金本引退試合 2012最終戦

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677##[阪神]たわいない話

 シーズン最終戦のサブテーマ1は、能見に奪三振のタイトルを獲ってもらう日。
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 いきなり1回に2三振を奪って杉内に並ぶと、単独受賞を狙うことなく交代。相手は自ら登板機会をキャンセルしたのだから、そう気を遣わずに、せめてあと1回限定でチャレンジしても良さそうだけど。能見は別に「並び狙い」だったわけじゃないだろうが、これで十分と思ったのだろうね。奪三振王、初のタイトル獲得おめでとう!
 サブテーマ2は、メッセンジャーの10勝目。これは、同じ10勝目が賭かっている相手先発三浦を打たなきゃものにできない話で、メッセンジャーの好投よりも打つ方が問題だったのだけれども、2回早々にメッセンジャー自ら2点タイムリー二塁打で先制。以後もいつもどおり堂々とした投球でまったく危なげなく2安打、無四球投球で残り8回を投げきった。チーム最多、リーグ2位の196回と2/3を力を込めて、打てない日も打てない日も黙々と投げた姿は立派の一言。フタケタ勝利の勲章おめでとう!
 メインテーマは金本引退試合。できれば通算打点のランキングを一つでも上げて欲しいとチーム一丸となったけれどもそれはかなわなかった。4番レフトで先発し、二度の得点機。三浦も自身のため、金本のため、真剣勝負。…とはいえ、そこはプロ野球というものを知っている三浦大輔、実にバランスのいい投球をしていたと思うけれど、金本が仕留めきれなかった。引退しようという人にガツガツ記録を追わせるのもおかしな話、これでいいのだ。
 笑顔、笑顔。自分が主役の試合を心から楽しむ金本の笑顔。一人修行を積み重ねてきた男だけれど、目指していたのはチームのみんなで笑顔を爆発させること。
 6回の第3打席は先頭打者。追い込まれてからの外角高めをセンター前に合わせた。最後のヒットを満員の観衆の前で見せると、5番新井の初球に盗塁成功。00年に3割、30本、30盗塁を記録。カープらしい選手だった。タイガースに来てくれた当時は、まだそれを狙える選手だった。
 新井のセンター前、一瞬スタートが遅れたが久慈コーチはゴー、センター荒波ノーバウンドの好返球、金本最後は失速して本塁憤死でまた笑顔。
 金本はすごいところで打った。頼むという期待に応えて打った。なんとかしてくれと思うとなんとかしてくれた。自分を殺して繋いだ。チームのことを考えてプレーする選手だった。
 選手たちを食事に連れて行ったりして引っ張ることもあったというが、そういうウラの事情は知らない。私が知っているのは、走塁でチームを引っ張った金本だ。
 併殺を防ぎ、一つでも前の塁を狙い、一気に勝負を賭ける走塁。主軸を打つ金本の走りで何度タイガースナインは奮起したことか。打てる選手はたくさんいたけれど、ここまでチームのために走った強打者はそういない。
 アウトにはなったけれどもそれを思い出させてくれたプレーだった。
 ずっと送り続けられる大声援。それに応える金本の笑顔、笑顔。
 大和、鳥谷が繋いだ7回ウラ二死一三塁。最後の打席もキャッチャーフライに終わる。引退する打者の打撃だった。サバサバした笑顔だった。
 よくレフトフライが飛んできた。それを狙ったのかたまたまか。9回表二死、荒波の打球は左中間浅いフライ。ダッシュする金本が声を出して手を上げる。キャッチ。くるっと外野スタンドに振り向いてボールの入ったグラブを掲げる。05年の優勝も最後ボールは金本のグラブに収まって、大喜びでかけてきた。ちゃんとその時その時のことを思い出させるように試合が進むのが面白い。
 感謝の気持ちを述べた金本の挨拶、その最後の感謝は「野球というスポーツ」そして「野球の神様」へのお礼だった。優勝決定ボール、引退試合ウィニングボールが金本のグラブに吸い込まれるのは偶然ではなかったのだろうと思う。
 抜けるような笑顔と、日本一を掴めなかった悔恨と、後輩たちへの期待を甲子園球場に残して、阪神タイガース2000年代初頭「黄金の10年」を作った金本知憲が現役を終えた。
 お疲れさまでした。タイガースに来てくれてありがとう。

週刊【非公式】虎バカマガジン

コメント

  1. ベガ より:

