ドラフト改革の優先順位

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今年のドラフトの目玉は、大阪桐蔭の中田翔(なかたしょう)。


投手として151km/h、打っては170m弾、数十年に一人の逸材と言われているようだ。好きな球団はタイガースなんていう情報もあって、タイガースとしても地元のスターをなんとしても獲りたいと必死みたい。もっとも地元といったって、広島出身だそうだけど。
ドラフト制度は、2年間の暫定期間を経て、今年は新しいやり方を決めなきゃいけない年。それなのに「数十年に一人」がいちゃ、どうも目の前がチラチラしてしまって、普通のことができなくなっちゃいそうだなぁ。

別のところ
やここでも何度か書いているので、もういいよって言われそうだけど(笑)、やっぱりね、どうしてもまた球団同士のエゴのぶつけ合いになっちゃいそうだから、書きたくなっちゃうのよ。もっともらしい理屈を並べて「私はこう思う」「当球団としての見解はこうである」なんて言うより先に、プロ野球を盛り上げるために、何が必要か。選手たちや現場で戦う人たちを心からワクワクさせて、そのワクワクが見ている人、今は見ていないけれど噂に聞いてワクワクして見てみたいと思う人…そんなふうにワクワクを拡げていくためには何を優先すべきか。ここをまず徹底的にやって欲しい。そしてその優先順位が決まったら、そのあといくらでも自分とこのエゴを出し合って、優先順位にのっとってエゴ調整すりゃいいんだ。
私のドラフト改革優先順位は、
(1)新人の権利の制限 (2)公正 (3)公平 (4)戦力均衡
まず、第一に「新人の権利の制限」。リーグ繁栄のために、新人選手には、資本主義やいくつかの法の下に与えられている権利の制限を許してもらおうということ。これがある意味でドラフトの定義であると思う。ドラフトなし=自由競争、これが資本主義の原則である。しかし、12球団という閉ざされたリーグの経営を単純な自由競争の原理で行えばその弊害も大きい。例えば、契約金や給料で自由競争になれば、新人選手にとっては喜ばしいだろうが、その結果として、球団経営を苦しくさせファンの喜ぶパフォーマンスを維持できなくなったり、人気球団と不人気球団という球団間格差を生みやすくなったりする。この点は、制度の根幹であり、これを否定するような議論はドラフトの否定、つまりドラフト不要論ということになると思う。
二番目に「公正」。当たり前のことだが不正が日常茶飯事というような制度は最悪だ。不正をするかどうかはモラルの問題で終わらせてしまっては、不正容認と同じだ。ドラフト候補者、候補者の周辺に利益供与をすることに意味があるような制度は、不正を誘発すると言って良い。また、第一の「新人の権利の制限」を当たり前だと思っていないからこそ不正が生まれるのだと思う。
次に「公平」。この場合、1年分の全指名選手を、各球団の希望に応じて極力均等に分配しようということ。そのためには、できるだけシンプルなルールで、一貫したものであるべき。高校と大学&社会人に分割するのは、一貫した公平感を損ねていると思う。
また、「既得権益」を極力排除するということも公平を保つためには必要だと思う。
また第一の「新人の権利の制限」を了解しない新人がいた場合(これは新人の考え方、信条の問題なので一概に善悪は言えないと思う)、それでも公平が保たれる仕組みが望ましい。例えば、指名権や指名後のトレードなども検討の価値があるのではないか。
で「戦力均衡」。公平に分配したいが、なかなかそう上手くはできない。有利不利がどうしても生じるのなら、できるだけその差を少なくした上で、「弱いチームを強くする」という方向性にすべき。リーグの理想は、すべてのチームが同等の力を持っていて、どの試合も、どのシーズンもどこが勝つかわからないという競争状態にあること。しかし、安易に制度としてそれを作りだそうとしても、「弱くても制度で強くなれる」という共産主義的退廃を生みかねない。公平な分配を心がけ、どうしても仕方ない部分は「弱い方優先」にするくらいがちょうど良い。

