敗戦翌日

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7試合戦った1次リーグの戦い方、戦いぶりは、この準決勝韓国戦の勝敗によってその評価が決まると言えた。


それまでは、事前の準備も、選手選考も、選手の起用方法も、1次リーグで3敗したことも、すべて「戦略」として評価される可能性を残していた。
しかし、準決勝で敗れた今となっては、それらすべてにおいて「戦略がなかった」という評価を甘んじて受けなければならないだろう。
昨日は仕事中、途中経過を気にしつつ…なんていう人、多かったんじゃない?もう私も藤川が投げている時は気が気じゃないし、「頑張れ!球児」の念も届かず、追いつかれてしまった時の落胆、私の願いとは正反対に、藤川攻略から流れが相手に100%行ってしまう展開に呆然としてしまった。その後、そのニュースには触れたくもないし、映像もいっさい見ていない。
オリンピックになるとことさらに強調される「ナショナリズム」には逆に反発を覚えてしまうアマノジャクだから、国はどうだって良い。ついつい感情的になりがちな隣国相手ということだってどうでもかまわない。
さらに言っちゃえば、今となっては星野監督の力量や手腕だってどうでも良い。
最後はただただ藤川球児の武運だけを願っていた。日本の多くの人に、そして野球に関心を持っている世界の多くの人々に、藤川球児が投げる美しいボールと、そのボールが生み出すアンビリーバブルなストーリーを見てもらいたいと願っていた。それが実現できなかったことが残念だ。今はまだそういう断片的な所感しか浮かんでこない。
3位決定戦でベストを尽くすことは当然の責務として、優勝という唯一無二の勝利条件は果たせなかった。オリンピックの野球はこれで終了。野球がオリンピック種目になると聞いて興奮したのはいつのころだったか。世界各地にオリンピックキャラバンが回る中で、オリンピックに採用された競技は、世界に急激に普及したりするのだが、野球はそうならなかったのが残念だ。だが仕方ないことかも知れない。
すでに野球が普及している国、野球ビジネスが根づいている国では、五輪が与えるビジネスへの「被害」について、あるいは、どうやってビジネスに好影響を与えるかばかりが論議された。もともとローカルエリアのリーグ戦が主である競技ではあるが、五輪の場で、いかに世界最高峰の国際大会を実現させるか、それによって競技を世界に広めていくことができるかどうか、その議論はされることはなかった。せいぜい、その競技を利用して国威発揚しようというのが、精一杯の「思想」だった。
「最高峰」の国際大会の舞台はWBCに。こいつにどういう思想を吹き込むか。どんなものでも良いから、みんなの気合が入るような思想をくっつけなきゃいけない。その思想にもとづいて、4年に一度の大舞台に向けて、どういう準備やイベントを組むべきなのかを考えていかないとね。お手本はいろいろとあるんだから、目先ではない、ビッグビジネスを志して欲しいと切に願う。
今日はちょっと現実世界から離れていたいような、そんな気分だったよ。

コメント

  1. いわほー より:

    私もタイガース目線でしか「星野ジャパン」を見ることが出来ません。新井のバットと球児のストレートと矢野のリードがチームの勝利に貢献できたか?敗戦の責を負わされなかったか?それだけが関心事でした。
    勝っても三人が貢献できなければ嬉しくないし、負けても責を負わされなかったら安堵をおぼえるし。昨日は負けて責も負わされる最悪のパターンでしたね。
    「星野ジャパン」である以上「星野采配」で負けたことに文句は言いません。ただ、ここまでが「星野采配」の限界なのでしょう。いっそ「銅」をとって予定調和的にプチ喜びに浸るより「メダルなし」で終わって今一度「ジャパン」のあり方を問い直すほうが良いのではないかとアマノジャクしております。

  2. のののー より:

    球児のフォークは現時点では世界水準ではないということですね。これで今年末のポスティングもなくなったはず。予選で判明した一番大きなことは、岩瀬は世界水準では通用しないということだったのに、それすら生かさないとは。これで岩瀬は自信を失い、上原は腐ってペナントが阪神有利になったとしても、嬉しくもなんともない。

  3. ジジィ より:

    昨日は、日本プロ野球に「失望」した。
    もちろん負け試合の映像はおろか、五輪関連のTVは何も観たくない気分です。
    なぜダルビッシュを温存したのか、星野監督に説明を求めたい。

  4. もふもふ より:

    今回のメンバーではやむを得ない結果
    だったのでしょうか。
    中途半端な守備の出来ない大砲を
    打線にいれたのがまず失敗でしたね
    足を使った攻撃ができなかったのも
    敗因の一つですね

  5. 一虎ファン より:

    練習は嘘をつきませんが、実力と調子も嘘をつかないということでしょう。
    高いレベルでのしのぎあいとなると、なおさらそうです。
    ただ、日本のプロ野球選手は4年に1度のオリンピックに照準を合わせて調整しているわけではありません。
    ミスをした選手も活躍できなかった選手も、下を向かずに帰ってくればいいと思います。
    残りのペナントレースで精一杯プレーすることがなによりのリベンジです。