    金本さん、もってますね。これが阪神のみならず3位まで未確定な状態なら、TV 放映やニュースでの報道ももっと少なかったでしょう。甲子園もアニキ一色の一体感。
    申し訳ないけど、矢野さんの時はそれどころではなかった。優勝したいの一念だったから。
    能見、メッセおめでとう、お疲れ様です。
    金本は2000本安打の時も金縛り状態でしたから、無理かとは思ってた。
    今の男の子はキレイな子が多いけど、アニキは男の中の男。いつも強くありたいし頼りにされたい。横浜への注文や巨人に勝ち越しが多い発言も強さを誇る一端か。だから涙が似合わない。44才でも悪ガキのままの顔。清原と並ぶとガキ大将が2人みたい。決してくじけない強い男。
    本当にありがとう。お疲れ様でした。
    トラオさん、144試合お疲れ様でした。

  2. 西田辺 より:

    ありがとう。
    お疲れ様。
    本当にこれだけです。
    後はいじめ抜いた体を労ってあげて下さい。
    もしかしたら、これからの人生の時間の方が長いかも知れない。
    今度は体に恩返しする番です。
    もし、11月に時間があるなら阪神巨人のOB戦に出てくれないかな(笑)

  3. わかさ生活 より:

    昨日は3アルで観戦していました。
    センター前ヒットの後の盗塁に金本らしい引退試合だなと感じました。
    試合後の引退セレモニーでは連れが涙するし、周りの女性ファンの中には号泣している方も。
    本当にファンから愛され、記憶にも記録にも残る選手だったなと改めて思いました。
    金本選手、お疲れ様でした。
    ありがとうございました。

  4. ガク より:

    文句ない引退試合でした。荒波も最後ありがとう。
    こちらこそ声を大にして言わせてください
    「アニキ、夢をありがとう!」
    本当にお疲れ様でした。

  5. 虎ジジィ より:

    タイガースを長く応援していますが、こんなに美しい引退試合・セレモニーを見たのは初めてです!
    まさかのベイへのダメ出し(よそをダメ出ししてる場合じゃない)と松崎しげるより黒かった清原以外はおおむね予想通り(笑)、予定通りの素晴らしいセレモニーで感動しました。
    改めて金本選手本当にご苦労様でしたm(_ _)m
    そしてトラオさん、今シーズンも完走お疲れ様でしたm(_ _)m

  6. 虎風 より:

    昨日は阪神アニキの引退試合。チケットは取れず、仕事だし、中継はないしとがっかりしていたら、何とNHKBSが急遽中継するとの事。仕事をとっとと切り上げて、TV観戦。しっかりセレモニーまで見れて良かった、良かった。
    それにしても昨日のプレー中のアニキの表情は実に印象的だった。野球が好きでたまらないという笑顔が弾けていた。
    元中日の名将は相手に付け入る隙を与えるから感情を出すことを嫌っていたが、我々見る方はやっぱり笑顔だったり悔しい顔だったりに感情が移入し、より惹きつけられると思うのだが。
    それにしても清原氏の黒さにビックリ!

  7. 阿倍野区 ケイ より:

    燃え尽き症候群て感じです(>_<)
    昨晩息子が貰ってきた金本さんのポスターを貼り、真っ黄っきのDream Linkのバンダナをたんすにしまい、金本さんの特番を見てます(^_^)
    ぼんやり見た金本さんの娘さんの飛び付き方は、仲がいいんやなぁと納得(゜▽゜)
    しかし上本、てんで打てずやったから練習頼むよと思いました(^^ゞ

  8. 金沢の虎 より:

    夕べは仕事だった為に、ラジオで応援し続け、試合後のセレモニーの時には我慢しきれず号泣。
    公園に車を停めて、一人で泣いてましたよ。
    きっと変な人と思われながら(笑)。
    でも今朝もテレビを見て、新聞を見て、そしてこのコラムを見ながら皆さんの意見に号泣。
    …涙もろくなりました。
    もう、伝える事は無いです。あのセレモニーの言葉、その後のあの笑顔。
    素敵な幕引きでした。多分、どの競技のどのアスリートよりも。
    後は、残った後輩達の頑張りに期待しています。決して今まで引っ張ってくれた金本選手の背中を忘れないように。
    …特に弟分。頼むよ!
    最後に、アニキ。
    本当にお疲れ様でした。
    タイガースに来てくれて、タイガースを変えてくれて、タイガースファンの我先に夢を見せてくれて、本当に有難う。

  9. ラパラ より:

