっていった。めった打ちにあった井納はいつもの井納とは違う悪い井納だったが、必ずしも井納の側だけに原因があったのではなく、阪神打線の攻め方がハマったのも必ずあったはずだ。

忘れてはいけないのが紙一重の走塁でスパッと相手を斬ったこと。1回、三塁を奪った上本の走塁は上本でなければアウトのだが、勢いと切れ味でセーフにした。
風にも乗ってフラフラとライトの頭を越した中谷の二塁打で二走福留はホーム際どいタイミングになったが、体をバックネット側に逃がしながらローリングして滑り込みセーフ。流れにどんどん乗っていけるイケイケ走塁が決まった。
勢いをつけるナイスジャッジとナイスランだった。

守りでは北條が「未熟」を2つ(記録はともにヒット)。坂本は落ち着いたリードで◎。打撃もいいよね。上本は守備も無難にこなした。
髙山は早々に猛打賞達成で、チーム新人タイ記録。プロ初3打点の中谷がプロ初のヒーローインタビューを受けた。
今日は藤浪vs久保康。同じオーダーで良さそうに思うけど、どうだろう。

コメント

  1. 虎ジジィ より:

    打線が繋がる時は面白いように繋がるモノですね。
    カモにされていた井納をカモ返しした「これがタイガース?」と思う程ソツなく、素晴らしい序盤の繋がる攻撃でした。

    福留を早々に休養させたあとの野手メンバーは、若虎揃い(平均年齢25歳位?全員の年俸足して鳥谷の半分以下?)で近未来のレギュラーに心が踊りました。

    圧勝でしたが中盤以後は普段のタイガースモード・淡白な攻撃に戻ってしまったのと、北條に守備のミス×2があったのは少し気がかりです。
    まあ、序盤にあれほどの点差がついたので主審が若干雑になりw追加点が難しかった事や、北條のショート守備もG坂本があの年齢の頃と同等であり、まだまだ伸びると思うので心配ないとは思いますが、長年の虎心配病なもので…

    さて、今日の難敵 久保投手はタイガース若手を手玉にとるのが得意な投手。
    オマケにフィールディングも良いのでバントでの揺さぶりや足絡めも難しい為、とにかく粘り球数を多く投げさせてへばらせるのが攻略法になるでしょう。

    それとここ2試合の勝利のキーワード「謎のバックホーム!!(日曜ゴメスが三死から未遂、昨日江越がランナー無しから遠投)」もお忘れなくf^_^;

    • 西田辺 より:

      謎のバックホーム(笑)
      日曜日のゴメスのアレは、タイミングが微妙だったのと審判のコールが遅かったので、万が一
      セーフコールをされた時のバックホーム対応で、念のための予備動作です。
      昨日の江越のは、福留ばりのライトゴロを決めてやろうとしてたんでしょうね。
      けど、どうにも制御が利かないんでしょう(笑)
      ポンコツピッチングマシーンみたいです。
      一塁に投げようとしたら原口の顔が見えたので、思わず混乱したのかもww
      頭と身体の連動がうまく調整できないようです。

      • 虎ジジィ より:

        江越が素早くライトゴロを狙っているのはわかりましたが、とんでもないボールを投げてしまいましたね。アレが決まってたらカッコ良かったのに⊂(¯×¯٥)⊃
        先日のゴメスは単にアウトカウントを間違えたのかと思っていましたが、さすがに野球経験者の西田辺さんは深い!

