的確な評価と計画修正が大切

スポンサーリンク
定期投稿

さて問題。次に挙げる「トップ20」は、なんのランキングか?

1位 519 近本
2位 471 大山
3位 443 サンズ
4位 379 ボーア
5位 342 梅野
6位 334 木浪
7位 311 糸井
8位 244 糸原
9位 182 陽川
10位 134 小幡
11位 119 マルテ
12位 112 北條
13位  95 坂本
14位  92 福留
15位  87 中谷
16位  83 植田
17位  78 原口
18位  52 髙山
19位  51 上本
20位  21 島田

答えは打席数。中には仕方なく……という打席もあったろうが、この数字こそが首脳陣がその打者に期待を込めた回数だ。期待の中には、もちろんその場で結果を出してほしいのもあろうが、この経験を先につないでくれというのもある。

中でも目を引くのが10位小幡の134打席だ。平均すれば1試合1打席以上、実際は54試合の出場なので、試合に出れば1試合あたり2打席以上チャンスをもらった。
糸原の抹消などでまわってきたチャンスではあったが、「予感」のない中堅層をごぼう抜きして抜擢され、高卒2年目ながら物怖じせずに堂々とスタメンを務めた様子は、さすがドラフト2位の評価を受けただけのことがあると感じさせた。

残した結果も実は素晴らしい。134打席で打率.220、出塁率.260、長打率.256、OPS.515、打点/打席*100=5.22は凡庸のようだが、あくまでもプロ初の一軍昇格で100打席以上立った20才になるかならないかの選手の成績であることを忘れてはならない。
ちなみに3つ上である大卒1年目の鳥谷の成績が261打席立って打率.251、出塁率.320、長打率345、OPS.665、打点/打席*100=6.51。スタート地点のレベルの高さから言って、あと2シーズン守備の良さを発揮しつつ一軍で経験を積んでいけば、鳥谷の成長カーブに十分到達できる。
ついでに言えば、3億円プレーヤーとなった菊池涼介(広島)の大卒1年目は、234打席に立って打率.229、出塁率.254、長打率.294、OPS.547、打点/打席*100=5.13。それを考えれば、実質1年目である小幡の成績が相当ハイレベルなものだとわかる。

問題は、多分に偶然のなせるわざであった「小幡の134打席」をどう活かすかなのだ。「たまたまチーム事情によりけっこう多くの打席に立たせることになりました、次の年は事情が変わったのでずっと二軍でやらせました」だとか、「ベンチで代走守備固め要員にしました」では、せっかくの投資が台なしになってしまう。
小幡は1年目ファームで主戦として使われ、今季一軍で出したのとほぼ同じ数字を残している(340打席、打率.225、出塁率.260、長打率.282、OPS.542)。性格的にも大きな器に入れてやれば器の分だけ育つタイプに見える。二軍で使うより、一軍で打席に立たせることで成長を加速できるだろう。

とかく「守備がいい」「守備がいいのにエラーがもったいない」というところに目がいくが、私はむしろ打撃が楽しみでならない。自分の打ち方をかたくなに守ってボールを待つというよりも、運動センスを活かしてしなやかに体とバットを操り、投球に反応していくタイプ。打席でボールを見て、スイングしてコンタクトすることで急成長が見込める。
矢野監督以下指導者たちも重々わかっているとは思うが、この宝物の取り扱いを間違わないようにしてほしい。

そんなわけで小幡への期待とともにオリンピックイヤーあらためコロナイヤーの2020から2021へ。皆様良いお年をお迎えください。

コメント

  1. 虎ジジィ より:

    toraoの小幡愛が伝わる今年最後のコラムです。
    小幡は、大和以来の柔らかいグラブ捌き&強肩、スピード、ガッツがあり∞の可能性を感じる魅力的な選手です。
    課題のバッティングを磨いて、ライバルの94年組をごぼう抜きするつもりで筋力アップに励んで欲しい。
    今季、これだけの打席を貰えた事は彼の財産になるはず!

    さて、2020今季のセ・リーグはスタートから読売が独走、優勝争いすらなくそのままゴールというタイガースには不甲斐ないシーズンでしたが、大山の覚醒、近本の2年目ジンクス破り、藤浪の復調兆しなど良い面もありました。

    主力が働き盛りの年齢になり、満点の助っ人補強が出来た2021はきっと素晴らしいシーズンになると信じています。

    toraoさん、皆様、今年もありがとうございました。
    どうぞ良いお年をお迎えください。

  2. とらかっぱ より:

    今年は小幡で締めましたか。toraoさんの熱い思いが伝わってきます。鳥谷のような強靭さや菊地のようなアクロバティックな守備も良いですが、小幡には小幡らしいオリジナルを目指して欲しいです。素人目でもそれくらいのポテンシャルを感じます。今の首脳陣も可能性を感じての今季の起用だったのだと思います。

    打つ方は試合に出てれば良くなって行けるもの思います。まずは守りで他に負けない、いや圧倒的なものを見せつけてレギュラーを掴み取って欲しいものであります。

    今年もお世話になりました。toraoさん、皆様よいお年をお迎えください。

  3. 西田辺 より:

