秋の鳥谷に期待

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この日、試合後、選手会主催の祝勝会が行われたという。優勝当夜は、ビールかけやメディア対応で忙しく、あらためてゆっくりと選手全員でお祝いしたのだという。この席には、登録抹消されているが、チームに帯同している片岡、久慈、町田らや、裏方さんも同席。そして異例なことだそうだが、岡田監督も招待されたのだそうだ。良いもんだねぇ。
この日の試合で多くの選手に出番があったのは、みんなで楽しく飲めるようにという岡田監督の配慮だ、きっと(笑)。
前日の試合では、9回の攻撃で盛り上がった「感謝祭」だったが、この日はおなじみのリリーフ陣で盛り上げた。先発杉山が6回までゼロ。7回1イニングを桟原が地ならしして、8回から、藤川が2/3、ウィリアムスが1/3、久保田が1回。次々と登場するヒーローに、この日もぐるりとスタンドを埋めたTファンから大声援が上がる。ちゃんと2安打されて見せる久保田もそうだが、岡田監督のサービス精神が見えた。
攻めては3回に鳥谷が先制2ランHR、4回今岡狙い打ちの29号ソロは球団タイ記録の146打点目、加えて関本のあとちょっとで今季1号HRになりそうだったフェンス直撃タイムリー二塁打で4?0。6回は中盤の盛り上げ所、二死走者なしから、関本、杉山、赤星(タイムリー)、鳥谷、藤本(2点タイムリー)の5連打で3点追加、7?0。中でもここのところフォームを崩していた赤星が、カチッと決まった形でライナー性の打球をレフト前に弾き返した1本が良かった。残り試合でのヒット量産に繋げて欲しい。そうそう藤本のタイムリー。外角低めのボール球を思いっきりすくい上げるが打球は思うように上がらず、サードの頭の越すのが精一杯。なるほど、そこに藤本のヒットゾーンがあったか(笑)。
日本シリーズに向けて、ありがたいプレーがあった。2回先頭のラミレスがヒットで出塁、続くリグスの打球はやや大きなレフトフライ。ここで一塁走者ラミレス、タッチアップから二塁を狙う。金本慌てて二塁へワンバウンド送球、やや三塁よりにそれたが、関本がなんとかベースとラミレスの足の間にグラブを入れて間一髪タッチアウト。
常識的には暴走だが、金本の捕球体勢と、日頃からの緩い返球を観察した結果のナイストライ。もしこれがシリーズで、セーフになるようなプレーなら、シリーズ全体の流れを変えることになりかねない。ランナーがいる場面では常に、その進塁を阻止する万全の準備が必要ということだ。この警鐘をぜひとも生かして欲しい。サンキュー、ラミちゃん。
先発杉山は3回までと4回からでまるっきり変わった。立ち上がりは得意のスライダーが抜け気味で制球が定まらず。自信なさそうに投げていた。S打線の打ち損じや暴走(と言っては悪いね、ラミちゃん)に助けられた。ところが4点差となった4回ウラからはまったく別人。腕の振りが強くなり、直球はMax146km/h、スライダーはベース直前で鋭く曲がり落ちた。テンポも急に良くなり、打者が足場を慣らす間、グラブを顔の前に構えて「投げて良し」と言われるのを待っているかのよう(笑)。矢野のサインを待つことすらもどかしそうで、投球動作に入りながらサインを見ているような感じ(笑)。完全に自分のペースで放っていた。こうなると杉山は無敵状態に入る。何かがあるまでは大丈夫(笑)。ただしちょっとしたことで無敵状態が解けて、ランナーが出たりするとヤバいのだけれど(笑)。
鳥谷が久々のHR。前日も二塁打、三塁打を放っていて、打撃は好調だ。しばらく右サイドの開きが早すぎて、打球に力が伝わらないという状態が続いていたが、ここのところ下半身の粘りが戻って来て、誘いダマへのスイングが止められるようになってきた。また、高めの球を上から強く叩けているのが長打が増えている理由だろう。
重要な2番打者だ。短期決戦では是非とも絶好調でいて欲しい。ちょうど一年前の秋季キャンプでは、中西太臨時コーチのマンツーマンレッスンで、絶好調だった。この日も神宮では東京六大学が行われていた。鳥谷のバイオリズムはここに合うかも知れない。
例えば同級生のS青木と比較して、鳥谷の現状を嘆く人もいる。将来性と言ったって、大切なのは今だろう、鍛える場所は二軍じゃないのかと。今季、鳥谷が残した成績は、その期待度と比べたら確かに誰もが満足するものではないのかも知れない。
しかし鳥谷については、私は何度でも繰り返し同じことを言いたい。この選手は、歩みは遅くとも着実に進化を続けるタイプだ。体が強く、努力をいとわず、頭の切り替えが出来る。加えて、才気がある。今はまだめったに見られないが、内の球はライトへ、外の球はレフトへ、力のある打球を遠くへ飛ばす能力はセンスだと思う。
物足りなく思われる今の成績も、「史上最強の5番打者」という称号を手に入れようとしている今岡の1年目、2年目と比べて決して遜色ない(ichikenさんが去年12月に調べたエントリーをご参照!)。日本シリーズを経験して、また進化の方向性が変わるかも知れない。とにかく楽しみは尽きない。

