大晦日に感謝を込めて

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大晦日だ。新潟、スマトラ沖、そして球界…「激震」の2004年が終わる。1966年生まれの私にとって、69?71年の「黒い霧事件」は記憶にない。間違いなく私がプロ野球を見るようになって、もっとも危機的な年だった。そしてその危機は依然として内包されたまま2005年を迎える。
これまでこの「危機」は、極論すればナベツネ氏によりもたらされたものとして捉えられてきた。自分のことしか考えず、強者の理論でルールをねじ曲げ、弱者から搾取を繰り返すものとして。本質的にそこに一番の病理があったとするのは、そう大きな間違いではないと思う。しかしそれを取り除いた後、小さい病気が多数隠れていたことにも気づいた。来る年は、芽生え始めた互助の精神で、それらを快方の道に向ける年であってほしい。
ただしあくまでも経済成長期・日本プロ野球の全盛期を目標モデルにしてくれるな。それは金融・証券界が未曾有のバブル景気時代を目標モデルにしないことと同じだ。爆発的な輝きの後には、暗黒しか訪れない。こつこつと清らかに、先人の教えに時代の変化を慎重に取り入れながら、一歩一歩前進するような、ふと気づいて後ろを振り返れば、輝かしい歴史と伝統に彩られるような、そんなプロ野球界になってほしい。その第一歩となるような2005年であってほしい。
合併問題、スト問題、岩隈問題、井川問題…。プロ野球界は問題に直面した時に、「ファンの声」に過敏とも言える程、注目するようになった。マスコミをも牛耳って「情報操作」を行ってきた球界でも、「ファンの声」をコントロールできなくなっている。
背景にあるのがインターネットであることは間違いないだろう。マスコミに対する信用失墜という側面もあるが、今「考える人」は全員、考える材料をマスコミだけではなく、口コミや、ネット上の掲示板、ブログからも求めていると言って良いだろう。もちろんサイトによって影響力に大小はあるかも知れない。それでも技術の進歩によって、確実に少数意見をも尊重できるだけのインフラが整いつつある。その代表格がブログだと思う。
スト問題をマスコミが取り上げると、「85%の人がストに賛成」というアナウンスと、「街の声」と称して数秒間・数人のインタビューを流す。まったくステレオタイプのものにしかならない。だがブログにその声を求めれば、一瞬にして、コメントやトラックバックで繋がった生の声が聞こえてくる。様々な理由と根拠に基づく主張や、心からの叫びや、罵詈雑言や、怒りや、嘆き悲しみが肉声として伝わってくる。「何%の人」は関係ない。○○さんの声なのだ。マスコミが作る「真実味」ではなく、「真実」そのものがそこにある。
そんな訳で、このつたないブログも、たくさんの方に読んでいただいている。感謝感激。そして面白い時代になってきた…そう感じる大晦日の朝…。

コメント

  1. いわほー より:

    去年は阪神優勝騒ぎで、今年は球界再編問題で例年以上にプロ野球に思いをめぐらせた一年でありました。
    torao様おっしゃるように、ブログや掲示板もふくめた広義の口コミ(ネットコミ?)が新たな世論を形成しつつあることは間違いないと私も思います。なかでも今年ブレイクした「ブログ」は新世論の一気に主役に躍り出た気がします。なぜなら従来の口コミの主役である掲示板よりもブログのほうが検索エンジンにかかりやすい状況があるからです。サーチエンジンのアルゴリズム自体がブログのプライオリティをあげているのでは、とおもわれるからです。その意味でもこちらのブログはりっぱな新世論の構成員でありましょうぞ。
    私も個人的にブログを持っていますが、プロ野球に関してはこちらのブログのコメントで参加するにとどめております。
    来年も私の板汚し(?)にどうぞお付き合いください。
    torao様、BSミツルH様はじめどうぞ皆様よいお年を。

  2. たけ より:

     今年1年を表す文字が「災」ということでした。確かに今年は自然災害や人災、そしてプロ野球界にとっても様々な「災」というか、今までのツケが出てしまった年でした。
     そんななか、私は「感謝」という言葉を浮かべていました。それは当たり前のように生きていて、タイガースを応援できること。そして合併などとは無縁ともいえるタイガースのファンでいられることなどです。
     来年は、今年のようなしんみりとした感謝ではなく、もっともっと前向きな感謝のできる年になるといいなと思います。
     今年1年、こちらのブログで様々な視点を教えていただきました。来年も充実の記事を期待申し上げます。良いお年を!

