やっぱり交流戦

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先発下柳がいつもどおりの好投で7回ウラ、走者一二塁といえどもすでに二死。


いつもどおりこつこつを奪ったリードは3点。いつでもナベ、ジェフ、球児の勝利執行人に手続を委ねることができる。それはこの40試合余りを見てきたタイガース関係者、タイガースファンにとっては、きわめて当たり前の常識的見解だった。ところが「序盤戦の常識は交流戦の非常識」だった。
毎年のように交流戦から流れが変わるのはなぜなのか。ま、相手が変わるのだから必然といえば必然。勝負付けの済んでいない対決では、「今年蓄積してきた自信」でかさあげされることなく、今現在の正味の自分で勝負するしかない。
二死一二塁、打席に右の北川。ここで下柳に代えて渡辺。万全の継投のはずだった。しかし渡辺対北川の対戦は、外高めの速球を謙虚に打ち返した北川の勝ち。1?3。
二死一三塁、続く左のローズでジェフ・ウィリアムスを前倒しでマウンドに。石橋を叩く継投だった。しかしジェフ対ローズは、高めの直球を謙虚にレフト前に落とす。2?3。
二死一二塁、ジェフは制球を乱しはっきりとわかるボールを4つ続け濱中に四球。
二死満塁、この日プロ入り初スタメンという一輝が高め直球を投手足元へ基本通りの謙虚な打撃、普通なら投手ゴロの可能性もあるが、ジェフの場合は投げた後そこにはいない。鋭い当たりが二遊間を破る。3?4、逆転タイムリーとなる。
バファローズの3本のタイムリーは、いずれも謙虚に打ち返す打撃。対して打たれた球は、狙ったところと違ったにせよ、まるで傲慢さすら感じるような高めの直球。ナメた結果だと断言するつもりはない。彼らの高めの直球には相手を封じ込めるだけの力があるのはよく知っているから。しかしそれを支えているのはあくまでも自分への信頼、自信なのだ。今こうしてマウンドに立つのは自分しかいない。この打者を抑えるのは自分しかいない。その確信をどこまで持ちきれるか。
7回二死一二塁、点を奪われることなくマウンドを降りた下柳が、「オレが監督でもあそこで代えるわ」と言っているが、もちろん本心ではないだろう。万全の早めの継投、もちろん渡辺はしっかり心の準備も出来ていたと思う。まだ3点差、相手は1点も取れていない。ピンチだけど2アウト。魂に火はついていたか、それは本人にもわからないだろう。
ジェフについて言えば、心の準備が十分だったかどうかも疑わしいように思う。
投手が自信とともに投球するのと同じように、新しい投手を投入する時は、自信を持って攻め込まなければいけない。岡田監督自身、打ってみい!という気迫で投手交代を告げていたか。そこに最大の疑問を感じた。
一方のバファローズ、コリンズ監督は8回表、吉野が金本を退けると、代打右フォード登場で右の山口、左鳥谷で左菊地原、代打右バルディリスで右守護神の加藤と、迷いなく切り込んだ。この回タイガースの攻めを凌いだのは、コリンズ監督の気迫、それを意気に感じた投手たちの気迫。同じようなピンチに対応する小刻みな継投に見えて、両監督の精神状態はまったく違っていたように見えた。
5回の追加点は、相手のまずい外野守備にも助けられた。そもそも一死から赤星がヒットで出て、盗塁しているのに平野が「セーフティ」という名の、平凡な送りバントをしてしまったところからしてイヤな感じだったのだけれど、新井、金本が良くしぶとく打った。
3?0リードの6回表、連続四球の無死一二塁で、矢野がバントして二走鳥谷が三塁で封殺。空気を変える1プレーだった。当たった瞬間にフワッと上がる打球を打った矢野も悪いが、それにしてもあそこまでスタートが遅れる鳥谷の判断も悪い。さらに一死一二塁で関本のサードライナーで飛び出した葛城もボーンヘッド。「しょうがない」というプレーではない。
葛城、守備では良いプレーがあった。ライン際、フェンス直前まで一直線の後退しながらジャンピングキャッチ。素晴らしかったんだけど、大阪ドームではあの場所のプレーはほとんどの観客にとって死角になっていて見えないところ、ぜんぜん沸かなくて可愛そうだった(笑)。
1点ビハインドの8回表、一死で代打登場のフォードは痛烈なライナーでサードのグラブを弾くヒット。打球の勢いがほんのわずかに弱まってレフト前に転がるのを見ると、果敢に二塁を狙いヘッドスライディング。素晴らしい走塁。バルディリスの良い当たりがレフト正面をついてしまい、同点のホームを踏むことはなかったが、次に繋がる良い活躍だった。
さ、交流戦が始まったね。数々の連勝神話やら、ジンクスやら、いろいろ途切れただろう。やっぱり交流戦は交流戦だった。この敗戦スタートで、強いタイガースがどういう目にあうのか。ここで本当の強さを身につけないとね。ポストシーズンも勝ち上がらなきゃいけないんだから。面白くなってきたよ。

コメント

  1. たまねぎおじさん より:

    昨日の流れだったら9回裏先頭打者矢野の所を非常識なノリが必要な時だと思うので代打今岡で行って欲しかった。

  2. まーちゃん より:

    交流戦は何の根拠もないが、今岡が必要な気がする。

  3. ジジィ より:

    「石橋を叩いて…」そして敗戦。継投に関してはしかたないか…。
    しかし、攻撃面ではtoraoさんのご指摘通り、ボーンヘッドがたくさん! 今日は、普段着の野球(走塁)をお願いしたい。
    (葛城の好プレー、「池袋甲子園」ではウケてましたよ。送球後コケたところでドッカーン(笑))

  4. 広虎 より:

    にゃるほど,監督の気迫の差が出たかも分かりませんな。シモについては8勝しててもおかしくないのにちょっと気の毒。しかし久保田が出て来んのが気になりますな。

  5. すたん より:

    なんとなく、オリックスだからって油断しないかな?
    という、いやーな予感が現実に・・・
    途中までリードしてるものの、3点どまりなのが悪かったですね。
    あと1点とれていれば、って今更いっても仕方ないので、
    今日からしっかり集中して試合をして欲しいです。

  6. やっぱりトラ! より:

    敗戦パターンその2、ことごとく裏目。
    「まぁ、しゃーないわ」と割り切れれば問題なしとみる。裏目の日もあるわ。

  7. いけ より:

    昨日のジェフは少し高目の球が多すぎたみたいですね。今日はリベンジしますよ!
    >序盤戦の常識は交流戦の非常識
    こちらも意表をついてみて,今岡2番DH,ヒーヤン4番とか雰囲気変えるのはどうかなあ….. ..でもそんなに追い込まれてないですよねw。ただの2連敗でこんなこと考えるなんて!

  8. いけ より:

    ス.スンマセン!ヒーヤン5番の間違い!! 大汗;

  9. x_x より:

    おはようございます。
    toraoさんも同じこと思っていたことがわかって、私のモヤモヤも少しすっきり。
    toraoさんは、的確な処方箋をくださる良い先生(医師)だわ。(ちょっとヨイショ)
    昨日の負け方は今日からの交流戦を戦う上で、とても良い勉強(刺激)になったと思います。
    初戦で気づかせてもらえてありがたいと思うことにしましょう。
    オリックスさんありがとう。
    その代わりといってはなんですが、吉野くんや北川くんにプレゼントをしたし、濱ちゃんにも勝ちのうれしさを感じてもらえただろうし、「元虎戦士感謝デー」ということにしときましょう。
    今日は「現役虎戦士やっぱつよいやん祭り」とさせていただきましょう。

  10. 一虎ファン より:

    交流戦初戦の逆転負け。「い?い薬です。」(かなり苦かったですが…。)

  11. toyo より:

    ヘッポコ!
    下柳のフォロー発言に免じて許したる‥
    (グリコ、森永事件 キツネ目の男)笑
    名将さんなんだから、変わった事しちゃ駄目
    DH制の中では、9番の走力重視されたほうがと思います。調子が良いとお思いなら5番関本でOKでしょう
    ボギー?! 2勝目&HRだ?
    流石に今日ほ打席に立たしてくれないよね?

  12. 西田辺 より:

    3点を守りに行ったのが、チーム全体が知らず知らずと「逃げの気持ち」に
    なってしまったか。
    それぞれが、どこかに迷いを抱え込んだまま負のポケットに落ち込んでしまったのか。
    普段と同じ様で、どこかが違う交流戦。
    身の嵩を知れた事は収穫。
    >数々の連勝神話やら、ジンクスやら、いろいろ途切れただろう。
    これは逆にプラスに捉えたい。
    大方、この類のものは偶々的要素が殆どで、勝負を委ねるものではない。
    早々に破れてくれた方がチームのため。
    ただ、テレビ大阪中継時の負け確率だけは・・・(笑)

  13. 豊中のトラ より:

    昨日の負けがなぜか悔しくなかったのはなぜだろう?相手がオリックスだったからなのか、中継がテレビ大阪だから負けの予感があったからなのか、それは謎

  14. メル より:

    オリが勝って、巨人が勝ったのでマリーンズがパの最下位になったんですね。マリーンズ最下位には、びっくりでした。今日ははいあがれ・・・。
    昨夜は、地上波のうちのテレビ東京は巨人戦、TOKYOMXテレビではホークス戦。どこを見たら、応援したらいいんだーと思ってましたが、今夜からはラジオで西武(スワ)戦も。文化放送のラジオ中継
    は、めちゃパびいきでたまに聞くとおもしろいです。

  15. その一振りに より:

    昨日の負けは完全に岡田監督のせいですよね。
    やはり回の先頭から行かせるべきだったでしょう。
    打撃陣は、DHを7番にいれて、1番から4番までをそのままでサードを今岡か、もしくはバルディリスを使うオーダーを一回見てみたいと思います。
    今日は頑張って勝ちましょう。

  16. PPW306R より:

    昨夜は千葉マリンに7回終了までお邪魔。
    (軽い中毒症状か、トラ以外でも東京近辺で試合があれば球場に足を運ぶ今日この頃。)
    途中経過が表示された時は「神3?オ0」によっしゃ!と握り拳。
    帰りの電車でケータイ開くと「神3?オ4(終了)」でア然…。
    toraoさんの記事で試合を後追いすると、見えない油断が勝負を分けた、と。
    昨日の負けをこれからの糧にして、交流戦を乗り切ってくれ!!
    てことで、今夜は猫屋敷の手塚治虫パーティーに行ってきます。

  17. けい。 より:

    とりあえず、今日の勝利にホッとしました。
    山場で出てきた久保田も、力のこもった投球で1回1/3を無安打に抑えたし。
    4点差ありながら球児登場は、念には念を入れたのか、神戸のファンのためのサービス?

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