コメント

  1. BSミツルH より:

    「感謝祭」試合のTV中継がまったくなくて残念です。私の体調もやっと戻ってきて、筋肉痛が遅れてやってくるように(?)優勝の実感も遅れて第二波がやってきましたよ(笑)。

  2. 10月2日神宮ヤクルト対阪神戦観戦記~今シーズンの観戦成績は10勝4敗

    このブログの本名は「阪神優勝、巨人最下位」です。 今日はレギュラーシーズン最後の観戦で神宮球場に来ています。 大学野球が長引いたので、通常より30分遅れの18:50から試合開始。 入場前に外でダンカンさんを見つけて、優勝おめでとうございますと挨拶しつつ握手し

  3. torao より:

    あ、高校生ドラフトのこと書くの忘れました。今日ですって(笑)。
    to BSミツルHさま
    まったくそのとおりですね。じわじわ喜びを噛みしめる毎日です(笑)。

  4. ichiken より:

    TBどもです。
    鳥谷の成長が今岡曲線に乗りましたね。
    ノムさんも居ないし、冷遇時代を通り越して、一気に開花を期待してます。 ^^

  5. lamb_labo より:

    「秋の鳥・・・」なんかおいしそうに見えますが。
    鳥谷君、青木君、いろいろなタイプがあって、それをファンは温かく見守りたいですね。
    2日の収穫祭&感謝祭も楽しそうでしたね。
    杉山クンの変身の瞬間を生で見たかった?。
    裏福原先輩、昨日はオフで一安心(笑)。

  6. おかぼん より:

    >歩みは遅くとも着実に進化を続けるタイプ
    鳥谷はけがをせず、146試合ショートを守り続けた今年一年の経験をもとにまた飛躍すると思います。
    守りでは、確か福原コーチが、スローイングの安定を挙げていたと思います。時々ぶれることもありましたが、シーツが上手くカバーしてくれましたよね。特に9月初めの札幌のB戦など、あのカバーがなかったらけっこう心理的に応えたんじゃないでしょうか。まあ彼は、肉体的だけじゃなく精神的にも相当タフみたいだから、もしそうなってもうまく切り替えられたと思いますが…一つのミスがきっかけで送球ノイローゼになってしまう選手もいるそうですから、ここはシーツ先生にも感謝です。
    高校生ドラフトは、岡田監督の強運を実証するいい機会かも(笑)。
    1位も外れ1位も投手のようですが、補強ポイントである「右の内野手」でどんな選手をとるのかも注目したいと思います。

  7. いわほー より:

    鳥谷も、やっとファンから認知されましたね。「二番ショート・鳥谷」にブーイングするファンはいなくなりました。向こう10年はショートを張ってもらわなければならない選手。成長曲線は緩やかでも良いから、上昇傾向を維持してくれればよし。打率も.280前後を維持できれば、今シーズンは合格でしょう。太さんの心理療法が実を結んだといえましょうか。感謝。
    さあドラフト。
    思えば6分の1の確立で、タイガースが早稲田・岡田を引き当てた時、それはそれは興奮しました。あれ以来、大物を引き当てていないですから残念。(競争回避に走りすぎていた。)
    今回は優勝チームの余裕で、多少のリスクをいとわずに、勝負してほしいのですが。岡田監督の運を信じて。
    ちなみに私の中の序列。
    辻内>片山>鶴

  8. ばかぼん父 より:

    クルト青木について、鳥谷は「天性の2番バッター」と言っていた。
    でも実際は、自分を出せる1番打者として使ってもらってから
    「内野ゴロをヒットにする」ちょっと前のイチロータイプの打者として大ブレークした。
    私も、鳥谷は金本の「向上心」と「練習の虫」を受け継ぐ
    着実に進歩しつづける選手だと思う。
    ヤンキースの松井秀喜は、遠山にキリキリ舞いした翌年はカモにした。メジャーへ行っても年々進化し続け、進歩が止まらない。そういった選手が凄い選手。
    金本がそうであるように、鳥谷にもそうなって欲しいし、大きく育てるべき。
    赤星が鳥谷に「(ランナーとしての)自分を気にせず、
    好きに打て」と言っているようだけど、
    私はヒットで1,2塁より、盗塁の方が見たい。
    また、盗塁を警戒して甘くなった球を長打で仕留めるのでもよし。
    早いカウントで二遊間、三遊間にゴロを打って
    ランナーが入れ替わるのが、
    セカンドゴロゲッツーより嫌だ。
    今年はしゃーないけど、2番は打線の中で「舵取り」。
    成長途上の若者を当てはめるより、監督主導のチームなら器用さをアピールしたい選手、
    選手に任せるなら野球を良くわかっているベテランにやってもらいたい。
    この秋の鳥谷には、赤星の出塁を封じられた時に、
    「二の矢」となってくれるよう、大いに期待したい。