    現役最後の試合
    試合終了となる最後のアウトを、自ら掴んで。
    エンディングとしては最高の形でしたね。
    メッセとのウイニングボールのやり取り・・
    タイムリーで、ホームに帰ってきた藤井を
    笑顔で迎えたり・・
    今日で引退する自分自身が楽しめた、満足な1日だったのではないでしょうか。
    引退発表後に打った、弾丸ライナーのホームランを東京ドームと神宮で観れた時は、鳥肌が立ったほど感動しましたし、まだプレーできる!と、思いましたが・・
    昨日の3打席目のセンター前ヒットを観て、やっぱり厳しいのかな・・?と、感じました。
    いい当たりでしたが、今までだったら左中間に飛ばしていたコースだったからです。
    あきらかに、左手で、こねると言うか かぶせると言うか・・・バッティングが まったく変わってしまったように感じました。想像以上に 右肩は、重傷なんでしょうね。
    とにかく、今は お疲れさまでした・・
    それだけです。
    もっと優勝したかった・・・
    無念さや悔しさはあるでしょうが、プロ野球選手としての、生き様、誇りなどを含めて表すならば
    我が野球人生 一片の悔いなし  
    なのでは ないでしょうか。
    タイガースに来てくれて、本当にありがとうございました。
    感謝です
    お疲れさまでした

  10. lucky77 より:

    本当に本当に試合展開といい内容といい、オーソドックスなセレモニーといい(SB小久保の見た後だったから比べてしまう)文句のつけようのない引退試合でした。
    偉大なレジェンドを送り出すのにふさわいと思ったよ!
    まさかあの阪神が、能見奪三振王&メッセ10勝&勝って金本送り出しを完璧にやってのけるとは思わなかった(笑)
    進塁打打って、ヒット打って、盗塁して、全力で走って、兄貴らしさが詰まったいい試合でした。
    主役の金本がすごく笑顔で野球を心から楽しんでる様子が嬉しかった。
    今までずっと重い重い肩の荷を背負わせてきて、ごめんね。
    2アウトから大和が出て、鳥谷がヒットでつないで1、3塁にして打点チャンスをお膳立てしてくれたシーン。
    なんとしても金本さんに回したいという熱い気持ちが普段はクールな鳥谷キャプテンから垣間見えましたよね。
    チームみんなが兄貴の為に、1つになっててジーンときました。
    こんな気持ちで毎日戦ってくれてたら今季も全然違った成績になってただろうな。
    来年こそは頼むよ!!
    そして鳥谷、阪神に残ってくれーーーー!(笑)
    すごくいい引退試合だったと思った。
    それと同時に矢野ファンの私は、矢野さんの時にもこんな素晴らしい引退試合をさせてあげたかったなぁ、とやっぱり思ってしまいました。

  11. トラ11 より:

    勝利の引退試合で、素晴らしい引退セレモニー。
    何もかも良かったです。
    能見、メッセも良かった。
    長嶋氏を越えて欲しかったが、これでも良かった。
    金本選手が最後にいろいろなパフォーマンスを見せてくれて満足です。
    でも、寂しさがひとしおです。
    最後のメッセージも涙がこぼれて思い切り泣いてしまいました。
    優勝の幸せ、Aクラスチームであった年月の楽しかった日々、感謝の気持ちでいっばいです。
    何度もお礼を言いたいです。
    来季は阪神タイガースを誰が引っ張っていくのかなぁ…
    未練ったらしいですが、寂しいですね。

  12. ちば より:

    あーだめだ。また涙が滲んできた。。。
    時には批判や辛辣な言葉も口にしてしまうけれど、僕にとっての野球選手って、やっぱり尊敬の対象であって、楽しませてくれて、感動させてくれて、ありがとうと、いつも言いたい。
    そしてアニキほど、そんな感謝の気持ちを、強く持たせてくれた選手はいなかった。
    いろいろと思うこともあったけど、最後まで、アニキはやっぱりアニキだった。
    金本選手、本当にありがとうございました。
    いつの日かまた、甲子園でその雄姿を見られますように。

  13. きだたろー より:

    金本さんがいたこの10年間…夢のようないい心地でした。
    全力で走る姿を見て、その昔、鳥谷の怠慢走塁を広報コメントを通して叱ったことを思いだし、その鳥谷が必死にアニキに回そうとする姿に…。
    ベイスターズにツッコミをいれたメッセージ。聞きながら、監督すら目立てないタイガースはどうすりゃいいんだと泣きそうになる。
    変わろうとしていたタイガースを変えてくれてありがとうございました。
    せっかく変えてもらったのにまた虎はダメ虎に戻ろうとしてます。
    また近いうちに力を貸してもらえるよう待ってます。
    タイガースに来てくれて本当にありがとうございました。

  14. ブルー より:

    金本の盗塁に「金本知憲とはこういう選手なんだ!」という強い気持ちを感じました。あのチャンスに打ったらそれこそ引退しないで!って事になりますし、これでいいんですよね。
    金本選手長い間ありがとうございました。本当にお疲れ様でした。
    金本からしてみれば新井、関本、鳥谷だって「後輩」なんだからまだまだは老け込まずハツラツとプレーして欲しいですね!

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