田村 我が道を行く

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赤松の故障についての続報がない。


前田忠と庄田が一軍キャンプに呼ばれた。内野守備固め&代走の要員は手薄なので、前田忠はなんとかしてアピールしたいところ。
ファイターズの練習試合はなかなか見所が多かった。各選手の出来は、ichikenさんの記事がむちゃくちゃ的確で素晴らしいので省略(笑)。雑感を加えるなら、期待の高かった赤松が離脱したことで、何も変わっていない上坂の存在感がアップしているなぁ。林はすでに開幕一軍を決めちゃったなぁ。ちょっと前まで喜田&林と並び称せられていたのに、明らかに格違いだなぁっ…てとこ。
3番手としてマウンドに上がった田村について。
二軍戦をよく見ている方から、田村が若年寄のような投げ方で、130km/hほどの直球しか投げないという話は何度か聞いていたが、なにぶん自分で見たわけではないので、ピンと来なかった。
このキャンプで沖縄行きに抜擢されたので、それはリハビリ中の話で、今は良くなったのだと思った。
2年前の春のキャンプ、田村は期待のホープだった。「井川二世」などと呼ばれ、強靱な下半身と背筋力から、体をひねりあげて、えげつないクロスファイアーを投げた。その球筋が、この投手がパワフルでタフな将来性豊かな若者だと物語っていた。沖縄に来るということは、その開花の片鱗を見られることだと思い込んでいた。
スカイAでブルペン投球する田村を見たら、腕を振らずに投げているので驚いた。野手の送球のようにこちょこちょっと、ほとんどバックスイングがなく、前だけに腕を振る投げ方…。ブルペンの様子は、投げている姿しか映らないから、どんなボールを投げているのかがわからない…。
この日、3番手でマウンドに上がった田村は、2年前のキャンプの田村とは別人だった。130km/hそこそこの直球と、ことごとく低めに沈み込むいくつかの変化球を、変わった間合いから投げ込んでくる「技巧派投手練習生」のような投手だった。投げ方は別にして、下柳のイメージに近いか。あの日思い描いた将来像とのあまりにも大きいギャップ…正直、私はショックを覚えた。「残念だ」と思った。
ということは、なぜここに田村が呼ばれているのか。相木、伊代野と同じように、目先を変える中継ぎ投手という存在なのか…。このフォームを変えた田村は、首脳陣から大変好意的にとられているという…。監督やコーチは残念じゃないのか。
しばし考えて、目の前にいる田村を見ながら、「残念だ」と思わない理由が、なんとなくわかってきたような気がした。周囲も初めは残念に思ったのだろう。そして、その後、このフォームと、自分の役割に賭けた、田村の決意の固さを認めてやったのではないだろうか。
例えば、これまでにも類い希な美しいボールを投げる代わりに、その現役生活のほとんどをリハビリに費やした投手もいる。例えば、大きく育てようという指導者を信じて従い、時代の幸運に恵まれることなくユニフォームを脱いだ未完の大器もいる。何がそう決断させたのかはわからないが、田村は自分自身で、「球は遅いが、動いて打ちにくい」「しつこく低めをついてくる」技巧派投手になると決めたのだろう。
打たれても顔色を変えずに、遅い球をコントロールしようとしている。そんな田村を応援しようと思った。

コメント

  1. 阪神タイガース、対日ハム戦 in 沖縄 林選手鮮烈本塁打

    今日は日ハムと練習試合
    たったいま林が9回表に3ランホームラン打ちました
    すげー
    長いヒットかと思ったんですが、ライトスタンド(正確にはライト芝)に入りました
    これはますます大物の期待です
    まあ練習試合なので、9?6という大味の結果ですが、若手には自

  2. 西田辺 より:

    お早うございます。
    田村についてのtoraoさんのご意見、何だか
    胸にグッサグサ刺さりました。
    首脳陣やファンの期待だけでは彼の野球人生は
    長らえていけないし、どこかで現実との狭間の決断をしないといけない。
    勿論野手にも言えることですけど。
    彼の決断した「投手 田村」がいつの日か甲子園の
    マウンドに立つ日を待ちたいと思いました。