  2. 西田辺 より:

    井納にしてみれば、あれよあれよの5失点だったかも。
    上本・高山に早いカウントの真っ直ぐを打たれて福留に対しては全て変化球で
    フォアボール。
    ここで早くも横浜バッテリーは手詰まりを起こす。
    満塁などのチャンスの時、その次のバッターが打線のその後を決めると言っても
    過言ではない。
    凡退とかで点が入らないと、次の打者に更にプレッシャーがかかる。
    そういう意味で原口の先制タイムリーは大きかった。
    これが中谷のタイムリー、今成の犠飛、坂本のプロ入り初打点に繋がった。
    ベンチからの指示がどのようなものであったかは分かりませんが、それにしても
    「どうした阪神打線?」と言うくらい繋がりましたね(笑)
    広島って、阪神戦の時いつもこんな感じなんでしょうか?
    井納もそこそこ球速も出てたし何が悪かったんでしょうね?
    少しシュート回転気味に中に入っていたような気はしますが、井納クラスになると
    そんなに連打は望めない。
    贅沢を言えば、井納以降の投手から点を取って欲しかった。
    「悪かった井納を打ち込んだ」と「横浜投手陣を打ち込んだ」では、選手の気持ちも
    違ってくるはず。
    坂本は出番の度に捕手として成長しているのが見て取れますね。
    点差があったというのもあるけれど、配球の偏りもなかったし、能見の落ちる球にも
    良く対応してました。
    それと意外に右方向の打球が伸びる。
    バッティングも向上してくれば、もっと出番が増えて来るかも知れませんね。
    高山早くもルーキーでの猛打賞数球団記録タイ。
    その記録保持者は、今横浜ベンチにいる坪井バッティングコーチ。
    妙な因縁を感じます。
    今日の先発は藤浪。
    一つでも上に行こうと思えば、この男のピッチングは不可欠。
    ビシッと藤浪らしい姿を見せてくれ!

  3. yalkeys より:

    3塁側ボックス席で観戦でした。3回までに井納から9点!何故かラミちゃんは井納を替えません。理由は分かりませんが、先日の藤浪の続投を思い出しました。試合に勝つのはほぼ確実でしたが、迫り来る黒雲の襲来での雨天中止(5回終了前)だけが心配でした。大勝ちの翌日が心配ですが、杞憂に終わることを確信しています。

  4. とらかっぱ より:

    久々に序盤からの大量得点で左うちわゲーム。ついこの前まで、こんな試合が月一くらいであったような気がしますが、真弓監督の時いや岡田監督時代まで遡らないとアカンのかな。されば7年以上昔の話?年取ると時の経つのは早いねぇ。

    井納はなんで打たれたのか、解らぬままのノックアウトやったみたいですが、タイガースにしてみれば今まで、なんで抑えられてたのか解らんピッチャー。一番の要因は追い込まれてのフォークにやられまくってた事でしたが、昨日はベンチの指示が徹底され、選手もよく理解したうえで、実践出来た成果でしょうね。

    打線が抑え込まれた時は、狙い球や方針が見えない若しくは無茶なものであるように見えた打撃コーチの指示でしたが、昨日はtoraoさんの仰るファーストストライク叩け作戦が、お見事でした。実際には「カウント球のストレートを狙え」なんて単純な指示ではないのでしょうが、機能しない時はあまりにも難易度の高い指示がでてそうな気配が見て取れるような惨状でした。今季のメンバーはまだ若く経験値の浅い選手が多いので、出来そうな事を指示して出して、それでもアカンのなら「こんな指示出した俺が悪い」くらい腹括ってやって欲しいものです。
    昨日のゲームに関しては、片岡コーチGJ!

  5. トラ11 より:

    井納へは気持ちの良い攻め方でしたが、継投になると打てなかったですね。
    井納対策がきちんとできていたと評価したいです。

    昨日の能見はやはり西田辺さんの言われたように気迫のある好投で良い日の能見で本当に良かったです。
    これからも良い日ばかりになってくれるにはどうしたら良いのでしょうか。
    先発の予定を組んでから1回外して好投の日としてまた組み直すとか。難しいですね(笑)。

    久保にも捻られない対策を立ててきて欲しいです。
    藤浪、今日こそエースの意地を見せて欲しい。

  6. hi64 より:

    昨日は現地でした。
    走塁に関していえば,昨日はさほど褒められたものではないと感じました。
    初回の上本の関しては,高代Cは3塁進塁を止めていました。
    それでも走ったというのは上本の判断でそれはそれでよいのですが,なぜか2塁を回るあたりで一度スピードを緩めたように見え,それならなぜ制止を無視して3塁を狙ったのか分からず,あ,アウト,と思った瞬間ボールがこぼれてセーフ。
    完全な結果オーライの走塁でした。
    福留の走塁については,福留は一旦3塁で止まる構えでしたが,打者走者の中谷がすでに2塁に到達しており,1塁走者の原口がショートの定位置くらいまで来ていて,それを見て慌てて走り出したような形でした(原口は福留が3塁にいるのを見て,一度,三遊間で止まり2塁に戻りかけました)。
    中谷の打球は,上がった感じからしても外野の追い方を見ても外野フライとしか思えないような当たりだったので,打球判断としては相当難しかったと思いますが,危うい走塁でした。

    それはそれとして,昨日は,1回裏の倉本のダブルプレーでほぼ大勢は決した感じで,珍しく余裕をもって見ていられる試合でした。

  7. 虎友 より:

    トラオさんみなさんこんにちは。
    毎日暑いですね。

    お尻に火がついた上本を待ってました!
    守備の事は考えずなりふりかまわずで残り試合頑張れ。

    うまく機能したんだからオーダーは昨日と同じがベスト!
    藤浪の出来で昨日の勝ちの意味が上がります
    出来ればリリーフなるべく温存でお願いします!

  8. ken3953 より:

    まずは上本GJ。影のヒーローでしたね。
    積極性と観察力、失敗を恐れないチャレンジ精神。
    来季に向けても非常に重要な要素です。
    ただ横浜も昨日の反省を生かしてくるでしょうから
    更に次の対策を立てておく必要があります。
    昨日は皆様仰るように珍しくチーム全体で井納攻略の意図が
    感じられました。久保もクイックで自滅するという弱点は
    ハッキリしていますが、具体的にどう崩していくのか。
    バッティングコーチに期待します。

    トラオさんの■★解説とても分かり易くて良いと思います。
    片岡コーチ『えっ?』
    って可能性も無きにしもあらずですがw
    ともあれ相手打者がどう自軍投手を攻略しに来ていたのか、
    相手バッテリーがどういう組み立てをして来ていたのか、
    阪神にも少なくとも専門の分析班は置いてて欲しいもんです。

  9. 熊虎 より:

    昨日は所用のためベイスターズが3点目をとったところからTV観戦。
    快勝なのに、私だけがスッキリできないのがなんとも不条理。

    そんななか、「おっ」と思ったのが松田投手。
    ストレートだけの投手と思っていたら、坂本とバッテリーを組むとスローカーブやらいつもよりスピード控えめ、曲がり大きめのスライダーやら変化球主体で、コントロールも良く緩急も付き、ストレートが非常に効果的に使えるようになっていました。
    ひょっとしたら疲れの副作用かもしれませんが、いつもの「えいやっ」というフォームよりも左足が着地してからのタメが出来ていて、このフォームの方がコントロールをつけやすいように思いました。

  10. ガク より:

    昨日の殊勲者はいろいろいますがなんといっても原口ではないでしょうか。
    初回のあの場面でゴメスなら100%三振かゲッツーで無得点だったでしょう。
    あのフォークをよくぞくらいついてタイムリーにしました。
    江越も原口のあのバッティングは見習わなくてはなりませんよ。

    さて今日の藤浪、もう走者気にすることなく打者に集中して打ち取ってほしいですね。

  11. 虎轍 より:

    気持ちの良い打線の繋がりでしたね。

    初戦を取れたので3タテあるょ(笑)

    序盤でいっぱい点を貰ったから、能見には完封、完投を狙って貰いたかったなぁ〜

    今日は藤浪がピリッとした投球をして貰いたいですね。

    高山猛打賞球団記録タイおめでとう!坪井の目の前で抜いたれ!

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