「自由競争vs戦力均衡」?

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 コメント欄を見ながら思いついた考えを、書きながらまとめていくコーナー。


テーマは「『自由競争vs戦力均衡』という構図はヘンじゃないかな」。これはばかぼん父さんとG3さんの議論がどうこうってことじゃなく、一般に語られる場合の話としてね。言葉の意味するところが一致していないかも知れないなと思ったのだ。
 まずそれぞれの言葉が持つ「(なんとなく)ネガティブなイメージ」を整理すると、

自由競争…金持ち優遇、格差肯定、既得権益、自分勝手
戦力均衡…努力しないもの救済、低きに合わせる、規制でがんじがらめ

こんな感じがあって、そのイメージをもとに対立しているように感じる。それが一般社会での考え方とも微妙に結びつきながら、対立軸になってしまっているように思う。
 しかし、こういった政治信条にも似た「一般論」をプロ野球興業にあてはめていくと無理が生じる。なぜなら、「競争」も「均衡」も「自由」も、決して一般社会にあるものと同一、同質ではないからだ。
 まず「競争」と「均衡」。一般用語では、「競争なきところに発展なし」と言われるように、競争とは発展のための手段であり、競争に勝つことで得られる報酬が、発展の動機になるとされる。もちろんプロ野球においても、多くの場合その理屈はあてはまる。
 同時に、プロ野球興業とは、まさに「競争を見せる興業」でもある。「均衡した競争=商品」の側面。競争していなければ見せ物としての価値が下がる。40ゲーム差離れた首位vs最下位の消化試合と、0.5ゲーム差で優勝を賭けた最終戦では、商品価値が全然違う。だから、「競争」「均衡」の意味が、一般社会とはちょっと違う。
 次に「自由」。広域プロスポーツにおいて、「一般社会と同じような自由」が保証されることはまずない。欧州サッカーなどは相当自由度が高いが、それでも一部、二部というカテゴリー分けなどの規制があるから、活動に完全な自由があるとは言えないだろう。
 アメリカンスポーツや日本プロ野球の場合は、まず参入・撤退に完全な自由はなく、活動地域という点では大きく自由を制限される。最大のマーケットが東京や大阪だからといって、自由にそこで営業活動したり、本拠地移転をすることは許されない。これは、リーグを共同体と考え、「出先機関」として活用すべきだという考え方もあってのことだろう。
 「自由競争vs戦力均衡」という対立軸は、言葉の意味する一般的ネガティブイメージに引っ張られて生まれたものだから、どうしてもなんとなく噛み合わなくなってしまう。本当はどちらも、「均衡した競争状態(=試合の価値)を向上させるためには、どういうバランスで規制を設けるか」という「加減、調整の問題」であると思う。決してイデオロギー的な対立ではないのだと思う。
 だって、誰も格差が拡がり続けるようなリーグ戦など見たくないだろうし、誰も現状に満足しきったタラタラしたリーグ戦など見たくないだろうから。
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コメント

  1. スーパーエリーバ より:

     自由競争と、戦力均衡のさじ加減。これは難しい問題ですね?。現在1リーグ6チームですが、もしも全チームの戦力が均衡していると仮定すれば、単純に、各チーム平均6年に1回の割合で、優勝出来る計算に成ります。しかし、現実には何十年単位で優勝出来ないチーム、6年間で数回優勝出来るチームが有る等、格差は生じています。この理由に、?金銭、?スカウト(外国人含む)力、?育成力、?指導法、?練習量、?采配力等、色々な差が考えられます。やはり?の金銭が大きそうですが、無いチームが、それをその他の要素でカバーしていく、というのも魅力ですね。
     私は、戦力は、ある程度、差が有った方が面白いと思っていますが、大差で最下位に成るチームが出来る事だけは面白くないと思います。試合前から、ここには勝って当たり前だ。というレベルの違いは有ってはいけないと思います。サッカーの様に、2部リーグ落ちが有ると、下位チームも、もっと危機感を持って、戦力均衡に繋がるのではないかと思います。

  2. 拉麺 より:

    今のままでも戦力は均等になっていると思いますよ。
    ただチーム力とか一人一人の気持ちでしょう。
    もうプロ野球の選手ともなれば実力はかなりある訳ですから。

  3. G3 より:

    >「均衡した競争状態(=試合の価値)を向上させるためには、どういうバランスで規制を設けるか」
     おっしゃる通りで、正にそういうことなんだろうと思います。
     特にプロ野球はJリーグとは異なり、トップリーグのみでセパ各6球団という少数構成ですから、競争力に差がつきすぎると面白くなくなってしまいそうです。かと言って、あまり人為的に調整をするのもどうかと思いますし。
     そのさじ加減を具体的にどう調整するかは、たぶん永遠のテーマですね。選手の自由をどこまで尊重するかという要素も考慮しないといけないと思いますしね。

  4. とらぽるた より:

    当初はどうなることかと心配した楽天イーグルスもわずか5年で優勝争いに絡んできたり、あまりお金をかけない日ハムファイタースが毎年高レベルのチームを作っているし・・・
    お金はあるが使い方がイマイチの我がタイガースはエースと四番が抜けたDや主力が常にGやメジャーに召し上げられるSの後塵を拝するわで・・・(泣)
    現行の制度は戦力均衡という面ではかなり機能していると思います。むしろよほどの経営をしないとダントツ最下位のあのようなチームはできません。大補強の今季期待してます。

  5. 西田辺 より:

    一つドラフトと言うものを取っても「自由競争」と「戦力均衡」の二律背反
    の中で成立している。
    仰る通りで、自由と言っても全てが自由ではないし、均衡と言っても
    完全なる均衡など不可能な話。
    現行力量上位チームは、より突き抜けようと、下位チームは突き上げようとする
    「努力」「有り様」を見せるのも興行の中では大事な要素。
    その中で、下克上やら勢力逆転が生まれればより魅力的なコンテンツ
    になりうる。
    こう言った形勢の変化を生み出す努力が、自由競争と戦力均衡のバランス
    の中心になると良いんですけど。

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