  3. いわほー より:

    左腕・田村といえば、どうしても田村勤投手をダブらせてしまいます。”切れまくり”のクロスファイヤーボールは伝説もんでしたからね。その上「井川二世」と聞けば、否が応でも期待が高まります。昨日の試合はダイジェストで観ただけなので、田村の投球シーンも打たれた映像でした。”切れまくり”の活きのいい投球を期待していただけに、私も拍子抜けしました。と、その時はチェンジアップがすっぽ抜けたのかなと(ご都合解釈で)思ってましたが、やはりあれがストレートでしたか。ーー;
    ここはひとつ愛情あふれる、”torao式ご都合解釈”を取り入れて、もう少し様子をみることにします。あくまでイメージが違っただけということで、新・田村モデルを否定せずに、長い目で期待していようと思います。^^

  4. おかぼん より:

    ファンにとっては待ちに待った実戦の始まりは、一方でシビアな現実の始まりでもあるんだな、と感じさせられる今日の記事でした。
    「○○二世」といったマスコミの命名を聞くと、こちらは勝手な期待を膨らませてしてしまう。それが選手本人にとっては迷惑な場合だってある…重々分かってはいるんです。特にタイガースというチームではね。
    でも多くの人たちの「夢見る気持ち」を背負って戦うのが、選ばれた者としてのプロの努めでもあると思う。田村投手はインタビューのときはのんびりした風貌だが、マウンド上では顔つきが一変する、その気持ちの強さを打ち出してがんばってほしいと思います。

  5. 実は、田村が一軍キャンプに選ばれたことに、ちょっと違和感がありました。なぜなら、井川二世なら「先発型」。今の先発は余っている状態のうえ、江草だって先発に廻るかもという状況で、テストする理由が解りませんでした。
    田村が知らないうちに技巧派になり、さらにリリーフとしてでも、1軍に残りたいと思っているとしたら、納得できます。
    リリーフ投手は毎年、安定して働けるとは限りません。
    首脳陣としては1人でも多く、使える人間を確保しておきたいところです。
    けれど「技巧派」田村は、やっぱり残念です。

  6. torao より:

    to 西田辺さま
    どういう考えからの変更なのかがわからないんですが、迷いがない感じは受けました。いつか本人の口から話を聞いてみたいです。
    to いわほーさま
    ただ、ストレートもひょっとしたら、最近流行の半速球系の変化球なのかもしれないです。基本は「おじぎする球」でした。何を考え、どこに向かっているのか…ちょっと見守りたいです。
    to おかぼんさま
    >選ばれた者としてのプロの努めでもある…
    そのとおりですね。「転向」は裏切りであるという事実は重いと思います。あとは本人が「説得」して行くしかないのかも知れません。
    to ばかぼん父さま
    >けれど「技巧派」田村は、やっぱり残念です
    そうですよね。わかりませんが、コーチもスカウトも…みんな残念だったんじゃないでしょうか。そして始めは本人が一番残念だったように思うんです。

  7. ナカバーも去年フォーム修正したらしいんですが・・・うまくいかなかったようです(泣)
    道理でえらい登板数が減ったと思った。
    今年は絶対甲子園で投げてくださいね、ずっとずっと応援してますから、って言って来たけど・・・ファームの投手として甲子園で投げたって意味無いんだからね?(`ヘ´)
    1軍の投手として、早く上がってこ?い。
    私にとって田村や伊代野はライバルです♪
    (いや、私のじゃなくてナカバーのだろ・・・)

  8. grayghost より:

    田村は、昨季もファームでも結果が出せませんでしたから、
    1軍キャンプに参加は、今年は、中継ぎ候補なんだろうという解釈でした。
    4年目になる今季は、まずは結果を残していかないという思いがあるんだと思います。
    技巧派もやっておいて、損はないかと。
    まだ、若いですから、これからまた変わっていくんじゃないでしょうか。
    私が一番気になるポジション争いは、守備固め。
    (ポジションじゃないけど)
    上坂がいい活躍をしたかと思えば、
    前田忠が暴走(笑)
    でも、打って塁に出れただけ、少しはアピールになったかなと。
    内野の守備固め&代走要員は手薄なんですかねぇ。
    この二人に秀太もいますから。
    3人とも1軍ってことはないしね。
    困ったなぁ、3人とも好みの選手だからなぁ。

