当たる当たらぬで大違い

「倍返し１８連勝シリーズ」の３連勝目（笑）。

それにしても、つい先日９連敗中は「負けててもＪＦＫ連投じゃ」「なんでも良いから勝て」だったのに、３連勝したら「ＪＦＫ頼りすぎ」「勝ち方が気に入らん」…。げに恐ろしきは人の欲望なり（笑）。
確かに加点機のあと１本があれば杉山ももう少し行けたろうし、たとえそれがなくとももう一踏ん張りして欲しかったというのはあるが、まだ今は全員で必死になって流れを作っている最中だからね。良いプレーと悪いプレーがじゃんじゃん出てきて、わずかに良いプレーが優勢で勝ちに繋がる、そんな試合が続いている。だからここはＪＦＫも壊れない程度に頑張って欲しいと思う。
スワローズに反撃された６回ウラ、ラミレスのタイムリーで１点返されなお無死一二塁、打者宮本はゲッツー向きの三ゴロ。しかし右打ち狙いの宮本に備え、関本の守備位置は大きく一塁寄り、ベースカバーを待ったため二塁封殺のみで併殺取れず。これは非常に悪いプレー。陣形からして５?４?３の併殺を取れない形なのだから、まず三塁ベースを踏みに行って、５?５?３を狙うべきだったね。頭の準備不足。
８回表、１点リードで一死からヒットの葛城に代わってとっておきの代走赤松。ところが打者への第１球を投げる前に牽制死。こういうのも経験しないとね。
連敗を止めた日は８安打で２番葛城だけノーヒット、２連勝目は９安打で１番鳥谷だけノーヒット、でこの３連勝目は１０安打で４番金本だけノーヒット。ヒットがコンスタントに出るようになっていること、「お休みさん」が交代で出現し、前後の打者でフォローできていること、これはとても良いこと。
ＪＦＫへの橋渡しはこの日もハシケン。そういえば昔やっぱり中継ぎの橋本って人のことをブリッジって呼んでいたおじさんがいたような…（笑）。低めへの直球が威力抜群。加えてチェンジアップが良く落ちていた。７?９回はＪＦＫ＆Ｈの交代制にした方が良いと思う。１８連勝していく上では（笑）。
２回、今岡シーツ狩野の連打による１点も嬉しかったけど、４回の狩野藤原鳥谷の２点が良かったねぇ。ほんの１?２週間前までは、ブレークとは言っても、まだまだ週１スタメンで修行せよという扱いだった狩野が、今や「併用期」をすっとばしてレギュラー獲りを固めるところにまで来ている。鈍感力のチームだけに目立ってしゃーないね（笑）。
鳥谷。オープンスタンスから踏み込んで打つ。その踏み込み足への力を弱めれば打たれないというデータ通りインローの出し入れで攻められる。いつかインローの直球を思いっきり引っ張ってライトスタンドに放り込んで欲しいんだけどなぁ。この場面でも初球、インロー直球でストライク、２球目はボールで腰を引かせて、と計算通りに攻められていた。しかし３球目のインコース直球をしっかりアウトステップして投手足元に返した打撃は、いままでになかった打ち方。これができるのなら話が変わってくるはずだ。
そして藤原。内外野を器用にこなす地味な選手だが、ウェスタンでは数多く試合に出て、そこそこの打率、そこそこの打点、そこそこのＨＲを記録する、ちょっと他からは抜けた存在。だから毎年一軍に呼ばれて、出場機会も得るのだが、チャンスを掴みきれない。守備のミスがあったり、バントのミスがあったり、消極的になったり、ムチャ振りしたり…。ありがちな「良いものをもっているのに」というプロ生活だ。しかし似たような境遇だった狩野の存在が大いに藤原を刺激しているだろう。
第１打席は２回表、１点取ってなお１死二塁という場面ではカウント２?３から見逃し三振。Ｓ先発石井一特有の大きなスライダーだったが、また弱気の虫が顔を出し、タイムリー二塁打を打った気になる狩野を返せなかった。
２打席目は、狩野のラッキーな内野安打の後、一死一塁。石井一はゲッツー狙いのカットボール連投。藤原は甘いコースにもバットが当たらない。空振り二つでカウント２?２。５球目、やっとのことでバットに当たったボールが一塁スタンドに入る。このファールでどれだけ藤原の緊張感と恐怖感が和らいだことか。打てない打者なのではなくて、自分でも「打てないんじゃないか」と思いこんでいただけ。これで一気に二軍戦の藤原に戻れた。
Ｓバッテリーはそうとも知らず「打てるはずのない打者」に同じ球を投げ続ける。６球目のカットボール、しっかり振り切った打球がレフト線を転がる。勝負を決める得点に繋げる大きな働きで、藤原のプロ人生も大きく変われると良いね。