価値を作るということ

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 ドラフト4位の九産大西村憲投手(21)と仮契約。


 なんとドラフト2位の柴田とは福工大城東で同級生。同じ控え投手だったとか。このドラフトでは双方ともに上位指名候補だったから、同じタイガースに指名されたのはなんとも面白い巡り合わせだ。高校時代は捕手以外の全ポジションを経験したという器用なアスリートなので、今後の伸びしろを大きく期待されていることだろう。
 そう言えば今年のドラフト本指名は「関西の子」がいなかったね。一番東で広島の子・上本、福岡の子が柴田と西村で、西は台湾の蕭。最近では珍しい。
 昨日の記事に対してたくさんのコメントをいただき、まずは感謝。
 何をもって「建設的」とするか?との質問は誠に正しく鋭いと思う。私は、日本のプロ野球界を発展させていくために、WBC(のようなトップチームによる国別対抗戦)は必要だと考えているので、その価値を高めていくこと、そのために有効なことを建設的だと考えている。で、価値を高めるというのは、それに本当の価値があるのかを常に疑って、その疑いを払拭していくことによって磨かれるものだと思っている。誰かに焚きつけられるような熱狂は必ず冷めるもの。冷めた時に、なんだったのかと考え直しても、やはりそこに確かなものがなくちゃいけない。輝きを増し、傷を消す、磨くという不断の努力こそが建設的行為なのだと思う。
 建設的議論は、とても尊いものだと思う。その時、よっぽどの間違いや暴力思想でない限り、「その考え方はあって良い。むしろなくてはおかしい。ただ、今、この件については、こっちの方向性を強めた方がより良い。だからその考え方のここまでは取り入れられるが、それ以上はこうした方が良い」というような、寛容な交渉術を執行部側は採用するべきだと思うのだ。
 コツコツ当てる打線とホームラン狙いの打線、どっちが良い?とか、若手ばっかりのチームとベテランばっかりのチーム、どっちが良い?とか、結局極端な前提の議論はあんまり意味がなく、どの程度のバランスが、今この条件下で適正か?ということを判断することが大切なんだと思う。
 WBCに話を戻せば、輝きを増す努力とともに、どんな「傷」があって、その傷のせいでどのように価値がそこなわれているかについても配慮していかなくては、結局は真の価値に到達できないということを意識して欲しいと思う。そのために時間が必要なのは確かだが、時間だけでは解決しない問題だろうから。

コメント

  1. コミィ より:

    突然のコメント失礼します。いつも興味深く拝見しています。
    前回のエントリーを含め、toraoさんのお話とても理解できます。
    しかし、私が判断するかぎり、中日の指揮官以下その選手達は『自分の仕事に支障がでるから協力できないよ』という姿勢だと思います。
    もちろん、その理由が不当だと私は言いたいわけではなく、ましてやそれで辞退する選手は中日だけではないので、中日だけが槍玉に挙げられるのは不幸なことと思います。
    しかし、そういう理由は本来隠れていなければならないことであり、堂々と高らかに開き直るものではなく、ましてやtoraoさんの高尚なWBC論に結果的とは言え擁護されるべき類のものではないと思っていますがいかがなものでしょうか。
    私は、toraoさんとはやや意見を異にしておりまして、(原さんが引き受けたこともあり)とりあえずみんな協力して回数重ねてみようよ。とういうスタンスです。
    失礼いたしました。

  2. 一虎ファン より:

    昨日も書きましたが、まだ二回目ですからね。粗削りであることは仕方がないと思います。
    言い古された言葉ですが、「継続は力なり」です。
    一回目が終わったときは、アメリカが負けたから、二回目はないかもなどと言われたこともありました。
    とにかく、回を重ねて、少しずつでもいいですから、さらに素晴らしい大会になることをめざして、続けていってほしいです。

  3. torao より:

    コミィさん、同じ意見なんだと思うんですよ。本来隠しておくべき部分を明らかにしてしまっては、とりあえず価値を作って行くべき今の段階ではマイナスっていう意味において。
    プロセスを大事にしていくことで、価値は順調に高まっていくとのだと思います。

  4. そぴのすけ より:

    はじめましてかな。
    毎日楽しみに拝見させていただいております。
    W杯に出たくてサッカー選手になった人はいても、ガンバに入りたくてサッカー選手になった人はいないのではないだろうか。
    卒業文集に夢はプロ野球選手と書くのとW杯と書くことの違いは大きいのではないだろうか。
    WBCに出たくない野球選手はいても、W杯に出たくないサッカー選手はいない。
    W杯ありきのサッカー文化とペナントありきの野球文化。
    代表に選手を抜かれて贔屓チームが敗れることへの不満度。また選ばれることに関しての光栄度。
    中日の問題は、何のために野球をやっているかという、それぞれの立ち位置の問題に帰結するのではないかと考えています。
    翻ってWBC。価値を高めるにも10年単位のスパンが必要と考えます。そしてどこまで行っても、参加国数等の問題からW杯にはかなわないとも思います。
    個人的には野球には野球の文化があるということで、WBC不要論者です。
    そりゃ五輪にしてもWBCにしても見ていて楽しいです。でも新井矢野藤川持ってかれてペナント逃したら、楽しいとは言えません。
    これも何のために野球を楽しむかという立ち位置の問題ですね。

  5. 西田辺 より:

    国際試合まずありきのキューバや、五輪で挙国体制を
    敷いた韓国等は別にして、まだ各国骨子すら固まって
    ないでしょうし、WBC自体も問題山積。
    でも、今の状況で各国全ての選手の最上位のプライオリティを
    求めるには無理がありますよね。
    日本もご多分に漏れませんが。
    理想はサッカーのW杯でしょうけど、そこに至るまでの
    プロセスをすっ飛ばして、美味しい果実だけを
    頂こうとする目論みがあるなら、余りにも虫が良すぎる
    のではないでしょうか。