    二十歳の二遊間候補は将来有望ですが、当然のごとく課題も多い。
    スピードは素晴らしいものを見せてくれたが、やっぱりパワー不足は歴然。
    かと言って、ゴリゴリにマッチョ化させてはスピードが殺されてしまう。
    とは言え、プロの真っすぐを押し返すパワーは最低条件。
    バランスよく鍛えて欲しいですね。
    見えている能力、将来性から小幡に期待するファンは多い、というか彼に
    期待しないファンはいないかも。
    そこでも、セカンド守らせろ派とやっぱりショートやろ派に分かれる。
    チーム首脳陣は、出番の為にサードやファーストもって考えてるみたいですが。
    チームが強い時にこそ、若手をその中に放りこんで育てるチャンス。
    チョット無理をしてでも使っていけば、大きな花を咲かせてくれるはず。
    そんな大輪に期待して来年も皆さんとタイガースを応援したいです。
    それでは、皆様佳いお年をお迎えくださいませ。

  4. なかっち より:

    今年はコロナの影響で色んな事があったシーズンでした。
    そんな中、小幡の出現は嬉しい誤算でした。
    ショート、セカンドどのポジションで勝負するのかはわかりませんが、個人的にはショートで勝負してもらいたい。
    彼の強肩があれば、ポジションを後ろにしても、十分守れると思います。深い位置で守れれば当然守備範囲が広がり、1点を防ぐ野球が出来るようになると思います。
    もちろん木浪や北條との競争に勝たなければダメですが、高城さんも片岡氏の動画に出演して、小幡を使うべきと仰っていました。何とか頑張って欲しいですね。
    ルーキーの中野、読売からトレードの山本はセカンドで糸原と勝負してもらいたい。
    来期は小幡と中野の2遊間を見てみたい気持ちがあります。
    もちろん遠藤も頑張ってもらいたい。

  5. yalkeys より:

    toraoさんを始め多くの皆様の分析力にはただただ頭が下がります。私は生まれながらのトラキチですが、タイガース愛だけは負けません。毎年この時期になると「来年のタイガースはいけるぜ!」と言いながらシーズンが終われば「あ~今年もアカンかったなあ~。また来年や」との繰り返しでした。しかし、今度こそ期待値は大きいです。8人の助っ人、覚醒した大山、三年連続盗塁王と最多安打、最多得点狙いの近本、西、梅野、糸井他主力選手の頑張りを勘案すれば死角は見あたりません(ちょっと楽感的)。ただ、忘れてはならないことがあります。キャンプ(それまでの自主連含めて)での他チームもタイガース以上に努力しているという事実です。他チームを圧倒したキャンプをタイガースがしてきた・・という報道を聞いたことがありません。菅野が去った球団など怖くもないという確信こそが大切だと思います。

  6. 岩修 より:

    コロナ禍での小幡デビューは確かに常勝タイガースになるであろうエポックメイキングな出来事な気がします。しかし、復調近本と好調糸原コンビが相手投手を疲れさせ大山、サンズの豪打を引き出せたと思うんです。小幡をどうするかですが、単なるサブでは無く将来のレギュラーを示唆させるように使って欲しいです。終盤必ず守備から入り1打席与えるとか…難しいっす。トラオさん、皆さん、終盤変な文章すみませんでした。良いお年をお迎えください!来年こそ…

  7. ジュビロタイガース より:

    近本、大山と共に小幡のブレイクは大収穫でした。高卒2年目の成績としては問題無いし、チャンスをモノにしたり精神面でも期待出来ます。

    来年も同じように延びるのであれば、将来的にもレギュラーで使って行って欲しいです。多少のミスも目を瞑れるくらい、周りのフォローも必要ですが。

    ポジションはショートかなあ。三遊間の深い所から矢のような送球を見たい。右中間ならバックホームの中継に入れると思うし。
    あの綺麗なトンネルは、セカンドよりショートがやりたいんだろうなと思った。

    寒いですが良いお年をお迎え下さい。

  8. 虎轍 より:

    torao様。トラバカファミリーの皆様。
    今年も1年お疲れさまでした。
    タイガースは開幕戦の惜敗で開幕ダッシュを出来ずに泥沼化したのが響いて2位という結果になりましたが、来年は岩貞、大山の両キャプテンが投打を引っ張り、外国人助っ人が力を発揮し、小幡、井上、佐藤輝明がチームの勢いに乗り、優勝という結果を与えてくれるでしょう!
    球団創設2回目の日本一も見えてます!
    いつまでコロナ蔓延が続くか分かりませんが、タイガース優勝で明るい2021年になりますように!
    タイガース優勝でコロナをぶっ飛ばそう!
    トラバカファミリーの皆様にご多幸がありますように!
    疫病退散!
    頑張ろう日本!
    今年もありがとうございました!

  9. Akira28 より:

    torao様、トラバカファミリーの皆様、
    今年も大変お世話になりました。
    来年も何卒、いや来年こそタイガースの優勝に向けて何卒宜しくお願い申し上げます。
    torao様のセカンド重要論は、なるほどと納得させられましたが、そこに本年締めのコラムが小幡期待論。
    来年はセカンド小幡にも注目して見て参ります。
    ところで先日、ロハスJのことをソラーテ級に期待できるとコメントしましたが、息子から怒られてしまいました。
    息子言わく、「ソラーテの右打線は確かに素晴らしいスイングだから、いきなり大野や田口から特大のホームランが打てたが、左打席のスイングはせいぜいボーアレベルで、引っ張りこむスイングしか出来てなく、内角に弱さがあった。
    ボーアもこの為、日本の野球では中々活躍出来なかった。
    しかし、ロハスJは左右とも素晴らしいスイングが出来ていて、左打席はソフトバンクの柳田、オリックスの吉田に近い。」とのこと。その後、息子がバットを持ってスローでスイングの微妙な肘の使い方の違いを解説してくれ、合点がいきました。
    来年のタイガースとロハスJの活躍が楽しみです。
    torao様、トラバカファミリーの皆様、
    どうか良いお年をお迎えくださいませ。

タイトルとURLをコピーしました