  9. 日ハムとの練習試合

    今日は待ちに待った日ハムとの練習試合。
    久しぶりのゲームですから、多くのファンも楽しみにしていたでしょう。
    というわけで、試合結果と主だった選手の寸評をどうぞ。

    【試合結果】
     T 001 012 005|9
     F 000 400 200|6
     [投]能見?伊代野?田村

    【投

  10. torao より:

    to ちょびうささま
    今日はたっぷり昼寝できたかな。またしっかり応援してやったりんしゃい(笑)。
    to grayghostさま
    外野手に打つ人が集中しているので、いわゆる守備固めの人選が難しいですね。今季も鳥谷&藤本が「最強型」になるでしょうから、二遊間候補は1枚だけになるかもしれませんね。センターの代わりがつとまる上坂は便利です。そのうちまた枠を見直しますが、厳しいですよ。あの人やあの人が落選の危機ですからね。

  11. とらねこ より:

    これは当然のことですが、誰もが一軍のマウンド
    メンバーに成りたいと思っている。それを叶えるために努力し結果を出していく。自分の中で試行錯誤しているんでしょうね。なかなか出来る事ではない ことをみんなやっている。自分にとってチームにとってファンにとって良いことなんですよね。伊代野がんばってほしいです!

  12. 密林の猛虎打線 より:

    田村投手の現フォームは、コントロールのバラツキを抑えるために
    Dr久保コーチが「それならいっそ後ろを取るな」と提案して今の形になったと
    大阪ABCラジオより伝え聞きました。
    自分としては、左腕技巧派投手はいつの時代も重宝されると思っております。
    個人的に、チャンスをモノにして這い上がって来て欲しいと願う選手の一人です。

  13. ぼん より:

    赤松は高知県に行くことになりました
    http://www.nikkansports.com/ns/baseball/professional/f-bb-tp1-060213-0025.html
    寒いだろうなあ・・・

  14. torao より:

    to とらねこさま
    競争から脱落した者は職を失う…そんな厳しすぎる条件の中で生活している人たちなんですよね。本当に敬意を抱きます。
    to 密林の猛虎打線さま
    そうですか。私の邪推ですが、ヒジ痛になったことも決断に関係あると思います。まわりの高卒選手がぽつぽつ抜けていくのを見ながら、ケガをして遠回りしているヒマはないと感じていたでしょうから。私もチャンスあると思いましたよ。
    to ぽんさま
    なんだか難しくて読めない病名(でいいのかな)がついていましたね。でも骨じゃなくて良かった!

  15. 確かに田村は入団当初に比べれば、ずいぶん
    イメージが変わりましたよね。
    ただ、個人的にはこないだの練習試合の投球を
    見る限り、ずいぶんまとまってきたと思いました。
    まずは左のワンポイントで何とか一軍に
    食い込んで欲しいです。
    左のワンポイントといえば、吉野にも頑張って
    欲しいです!!

  16. torao より:

    to 相模のトラキチさま
    「まとめる」ためのフォーム改造ですから、まとまってくれないと…(笑)。
    岡田監督はワンポイントを使うつもりがないようですので、リリーフなら最低1回をきっちり抑える投球が求められそうです。おそらく田村の目標は、下柳のようにのらりくらりと抑えるスタイルなのでしょうね。

  17. はじめまして鳴尾浜計造と申します。
    阪神から戦力外通告を受け、トライアウトに挑戦する田村領平についてブログに書こうとしているのですが
    こちらのページでの田村のフォーム改造についての文章が実によくまとまっていますので、トラックバックさせていただきたいと思います。
    よろしくお願いします。

  18. torao より:

    to 鳴尾浜計造さま
    はじめまして。古い記事ですが、お役に立てたようで良かったです。嫌がらせのようなトラックバックが多いため、機能をオフにしておりご面倒をおかけしましたが、ご紹介、ご連絡ありがとうございました。
    今後ともよろしくお願いします。

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