コメント

  1. 太めのおじさん より:

    あれ、この時間でコメント第1号。
    あけましておめでとうございます。おいらは今日が仕事はじめです。
    コメント1号ということで投稿しようとしているんだけど、今日の問題はハイレベルですなあ。
    ありがちだけど、
    逆指名廃止、FA資格取得期間短縮。
    上位2位ぐらいまでは、くじ引き。
    3位以下はええっとお、下位順位球団優先のやつ。
    6チームなんだから、6年に1回優勝で満足せいやってことでいいんじゃないかなあ。

  2. 良虎 より:

    遅くなりましたがあけましておめでとうございます。今年も毎朝楽しみにさせていただきます☆
    あっちの方にも前に書かせてもらいましたが、僕の考えでは今の1枠分の希望枠は高校生にも適用した上で、残してもいいかなぁ。
    年間100人以上のドラフト候補の中で、たった12人しかいない選ばれた人間達ですから。
    好きに選ばせてやろうじゃないかと。
    その代わり希望枠入団は現行のままFA9年。ポスティングは当然廃止です。
    それ以外は完全ウェーバーでFA6年くらいでしょうか。メジャー志向の選手はあえて希望枠を蹴るなんてこともあるかもしれません。
    toraoさんのよくおっしゃる飼い殺し禁止FAが正式に制定されれば、入団ももっとスムーズに行くと思うんですけどね。

  3. 虎右衛門 より:

    今日から部活、コタツからやっと抜け出せました・・・。(^_^;)
    来年は中田君、エースで四番だそうです。
    去年(2006年)は外野だったし、結構肩のいい選手なのかな?
    金本が抜けたとしたら左翼or右翼戦争に入り込んで欲しいです。
    といっても、まだまだ先の話ですね・・・。
    ちなみに阪神は`野手・中田´を欲しいそうです。

  4. 西田辺 より:

    野球を盛り上げる。
    サインボールを投げ込むのも良し、地域振興に寄与
    するのも良し。
    でもね、やっぱり肝心の野球が面白くなくっちゃね。
    選ばれる側も、選ぶ側・野球を司る側、双方我を通す
    だけでは駄目ですよね。
    ほら、昔から言うじゃない「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」ってね。

  5. torao より:

    to 太めのおじさんさま
    コメントありがとうございます。
    私、あの「重なったらくじ引き」ってのあんまり好きじゃないんです。あのくじ引きで良い思いをした人が、その後の指名でまた有利になったりしますでしょ?くじ引きで公平感を出すのなら、例えば指名順を決めるためにくじ引きを使って、その後も一貫してその順番を(正順、逆順の繰り返しなどは必要でしょうが)利用すべきかなぁと。結果的にくじ引きですごく得ばかりする強いチームと、くじ引きで損をする弱いチームができてしまったら、「そりゃくじ運のないあんたが悪い」じゃ、あまり公平な感じがしないので。
    to 良虎さま
    良虎さんの優先順位は、(1)超エリートの権利保障、ということですね。そういう考え方もあるでしょう。新人は実際やってみないとその実力はわかりませんし、強くなる、弱くなるも結果を見ないとわかりません。ただし、スター、人気者というの「金の卵」というのは確実にいて、そういう人が絶対に行きたがらない球団というのがたぶん出るでしょう。不人気球団には、一生「ドラフトスター」が入ってこない。きっと不人気球団は、上位20番目くらいの選手を第1位にせざるを得なくなったりしてしまうでしょう。強くなるならないは別にして、貧乏が貧乏を生むシステムになる可能性が高く、私は反対です。
    to 虎右衛門さま
    中田とったチームはすぐ使わないと風当たりが強くなりそうです。もしタイガースが獲ったら、外野、一塁、三塁のいずれかで使うかも知れません。なんかちょっと無理がかかりそうですけどね。無理なく即戦力のチームに行った方が…なんて言っちゃいけないか(笑)。
    to 西田辺さま
    やっぱね、やって楽しいのは、同じくらいの力の相手とやることなんですよ。これは野球じゃなくても、麻雀でも相撲でもテスト勉強でもいっしょ(笑)。やってて楽しいっていうのは、見てる方にも伝わりますからね。

