ビッグクラブ

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浦和レッズがアジアを制覇して、クラブ・ワールドカップに出場。
6万近くの観衆で埋まった埼玉スタジアムの熱狂と興奮は凄かった。勝って良かった。


関東には、「セは阪神、パはロッテ、Jはレッズ」という人が昔からたくさんいる、と思う。少なくとも私の狭い交友範囲で4?5人知ってる(笑)。独断と偏見に満ちたまま語れば、これらの人々はおそらく日常の平凡さや試練を甘んじて受け入れる覚悟ができている反面、こと趣味趣向の世界ではとにかく「過激」に走り、一切の妥協を許さない、「趣味的どM」に属するのだと思う(笑)。そうでなけりゃ何も好きこのんで、連敗連敗また連敗のチームばかり選んで応援し続ける理由が見つからない(笑)。
そういう「過激派」の圧倒的支持を受けて、浦和レッズは日本のビッグクラブへの道をひた走っている。浦和をはじめいくつかのチームにカネと人が集中していくという方向性は今後ますます強くなっていくだろうが、それを問題視する向きはない。むしろ、日本にも他国に負けないビッグクラブが必要だという考え方が一般的だ。
入れ替え戦を基本とするサッカーの世界には、「戦力均衡」という考え方はない。おそらく源流をたどれば、小国大国入り交じって仲良く戦争していた中世ヨーロッパの思想があるからだろう。国境に海も壁もない頃から、富める国に強い兵士が集まり、弱小国は知恵と工夫で生きる道を探ってきた封建社会の文化。城を変わり、国を変わり、立身出世していくのが当たり前の考え方。城や国の方も、弱肉強食のようで、違いを認め合いながら、どこかに仲良くケンカしているようなところがある。でもやはり敵が無数にあるという厳しい競争社会だ。
ヨーロッパの「擬似戦争」を母体として発展してきたサッカーの文化をできるだけ受け入れようとしている日本サッカー界と、米国内の閉じた興業を、さらに矮小して商業化した日本プロ野球界とでは、おなじようなスポーツビジネスに見えても、そのルーツから哲学までまるで別物だと言える。
MLBは国内だけでは将来的発展に限界があることを察知し、マーケットを拡大することを選んだ。そのためにはビッグクラブが象徴的なブランドとして輝いている必要がある。MLBは今厳しい情勢の中で、いかに仲良くケンカしながら、商圏を世界に拡大するかという課題に取り組んでいるところだ。
そのMLBから吹いてくる強い風のなかで、日本プロ野球界はどうやって踏ん張っていくのか、その方向性が打ち出せないでいる。一人一人のファンも、その変化をどう受け止めたら良いのか、戸惑っている。
阪神タイガースは、読売ジャイアンツに次ぐNPBのビッグクラブである。10年前はそう自信を持って言えたものじゃなかったが、野球の実力はともかく(笑)、興行収入、放送権料、その他売り上げにおいて群を抜く存在なのは紛れもない事実。
阪神タイガースも、ビッグクラブが果たすべき責任に向き合う時期だ。言い換えれば得た収入をいかに使うか。その使い方に対して発言していくか。蓄財して親会社に還元などということをやるようじゃ世も末なんだから。
まとまらない考えながら、項目だけ列挙して続きはまたの機会に掘り下げてみようと思う。
(1)仲良くケンカするための仕組み作りにリーダーシップをとる
(2)集まるカネを「仲良くケンカする原資」として有効活用するため進んで供出する
(3)ファンへの還元=「商品(見せ物)」質の維持向上。(一握りの)スターをめぐってMLBと張り合うのではなく、新鮮さと層の厚さに資本の集中投下をすべきでは
(4)ファンは「金満タイガース」とどう向き合うべきか

コメント

  1. shu より:

    >ファンは「金満タイガース」とどう向き合うべきか
    あと「理念無きフロント」ね・・・
    確か、つい最近まで阪神としてドラフト制度では希望枠廃止、完全ウェーバーもしくは抽選を支持していたはずなのに、いつのまに読売に同調してんの?
    野崎さんが居た頃はこんな事無かったのに・・・
    今の球団社長は読売に1リーグ制の話持ちかけられたらすぐ乗りそうだもんなぁ

  2. いわほー より:

    >「金満タイガース」とどう向き合うべきか
    さしあたってはこれが直面する最大の難問やね。儲けることは悪いことじゃないし、それだけでは「金満」とはいえない。要はそのちらつかせ方、使い方。このところの「金満」ぶりは成金オヤジのムードを醸してきてるからね。>南球団社長

  3. ジジィ より:

    個人的には、「強いタイガースであって欲しい」という結論に達しました。
    あんなに大金を注ぎ込んで、松坂を獲ったレッドソックスも結果をだせば文句を言うファンはいません。
    浦和レッズも、ファンサービス→観客増→補強→優勝=ファンサービス!ですよね。
    今はタイガースも、補強→優勝=ファンサービスで私は満足です。

  4. 西田辺 より:

    浦和サポーターの皆様、おめでとうございます。
    最下位、J2落ちを経験しながらも、今回日本のチームとして
    初の快挙。
    FIFAクラブワールドカップも頑張って下さい。
    >(3)ファンへの還元
    NPBは機構も球団も、こっち方面への貢献は
    からっきしですからね。
    金と人の使い方間違ってね?って思う事しばしば。
    ファン増大や未来の人材への使い道をもっと探って
    然るべきだと思います。

  5. 一虎ファン より:

    球団の偉いさん同士の話し合いでは一向にラチがあきません。
    大局的かつ強権的な役職あるい組織を作って、無理矢理にでも戦力均衡を図るべきです。
    どうすれば、そんな役職(または組織)ができるかということについては、ムニャムニャムニャ…。

  6. とらぽるた より:

    「金満タイガース」か。もう夢のような呼称ですな。(笑)
    万年最下位でもそこそこお客は入る。人気球団ならではの副収入や電車利用による親会社への貢献。なにより最低水準の年俸で好採算の堅実経営?
    補強だって?監督の首すげ替えとけば「すわっ恒例のお家騒動か」とマスコミが騒いでくれる。
    そんな絶望的な時代をくぐってくると「強いタイガース」が切なる願いです。
    ビッグクラブとしての貢献に思いをはせるより、まずは強いチームをつくって胸のすく戦いを見せて欲しい!
    我々はまだまだ報われていない!!
    ああ心が狭いなあ。

  7. おかぼん より:

    はい、わたしも「関東在住、セは阪神、Jは浦和」の該当者です(笑)もっとも、レッズファン(サポーターまでいかない)になったのは、13年前に浦和生まれの友人から「埼玉県民ならレッズを応援すべきだ」と誘われたのがきっかけだから、単純に身近な地元チームという理由。阪神もレッズも、確かに弱い時代が長かった。でもずっと「弱くても魅力あるチーム」を自分は応援しているんだと思ってきた。
    それを、
    >「趣味的どM」に属するのだと
    言われれば、
    …そうかもしれん(笑)
    レッズの負けが込むときは、阪神ファンとして「最下位が怖くて応援できるか」という気持ちで耐えたし、逆に阪神が勝てないときは、レッズファンとして「降格はないんだから怖いものはない」という気持ちが支えになった。
    常に優勝争いをするチームに変貌した今も、自分はやっぱり「魅力あるチーム」だから好きなのだ、と思いたい。その魅力の源泉はもちろん、ゲームにおけるプレーそのものであり、選手たちだが、ビッグと称されるような存在になっていく以上、その魅力を影響力として、ファン、地域、リーグそしてスポーツ文化そのものまで及ぼしていくことが求められる。
    >阪神タイガースも、ビッグクラブが果たすべき責任に向き合う時期だ。
    強いかどうか金持ちかどうかだけでなく、球団の「品格」ってものも必要ですよね。

  8. あし より:

    更改・FAの季節となりました。
    最近、頭の中では「年俸ってなんなのさ」という疑問が渦巻いています。
    1)年俸とは
    – 今年度の成績を反映して付けるものか?
    – 来年度の成績を期待して付けるものか?
    2)仮に3割2分、30本塁打、100打点を挙げた選手が居た場合、その選手の価値は年俸3000万の場合と3億の場合で同じ価値となるのか?
    ドラフト・FAで意見の集約もできないNPB、
    年俸高騰とそれによる赤字を省みず戦力補強に邁進する球団、
    年俸抑制を提案せず共存共栄を図るつもりもない選手会、
    正直もうげんなりです。。。

  9. ばかぼん父 より:

    ビッグクラブ イコール 金満球団ではないと思います。
    お金があっても「理念」がなきゃね。
    浦和は尊敬すべきジャパニーズビッグクラブですが、
    読売が金満球団、阪神はまだ金満までもいってない「成金」レベル。
    NPBでビッグクラブなのは、
    「世界一を目指す」とオーナーは明言している
    福岡ソフトバンクじゃないしょうか。
    私はMLBのビッグクラブ、レッドソックスを追いつめた
    インディアンズなど、
    少ない予算で頑張っている球団の方が好きですね。

  10. torao より:

    to shuさま
    そうねぇ、フロントとしてのすべての行動は、「将来的にプロ野球をどうしたいのか」がまず先にあって、それに従っていかないと意味がないですからね。
    事業規模が「似ている」読売とは、利害が一致することが多くなるでしょう。そこに理念があるのなら、「金満」という言葉は決して使われないと思います。
    to いわほーさま
    球団社長というより、やっぱりオーナーなのだと思います。尊敬されるビッグクラブになれるかどうかの分岐点ですね。
    to ジジィさま
    ただJリーグはもちろんのこと、MLBですら利益分配の仕組みがいろいろあるわけですから。NPBの現状の仕組みは、支えている基盤が弱すぎるように思います。
    to 西田辺さま
    人材が海外に流出していくということも、ファンをがっかりさせることだと思います。しかし、事業規模がMLBと違いすぎる現状では、トップ選手を金でつなぎ止めるのはムリです。ならば、今が旬、伸び盛りの見ていて楽しい選手たちが喜ぶような金の使い方をした方がよっぽど良いと思うわけです。
    to 一虎ファンさま
    閉じたリーグを続ける限りは、仕組みとしての戦力均衡は絶対に必要なんだと私も思います。
    to とらぽるたさま
    昔シブチンと言われたタイガースも吉本も、いまや金満会社と目されています。実は本当に(野球の実力として)強いチームになることと、尊敬される立派なチームになることは同義だと思う昨今です。
    to おかぼんさま
    >…そうかもしれん(笑)
    そうでしょう(笑)。
    そうそう、品格ですね。謙虚さと言っても良いでしょう。
    to あしさま
    いよいよ「出せないものは出せない」という現実が選手を直撃する局面に入ってくるでしょう。遅すぎると思いますが、動きはあるでしょうね、きっと。
    to ばかぼん父さま
    確かに現状では、福岡SBHが「ビッグ」を感じさせますね。できればもっともっとNPB改革にも関わって欲しいと思います。そもそも理念なきNPBに、尊敬される「ビッグ」はあり得ないように思えますから。
    タイガースも、事業規模が大きい「ビッグ」であることは間違いないのだから、そのNPBに理念を作り出す主導的立場にたたなきゃいけないということです。
    今後のあり方次第では、ばかぼん父さんと同じような趣向の方は、二度とタイガースを応援できなくなるかも知れませんね。監督や野球の質とは関係なく。

  11. ばかぼん父 より:

    私の基準は「面白い」かどうかです。
    ビッグクラブを貧乏球団が倒す方が面白いというのも一つの基準。
    プロらしい面白い野球を見せてくれさえすれば、
    ビッグだろうが、貧乏だろうが関係ないです。
    >二度とタイガースを応援できなくなるかも知れません
    これは否定しませんが。(^^;)

  12. 昔燕今赤 より:

    浦和の優勝を祝福していただきありがとうございます。
    わたし自身は野球は今世紀に入ってほとんど見ていませんが、読売一党独裁が崩れいよいよ野球界全体で盛り上げるよい機会が到来したと思っています。もちろん私は読売は一度も好きになったことはありませんが、サッカークラブにもレアルやユベントスのように、スターをかき集め、地元住民からはあまり人気はないが全国的には多くのファンがいる読売類似のチームがあるのでNPBにもあってもいいのではと思うようになりました。読売はStar warsのダースベーダーのような役割を果たせばいいと思っています(JリーグにもベルディーがJ1に上がってもいいとも思うようになりました)。
    さてNPBの更なる発展のためには何が必要か考えて見ました。よくワールドシリーズチャンピオンと日シリチャンピオンとの真のチャンピオンシリーズをとの声がありますがいきなりではMLB側が首を立てに振らないでしょう。また、NPBを解散して阪神や読売、ソフトバンクといったチームがMLBに加入するという意見もありますがこれには私は反対です。なぜならば、これをやるとNPBチームもMLBのドラフトに参加することになるわけですから、日本人選手がカリブやベネズエラ人に押し出される可能性があるからです。もし阪神のユニフォームを着てても、1番から6番まで外国人でピッチャーもローテーションで、3試合に1試合しか日本人選手が出ないなんてことになったら応援するモチベーションも下がると思うからです(イングランドプレミアやリーガではもうイレブンのうち自国の選手が3?4人なんてチームがざらです)。
    ではNPBはどうすべきか?私はアジアシリーズをもっと強固なものにすべきだと思います。
    まず今のように日本固定開催を止め、日、韓、台の3カ国でホームandアウェー方式を導入すべきだと思います。そして準決勝は前年2位と3位の国でホームアンドアウェーで(2位チーム国が主催3試合、3位チーム国が主催2試合)先に3試合先勝した方が前年チャンピオン国と対戦する決勝ラウンドを行い先4試合先勝した国(前年チャンピオンチーム国でs主催4試合、勝ちあがった国が主催3試合)が真のアジアチャンピオンとします。
    この方式が定着した後、MLBにワールドシリーズのワイルドカードの1枠を極東枠として参加できるように申し出るのです。
    MLBとしても1枠譲るだけですし、それにより日本、韓国、台湾の約2億人の市場が手に入るわけですから交渉に応じてくれると思います。
    まだ野球には市場戦争で戦える方法があると思います。
    野球、NPBチームがMLBチームを倒して真の世界一になることを願って。
    一部訂正します

  13. torao より:

    to 昔燕今赤さま
    良かったですね。
    そうそう、そんな感じですね。あとは中国をうまく巻き込むことと、オーストラリアやキューバという国にも「非MLB連合」の影響力を強めていくこととか。
    http://torao.tblog.jp/?eid=165150
    いろんなチームのファンに見てもらえることはとても嬉しいですね。それが野球以外でも(笑)。ありがとうございました。