心の余裕が感じられない大勝

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677##[阪神]たわいない話

 16安打8得点、ブラゼル4打点他、3?6番主軸が8安打で全8打点叩き出した!というスカッとした試合では全然なかったね。最後追いつめられて振り切っての勝利だから、ほっとして嬉しさアップは間違いないのだが、雨の中観戦していたファンはモヤモヤも大きかっただろうな。
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 8得点といっても、直球で1つもストライクが取れないという、考えられない不出来のM先発香月と、思いがけない展開に面食らっていたようなMリリーフ陣のおかげ。まあ先頭でいいジャブを当てた野原祐と、鳥谷や新井のようにミスショットしなかったブラゼルはそりゃ偉かったし、余裕ができた状況で連打でたたみかけられのも良かったけどね。
 その後はチャンスを作りながらも残塁ばかり、追加点が奪えないうちにジリジリと差を詰められるという試合展開がまずイライラのタネ。でもその「あと1本が出ない」という結果よりも、自ら好んでそういう方向性に持って行っているかのような「腹の決まらない選手起用」には、さらにもやもやした。
 前の試合に続いて金本が新井がブラゼルが機能した。なぜ?もうここが限界点という危機に、「生存本能」が働きだしたからではないのか。その危機とは「先のないベテランより、若手の成長を」という、うねりのような大きな力のせいではないのか。
 その地殻変動パワーもあって、3回までに8?1のリード。今なすべきことは、この7点の余裕を使って、その力にもっともっと勢いを与えることではないのか。若手の成長のために大量リードを活用することではないのか。
 3回の1得点後、4回は三者凡退、5回は前2打席好機で三振の田上が先頭でヒット。小宮山送って一死二塁。野原三ゴロで走者進めず。野原は前の打席でも無死二塁で三ゴロ、走者進めずで和田監督から注意されていた(打席後に注意するくらいなら…)。平野も倒れて無得点。
 で、まず和田監督が動いたのは6回表。鳥谷凡飛、金本ヒット、新井凡飛、ブラゼルヒット、新井良太三遊間サード好捕の内野安打で二死満塁。いかにも打つだけ鈍重打線の攻撃だ。投手は左の古谷、ここで田上に代打関本。鈍な攻撃で、もし無得点ならムードが悪くなる。ここで点が入れば試合は決まる。当たり前の策だと思う。しかし当たり前の策だから、考え方が窮屈になる。無難な発想が、無難な結果をもたらすとは限らない。
 この時点でタイガースのリードは5点。関本の野球人生ににとって、ここでタイムリーを打つことにどれだけの意味があるか。失敗したとしてそこにどんな意味があるか。
 逆に、すでにチャンスで二度凡退したものの、前の打席でヒットを打った田上にとって、ここで出る結果は彼の野球人生を左右するかも知れない。特にいい結果を出した時に得られるものはどれだけのものがあるか。もし凡退したとしても、好機での三度の凡退が、その後の田上に与えるものは計り知れない。くどいようだがこの時点でリードは5点あるのだ。そういう成長の期待がない選手なら、もとから使わなきゃいいだけのことだ。
 4点差となった7回は、先頭小宮山ヒット(この日はプロ初猛打賞おめでとう!)。続く野原に代打マートンだ。前2打席、無死二塁、一死二塁でともに三ゴロ走者を進められなかったことへの懲罰だというのなら守備から代えるべきだから、ここはつまり左投手に対して右のマートンの打撃に期待という意味なのだろう。もうこれについては何がしたいのか理解できない。調子ではなく試合でのきっかけが欲しいのならスタメンで使うべきだし、調子が悪いのなら立て直すべきだ。投手の右左で野原祐と使い分けは、生み出すものと、失うものの勘定が合わない。これも無難サイドが無難にならないパターンだ。
 和田監督にとって若手を使うことは、「気合いと気迫」の注入であり、「レギュラー」のためのカンフルに過ぎないのか。その選手の将来像を描き成長させるという発想はないのか。思いがけずもらった大量リードすら、若手の成長の肥やしにできないのか。
 8回の守りは好中継でアウトにしたように見えるが、あの局面(二死一塁)で三塁線を抜かれる準備も信じられないし、なめられて走られるマートンもやっぱり情けない。相変わらず守備も軽視しているし、こんな風に試合が進むに連れて刃先が鈍くなっていくチームの姿にもやもやが増幅した。とても快勝とはいえないね。
 もしもっと追い詰められて最後8?7だったとしても、そこに選手の成長になるものがたっぷり詰まっていれば、序盤で8?1のリードをもらったゲームとして大収穫があったと言っていい。この試合は、スコアとしては余裕の逃げ切りだったかも知れないが、監督の心の余裕のなさによって、中身の乏しい試合になってしまったと思う。
 メッセンジャー、久々白星良かったね。筒井、榎田、福原も雨の中、守っていてもなんとなく余裕のない試合でよく投げ切った。
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コメント

  1. 梅虎 より:

    昨日は最後まで見れなかったので、途中までの良い印象しかないんですが…、野原祐も田上も途中で替えられたのは、確かにがっかりですね。
     ベテランの引き立て役としか若手をみなしていない和田監督のスタンスとか、各紙の報道も若虎は添え物的な扱いなのは、阪神の問題点を如実にあらわしてるのかも。
    そう急には変わらないのも、重々承知してはいますけど、寂しいですね。
     でもそんな中で、小宮山の猛打賞は嬉しかったなぁ。
    今成との競争で集中力が増しているいい好例なんじゃなかろうか、と思います。昨日は走塁に打撃に冴えていましたね。
    藤井が復帰しても、今成の外野コンバートは思い留まって欲しいなぁ。同世代のライバルがいてこそ若手の意識も変わるだろうに…。でも、和田と片岡じゃあ、待ってました、といわんばかりにコンバートさせそうなんだよなぁ…。