  9. torao より:

    to ichikenさま
    よーくichikenさんの記事読んだら、井口も出てきてますね。鳥谷は自主トレを井口とやったりして、けっこう憧れているようでした。…行くなよ!(苦笑)
    to lamb_laboさま
    ビールのかぶり物で変身した杉山ってのもありましたけどね(笑)。それなりに勝ちたいという気持ちの強いSを横綱相撲で退けたT、強いなあと思いました。
    to おかぼんさま
    来年は「巣立ち」の年になりますかね。
    そう、あのいっとき、ずっと安定していた鳥谷の送球がぶれました。あの最後の一人のシーツのプレイがもし、アレだったら、ナニしてましたわ(笑)。
    高校生についてはなんの知識も見聞も持ち合わせておりませんので、みなさん、いろいろ教えて下さい(笑)。
    to いわほーさま
    なにはともあれ、ショートであれだけきっちり守ってくれれば、もうそれだけで満足です。またオフが来て、練習して上手くなるかと思うと、ワクワクですよ。
    なぜか高校生ドラフトだけ、抽選ありなんですよね。みんな抽選好きですよねー(笑)。弱いとこから順に指名させたら良いのに(笑)。ペナントレースでわざと負ける行為を防止できないから?そんなの、「わざと負け合いっこ」したらよろしい!球界が滅びるだけだから。
    to ばかぼん父さま
    「才能とは努力を続けられることである」by 松井父、良い言葉です。鳥谷は才能があります。
    そういえば最近赤星の盗塁がめっきり減りました。打撃の不調もあるのでしょうが、塁上で「動かない策」をとることが多いように思います。やっぱり「虎スペシャル・赤星」をもっと生かすために、赤星に気を遣わせる2番ではなく、赤星を気遣う2番がほしいですね。できれば鳥谷は3?6番を打つようになってほしいものです。

  10. ちょびうさ より:

    むふふ。
    秋のキャンプはしっかと見させて頂くわ。
    ああ、やっぱデジカメ欲しい。
    そしたらいっぱい写真載せるのに?。
    携帯じゃ限度あり(泣)
    高校生ドラフト、なんかバタバタしてるけど・・・
    今年の夏の高校野球はあんまり、大物感を
    感じる選手が私には少なかったんで、
    「誰だっけ・・・」ってのが多い。
    ちなみに、鶴も「だれ?」

  11. しぇすた より:

    鶴に若竹、
    なかなか風流というか。
    そんでもって大和、
    ジャパネスクですなぁ。

  12. ちえ虎 より:

    スカパーに加入しはや半月、はじめてフジ739でヤクルト戦を観戦しました。
    あそこはいつもあんな感じの実況解説なんですか?ちょっとびっくりしました。
    この3連戦では、浜ちゃん、林、喜田のスタメンが見れたうえに3戦目はJFKも登場してうれしかったです。
    シリーズの活躍を期待させる鳥谷くんのホームランもあったし、ほんとに「感謝祭」でした。
    Toraoさんの言われる様にこの時期鳥谷くんの調子がよいとなるとヤクルトの青木も同様で200安打達成できるかもしれませんね。
    鳥谷くんのライバルですが、ここまで来たら200本いってほしいです。

  13. torao より:

    3人の高校生を指名しましたね。ようこそタイガースへ!
    to ちょびうささま
    ああ、今年の秋は安芸でしたね、そういえば。楽しみじゃないの。もう優勝後といっても落ち着いたもんじゃないかな?
    一般には今年の高校生は大豊作だと言われているようですよ。
    to しぇすたさま
    本当ですね。「鶴に若竹」ふすま絵みたいですね(笑)。そんで「やまとのり」で貼ってね(笑)。
    to ちえ虎さま
    そうなんですよ、高いお金払って、さらに「さやかマネージャー」に耐えなきゃいけないんですよ(笑)。一応スワローズ寄りを維持しようと頑張るんですが、加藤博さんにしても金村さんにしても、SよりはるかにTに詳しいし、肩入れしちゃう(笑)。関根さんや大矢さんに頼めば良いのにね。
    青木はプレッシャーと戦ってますね。フォーム崩しながらよくやってますよ。鳥谷のライバルというより、来年は赤星のライバルですね。

  14. のののー より:

    クジで片山か辻内を引ければ理想的だったのでしょうが、競合相手がウェーバー上位球団ばかりでは行く気がしませんね。右の速球派と右の内野手(大砲ではなく、守備の上手いポスト久慈)、予定していた補強ポイントが取れたのでまずまずのドラフトでした。3位は左の大西と思っていたので若竹はちょっと意外。「激しいのがお好き」な編成の伝統は健在のようで。