  6. 蒸し返し より:

    逆指名(1順目のみ)→FA期間(5年くらいにして)+5年+契約金上限5000万
    順番→くじ
    拒否→とにかく3年間被指名権なし
    で、現行の分離ドラフトでいいと思うんですが

  7. uriko1999 より:

    こんな時間に失礼します。
    今年の初コメント、本年も楽しみにしています。
    ドラフトは
    シンプル イズ ベスト。
    原点回帰。
    かつての完全ウェーバー制がわかりやすくて
    一番よかったような気がします。
    といっても15年ほどしか見てませんが(笑)
    時流にあわせて、FAとドラフト指名権との引き換えも検討価値があると思います。
    アメリカのプロスポーツでは導入済かな?
    飼い殺し禁止FAは、私も賛成です。

  8. torao より:

    to 蒸し返しさま
    「でいいと思う」その根拠がわからないので、なんとも同意いたしかねます(笑)。
    分離ドラフト自体は、育成or即戦力の選択という面白いものなのですが、今のままでは両取りもできてしまうのでダメじゃないでしょうか。
    私は原稿のドラフトは、何のためにやっているのか皆目分からない、今までの中で相当悪い仕組みだと思っていますよ。
    to uriko1999さま
    >かつての完全ウェーバー制…
    日本では今まで一度も行われていないんじゃないですか?
    どうも日本では「負けた方が得をする」ってのが、どうしても受け入れられないようなんですね。敗退行為の防止に対する工夫が少なく、ただ単にスター選手を獲る権利だけは平等にしようということにこだわりすぎているように思います。
    「ジャイアンツ一極集中」で持つ時代は終わったんですから、当然次の中心的価値観である「最高の競争状態」を目指して欲しいです。よその国のよそのリーグを見て、みんなわかっているハズなんですけどね、できないみたいですね。

  9. のののー より:

    中田が阪神に入ったら、最初は代打&中継ぎでしょう。まず代打で出て、そのまま2イニング投げて、もう1回打ったら交代、あるいは捨てゲームならもう少しどこか守る。もちろん、投げない日は普通に代打で登場。
    これをオールスター前まで続ければ、どこをやればよいか、おのずと決まるはず。この起用法でずっと行くのも面白いけど。

  10. 蒸し返し より:

    根拠は書かないとだめですね 失礼しました
    分離ドラフトは両取りのことを考えると確かに戴けないかも…
    ただアマからすると高校生なんかは日程的に進路を
    会議の後で決めやすくなり助かるなという話があるもんで
    契約金云々についても裏金がなくならないと意味ないですね
    逆指名はないのが一番なんですがつい現実に迎合してしまいました申し訳ありません

  11. torao より:

    to のののーさま
    戦中戦後のプロ野球みたい(笑)。でも面白い。どっちにしたって党首選任にしちゃもったいないわなぁ。
    to 蒸し返しさま
    進路を決めやすいのは大学生も社会人も一緒なので、「分離」じゃなくて一斉に前倒しでも良いように思うんですよ。分離のメリットは、「高校で得したら、大社では損する」=「将来性を取るか即戦力をとるか」のような仕組みにするというのがあるのかも知れませんが、だったらなおのこと一斉にした方がわかりやすいと思います。

  12. 蒸し返し より:

    なるほど!
    ドラフト=11月という思い込みが固まっていたようです
    そうですね 一斉に9月ごろにすれば分かりやすいです

  13. torao より:

    to 蒸し返しさま
    高校野球の熱気さめやらぬ9月に高校を、大学野球シーズン終了後の11月に大社をということなんだとは思うんです。だから分離自体はそう悪くもないのですが、リンク方法と複雑さがいけませんね。