  6. run より:

    五輪前にキューバの選手が「ダルビッシュは怖くない。日本より韓国の方が強い。」みたいなことを言っていました。それを聞いた時はカチンときましたが終わってみれば…
    日本人は必要以上に日本の野球を強いと思いすぎているのかもしれません。国際試合や外国チームとの練習試合の機会さえ殆どないプロ野球選手が、ボールやストライクゾーンが違うとわかっていながら、一週間程の合宿と実戦2試合だけで対応して金メダルとろうとはちょっと考えが甘すぎたのではないでしょうかね。ましてやアマチュアから五輪をとったんだから金はあたりまえなんてプレッシャーまでかけられてる中で…
    「負けたら犯罪者扱い」監督や選手は五輪前に言っていました。それをわかっていてとった采配やプレーに文句言う気はありません。今後国際大会で本気で勝ちたいと思うなら体制をきちんと整えてほしいと思います。それができないなら国際大会で勝つことを求めてほしくないです。

  7. やっぱりトラ! より:

    野球界の混沌とした現状を反映した至極当然の結果でありましょう。
    正の部分がうまく引き出されれば或いは…と思っていたがこのレベルはさすがに甘くない。
    「18年ぶり」を前面に押し出し、いつのまにかジャパンの監督に成り上がったオッサンの酔狂で貧乏くじを引いてしまった西武、中日に加えやや阪神の選手面々に心から同情する。

  8. 蹴舞 より:

    所詮WBCだって北米とアジアの一部によるだけの大会なので、そこまで大げさになる必要は無いと思うんだよねぇ・・
    とりあえず岩瀬の件に関しては帰国して即行、落合監督の下へ行き土下座するなりして「お背の責任」とやらを見せてもらいましょうかね。

  9. あーちゃん より:

    この敗戦が悔しいのは、球児が打たれたこと、新井が打てなかったこともありますが、何より、「これが日本の野球のベストじゃない」という思いがあるからだと思うんですよ。
    正直、今回の代表については、星野さんのもたらした弊害があまりにも大きすぎた。友達だからという私情だけでコーチを選び、スター好きの感覚だけで体調も調子も見ずに選手を選び、リーグ戦の失敗から何も学ばなかった戦略の欠如の、当然の結果だと思います。
    はっきり言えば、今の岩瀬なら選ぶほうが悪い。
    もっといいコーチ体制、選手選考、戦略戦術があったはず……と思うだけに、悔しくてなりません。

  10. 広虎 より:

    昨日の監督の試合後のインタビューはようなかった。「敗因を振り返ってもしょうがない」とか「(不調の岩瀬を出して)それが私のやり方」なんて捨てゼリフでは監督としての評価を落としたでしょう。日本に戻ってから気の毒だね。
    今日はいわほーはんの言うとおりの結果になってよかったと思う。あーちゃんの言うとおりしっかり反省する機会にせな。WBCではノムさんに日本の野球を見せてほしいわ。
    それにしても韓国はすばらしい。左腕の二人と李大浩,スカウトしてほしいねタイガースに。

  11. 広瀬 より:

    こんばんは。
    星野監督は「ある意味、選手はかわいそうだった」とコメントしていましたが、それはオリンピックにおいて野球という競技にメディアと国民の注目を集めるために、プレッシャーをかけてしまったことへの謝罪だったのだと思います。
    アメリカはメジャー選手を決して五輪に出さないことが、野球が世界ではマイナーな競技とされてしまっている要因のひとつだといわれますが、日本も似たようなものではないでしょうか。
    日本でも「五輪よりペナントレースのほうが重要だから五輪は興味ない」という方もけっこういます。
    そういう人たちを五輪に興味を向けさせたい、という代表チームの必死な思いが、結果的に自分たちを縛り、思い切ったプレーもできず、プレッシャーに勝てなかった。
    正直、どの選手をえらんでいても結果は大きく変わらなかったのではと思います。
    故障者が多かったことも含めて、NPBのオリンピックに対する体制が現状のままでは、これ以上の調整は難しいのではないでしょうか。
    プロ選手を代表にするなら、ペナントレース含めて体制を考え直す必要があるのでは。
    あと、もふもふさん、エラーした選手は決して守備が下手なわけじゃないですよ。
    ペナントレースの試合を見ていればわかります。
    大事な場面での失策ではありましたが、それで守備ができないイメージがつくのは気の毒です。

  12. しろうとみ より:

    結局は、上位3チーム韓国・キューバ・米国に1勝もできなかったということはチーム力が無かったということでしょう。日本のプロ野球は勝手知ったる決められたチーム間でのリーグ戦の中でチンタラ試合することになれているから、結果を出せなかったのでしょう。

  13. 藤村珂南 より:

    今更のコメントで失礼します。
    私が気になったのは、「誰も楽しそうな顔してなかった」って事でしょうか。
    女子ソフトとの明暗も、そこにあるような気がします。
    あと、故島野氏は偉大だったなーとか、思うことはいろいろと。