育成枠考

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 以前より伝えられていたが、金村大、玉置、高橋勇の3選手が育成選手契約に変更されたという(スポニチ)


 ジャイアンツでは山口が1億円投手になり、松本がレギュラーを掴みと、「元育成」の活躍が目覚ましい。タイガースもバルディリスと野原祐が支配下入りしているが、むしろ伸び悩み選手、故障中の選手の「一時的置き場」として使われているケースの方が目立つ。
 野球は「強烈な個性」を武器に大活躍できる競技なので、無名の選手が一躍大スターになる可能性がある。それは先のGの2選手も実証済みで、色眼鏡なくその長所を伸ばし、長所にスポットを当てて生かすことが大切。3選手には逆襲への反転材料として欲しいと切に願う。
 また、リリース一歩手前に救済措置として育成があるという現在のタイガース的な使用も悪くないと思う。とかく「プロ入り=目標達成=ゴール」となってしまいがちなので、身分の違いを動機付けとして活用したら良い。
 あるいは、「支配下・育成」という枠ではなく、「支配下枠は無制限・ただしメジャー契約枠は40人で他はマイナー契約」というMLBスタイルにしたらもっと良いのにと思う。それによって優秀な選手が多く流通し、狙いに沿ったチーム作りがダイナミックにできるようになって、活性化すると思う。実際のMLB流の規定は大変細かいから、非常に大雑把に言えばだけど。
 しかしながらそれは受け皿がふんだんにあるMLBだから、とは言える。12球団ではあふれた選手を受け入れるにも限度があるだろう。でもそこからスタートで良いじゃないか。どのチームも「メジャー契約」は等しく40人まで。あとは懐に応じて「マイナー契約」を抱える。もったいない選手が大勢出るようなら球団増やそう。もう見込み大都市がない?交通インフラ的にムリ?そこは事業規模の小さいチームを作るとか、リーグ全体として「地方交付金制度」を作るとか、工夫で乗り越えないか?
 またエクスパンションをしないのなら、そのあぶれた人材は独立リーグやアマチュアに流れることになる。これらがすべて日本野球界の育成システムであり、マイナーリーグである。結果的にピラミッドの形状がなだらかになり、継ぎ目のギャップが埋まることになるのではないか。
 なんでもMLBのまねっこをする日本だが、「メジャー枠」の縮小については、選手も、球団もそれを望んでいないから、ずっと現行制度のままなのだろう。多くのファンも「現行のものを楽しむ」というスタイルだろうから、球団・選手・ファンの三者は、そこでバランスがとれているのかも知れない。
 でもそうやって内的な均衡状態が取れていればそれで良いのか?将来的見込み客が減ることが確定している(少子化)状況下で、葛藤や衝突さえ避けられれば良いというのでは、将来の光に向かって歩んでいるという実感が得られないと思う。

コメント

  1. ジジィ より:

    Gの山口・松本の活躍は確かに『立派』の一言!でも、彼らはGの大型補強によって生まれた(使ってもらえる)余裕のあるチーム環境にも恵まれ、幸運だったとも思います。
    育成枠については、故障の玉置はともかく、金村大・高橋勇のように、育成枠が『一時的置き場』として使われる事は、育成枠の主旨から逸脱している感が…
    でも本人が、「クビよりマシ」と納得しているなら仕方ないのかなぁ!?
    しかしG、小林雅獲り、そして藤井まで…地味に抜目ない(笑)。

  2. スーパーエリーバ より:

     育成枠のルールについては、何人まで所有出来るのか?一度降格すると、再昇格するのに最低何日かかるのか?等詳しい事は、知りませんが、結局『三軍』みたいなもんなんですね。
     昔、D大豊選手や、中込投手が球団職員から選手へ昇格した事が有ったと思います。こういう裏技的な入団が、出てきたので、キッチリ決まりを定めた結果が育成枠なんでしょうね。

  3. アルスタ より:

    Gの山口や松本が新人王となり育成枠から大出世のように言われていますが、山口はDバックス帰り、松本は東都2部とはいえ専大の中心選手でありともにもともと力がある選手。「いいところをうまく伸ばした」という点では育成の成功ですが、Gの事情で70人の枠内に入れなかっただけで本来支配下登録されるべき選手だったと思います。
    70人枠をオーバーする選手を育成枠としてファームの実戦で起用して成績次第で支配下登録するやりかたは有効だと思います。支配下選手の空き枠を確保しておいて育成選手に励みを与えるということでしょう。
    一方で育成枠となり1年の猶予を与えられてもそこから這い上がれるかどうか。
    育成→支配下は7月末までの期限
    支配下→育成はシーズン中は不可
    となっています。

  4. 西田辺 より:

    3人とも個人的に期待していた選手だけに、寂しい
    気持ちです。
    育成から這い上がるには二軍選手をごぼう抜き
    する位の活躍が必要になるので、もう一度ネジを巻き直して
    奮起を期待したいです。
    育成枠も活用次第では讀賣のような成功例も出るけど
    周りがあのメンツだから出来たとも言える。
    育成に追い抜かれ、何時までも上に上がれない選手
    を見ると、何をやってるんだと言いたくもなる(笑)
    育成選手だからと下に見ているからじゃないの、と
    勘ぐりたくもなる。
    あと想うのは、もっと良いネーミングはないんでしょうかね。

  5. teru-chi より:

    本文に対するコメントではありませんが失礼します。
    アルスタという方のコメントで、G山口がDバックス帰りとありますが、山口が所属していたのはルーキーリーグというところです。そこで3年以上過ごしましたが1Aにすら一度も上がっていません。
    ついでにいうと帰国後に楽天と横浜の入団テストに落とされ、その後、読売と育成契約しますが支配下登録されたのは2年目になってからです。
    本来支配下登録されるべき選手だったとは言えないでしょう。
    以上、長々と失礼しました。

  6. G3 より:

     山口と松本が2年連続で育成出身の新人王になりましたが、制度の生みの親と言える巨人の清武代表も、これほど早い時期にここまでの結果が出るとは思ってなかったでしょうね。
     ネットを見ていると、育成制度を「数打ちゃ当たる」制度と揶揄する声もあるようです。もちろん、数多くの選手を指名すれば当たりを引く確率は上がるでしょう。しかし、毎年指名される「数」で言えば育成選手は支配下選手に比べてずっと少数派です。その少ない中から2連続大当たりが出ているわけですから、育成選手には確率論を超えた何かがあるのかも知れません。
     また、メジャーリーグでは毎年1,500人もの選手が指名されると聞きます。それ以外に国外からドラフト外で入団する選手もいます。言わば究極の「数打ちゃ当たる」ですが、それ程多くの選手が競争するからこそメジャーリーグは世界一なんでしょう。
     日本も今後は育成枠を更に広げ、是非3軍を作ってもらいたいと思います。そして3軍は独立リーグとも積極的に試合を組んでほしいですね。それが地方における野球の裾野拡大に繋がることを期待します。

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