  3. BSミツルH より:

    街頭インタビューは編集によって放送局の代弁になってしまいます。もっと偏っていいはずのものが偏りを嫌った編集で対論が増えてしまったり、誰かが発言しているはずの意見が少数意見として排除されていたり…。新聞も社にとって都合のいい論者を呼んできてそれが、さも大勢であるかのように装います。もうだまされないぞ、と強く思った一年でした。特に今年の≪toraoさまスクープ連載≫によるY社の社説はどうしようもなくヒドかったですね。?クロはクロです。?シロはシロです。その他には?どっちでもエエこと、?どっちでもナイこと…。それだけしかありません、と私は考えています。そのなかでも意見というのは?で、ここが大事なトコ、と思います。掲示板⇒ブログの流れは?⇒?のようにも思います。
    今年一年のタイガースが良い年であったかどうか。それも来年の布石として考えたい今日この頃でございます。toraoさま。いわほーさま。GAIAさま。SSあさちゃんさま。ichikenさま。みなみなさま。良いお年をお迎えください。。

  4. giants-55 より:

    書き込み有難うございました。
    野球関連の本は、球界の光の部分だけではなく、陰の部分、其処こそが球界を支えている多くの関係者が存在する部分ですが、にスポットを当てているものが多く、良く読んでいます。(近藤唯之氏の作品は、「プロ野球70年の歴史に於いて、○○○だったのは彼一人である。」といったワンパターンな言い回しが鼻に付きますが(笑)。)
    個性派集団だったタイガースの裏側を赤裸々に描いたこの作品は、未だ途中迄しか読んではいないものの、非常に興味深い内容です。
    選手個々の没個性が言われて久しいですが、各チームに強烈な個性を放つ選手が増えて行く事で、野球人気も盛り返せる様な気がします。勿論、torao様が御指摘されている様に、選手達のプライベートな部分に関しては、マスメディアのみならずファンも、大事にして上げる必要性は有ると思います。
    最後に、今年は御世話になりました。稚拙なブログではございますが、来年も何卒宜しく御願い申し上げます。良き年の瀬を御迎え下さい。

  5. Toma より:

    来年も読み応えのあるエントリーを
    お願いします
    毎朝、楽しみにしています。
    良いお年を、
    来年もよろしくお願いします。

  6. 2004年最後のエントリーです。皆様お世話になりました。

    今年の2月からこのブログを始めて以来、 記事数:[339] コメント数:[802] トラックバック数:[2130] となりました。 ここまで続けてこれたのも、皆様の暖かいご支援のおかげであります。 ありがとうございます。 コメントしに行った所もありますが、ほとんどトラッ

  7. FUZY より:

    今年1年お世話になりました。
    来年こそはタイガースには恥ずかしくない成績を残してもらいたいと思っています。
    来年もよろしくお願いいたします。

  8. kamu より:

    今年はなんだかよくわからない1年でしたけど、来年はずっと笑ってられるようなそんな1年であってほしいですね。
    来年もよろしくでーす。

  9. 永久追放解除への動き

    災い多き年だった2004年も過ぎ去り、新しい年を迎えた。毎年思う事だが、今年こそはより良き年になって欲しいものだ。

    ところで、昨年はプロ野球界に於いても、多くの問題が一気に噴出した年だった。球界では今年を改革元年と位置付け、低迷する野球人気の盛り上げ

  10. torao より:

    皆様
    温かいコメントをありがとうございました。
    二年越しのお返事になってしまいましたので、とりあえずは感謝の気持ちのみお伝えいたしたく。