  2. 日曜日は更新遅いのでヤキモキしています(笑)
    今日は特に試合開始が13時からですしね?(笑)
    ホントに心に余裕が無いですね。
    開幕当初は、柴田を試合終盤のチャンスでも代えなかったり、去年とは違う選手起用が見られたんですけどね。
    最近は、去年と同じ、左右病の選手起用の再発ですね。
    スタメンで起用したからには、もっと選手を信用して欲しいです。
    仰る通り、同じ1打席でも、田上と関本では得られるものは天と地程の差が有ると思います。
    左投手が苦手な右打者もいます。
    左打者にそういう選手がいても何の不思議も有りません。
    私は去年の対左の打率.321の柴田はそのタイプだと思います。
    鳥谷が左投手を打てる様に成ったのは、岡田監督が使い続けたおかげ。
    このままの選手起用では、タイガースでは左打者は育たないと思いますね。

  3. 虎ジジィ より:

    「晴れ」ませんネェ。これほど「モヤモヤ感」が伝わる文章が続くtoraoさんは初めてのような気がします。
    単純な私なんぞは「AKB砲復活、快勝」で、すぐ細かい事は忘れてしまいますがそれではいけませんネェ。
    とりあえず「母の日」は大活躍したブラゼル、「父の日」も打たないとマザコン認定だぞ!

  4. 光る虎 より:

    トラオさん同様に私の心もモヤモヤしてこの梅雨空のようです。新聞で和田監督は、試合内容を絶賛していたが、和田体制も昨年と変わらず大味の試合が好きなのかな?ファンとしては、あまり未来に期待がもてません。トラオさんが言っていたように、他の球団の良いところ(実績重視ではなく、現時点での実力重視)を積極的に取り入れないと。リーグ戦に戻っても他の球団においてかれるよ。今日は交流戦最後の試合、是非能見でスカッとした試合をみたいなー。

  5. 虎ねえ より:

    私も何故代打関本なの?と、ちょっとがっかり…衣笠さんがフォローしてましたが。和田監督は記事の中で1つになって全員で戦う野球、と語ってたので、若手交替はそういう事?
    とも思ったのですが、
    ある程度力を認められたベテランが1軍にいるわけで、若手はまず信頼を1つ1つ勝ち取っていかないといけない段階。
    それを用意し導いていく事にベンチが力を傾ける事によってベテランも刺激され、いい方向にいくと思うので、昨日の場合は少し残念。
    でも昨日の試合がプラスになる事もあると思うので、今日もそれぞれに頑張ってほしい。

  6. 明日虎 より:

    その采配が点を取る為の最適解なら少しは納得できますが、今季は対左にめっぽう弱い関本(34打数2安打 打率.077)
    新井のレギュラーを完全に固定するために関本の打率を下げようとしてるのか?と疑ってしまうほど最適ではない起用です。
    最後、福原が首を縦に振るまで辛抱強く要求し、最後に決めたカーブは小宮山のナイスリードでした。

  7. 西田辺 より:

    対右投手.360 対左投手.080
    昨日の打席までの関本の成績です。
    え?と思う方もおられるかも知れませんが、これが現実です。
    でも実際は、左投手に対しての代打一番手として起用している。
    実績主義者と言われる割には、こういう数字は目に入らないらしい。
    >打席後に注意するくらいなら…
    まぁ、おそらく右方向への引っ張りをやれ、と言うようなことを言っていたと思うんですが、一つ一つの結果で
    明日にも落とされるかも知れない立場の選手にとって「アウトになっても」の打撃が評価されるのかは疑心暗鬼な所。
    じゃあ、その「アウトになってでも」を最初から指示して、結果を回収してやる態度を示さないと。
    この辺の結果への不安はちゃんと拾い上げてやれないから、野球がフラフラするんですよ。
    余裕のなさも影響してるのかも知れませんが、やっている野球の端々で「小っさい野球」をやってるんですよ。
    「スモールベースボール」じゃなく、「小っさい野球」ね。
    それが「勝っても負けてもつまらない野球」を産み出してるんだと思う。
    昨日の見かけの大量点野球を見て「打線復活や!これから猛虎打線大躍進やで!」と思ったファンは居るんですかね?
    和田監督曰く「ベンチもファンも待ち望んでいた、打ち勝つ試合」だそうですが(笑)
    どこまでも、意識の差は埋められそうにありませんね。

  8. ブルー より:

    昨日の試合は見てないのですがみなさんテンション低いですね(笑)
    そういうがっかり感の残る試合だったんですね。試合終盤で守備力を大きく落としてまでマートンを代打に使う…打ったとしても必要ないですよね。
    メッセに勝ちをつけられてよかった!福原のいい仕事が続いてて嬉しい!(最後にいいところを)

  9. 虎おやぢ より:

    成瀬先発で浅井スタメン、やっぱりですか(交流戦で左打者にヒット打たれてないそうですが)。
    昨日の試合後の監督コメント『ベンチもファンもこういう打ち勝つ野球を待ち望んでいた』って記事がありました。強打豪打偏重なのは理解していますが、こうもハッキリ言われると……。
    打ち勝つ野球って言っても、ウチのは単に「打て打て打て、さあ打て」でしょ……。じゃあ今日も打ち勝ってくださいね、ハァー。

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