今日は二本立て(2)関本スゴイの巻

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こっちは二本立ての2本目ね。1本目はこっち


ここしばらくの関本はスゴイ。
良く打つし、バントは一発成功、守備は良い。でもそれを「スゴイ」の一言で片付けちゃ関本に失礼だと思うのだ。もともとセンスに満ちあふれた選手だけど、現在の一つ一つのプレーを見ていれば、練習の蓄積で得た「職人芸」だってわかるから。
まあ、打撃は「好調」にすぎないのかもしれないね。悪い時は上半身がボールに近寄ってしまって詰まってしまう癖があるが、今は下がどしっとしていて背骨全体でボールのコースに対応しているから、常に力の入るポイントで球を捉えている。
バントは本当に職人芸。これも下半身の使い方。Dr.KENさんのところにアップされていた写真を見てみて。「打球を殺す」って言うと、ボールとバットのコンタクトの瞬間にすべてがかかっているかのように思うけど、そうじゃないんだね。まずどういう形で球を待っていれば、投球に対してバットを合わせられるか、そこが重要。上半身はインパクトの形でガチッと固定。その上で重心を右足に置きながら全体に低く、ボールへの対応は右のヒザの動きで、柔軟に。当たる瞬間、固めていた筋肉をフッと緩める。しびれるわあ。
守備はとてつもなく上手いとは言わない。反応の良さや俊敏性、肩の強さはどれも「並」。だから本当のスーパープレーはない。だけれども、確実にアウトにする技術を良く研究し、特に重心の移動や、打球を追う→捕球→送球をつなぎ目なく行う工夫、それを確実に行うための訓練がしっかり積まれている。だから関本の守備は素晴らしい。
この日も8回表、二死一三塁、打者代打立浪というジェフが迎えた大ピンチで、一二塁間に転がったヒット性のゴロを見事なプレーで裁いた。守備範囲が狭く下手な二塁手なら横っ飛びで捕ろうとするだろう。起きあがって送球して一塁は際どいタイミング、あるいは慌てて悪送球。俊敏で上手な二塁手なら、一二塁間深く足で追いついてローリングターンで一塁に送球するだろう。
関本にはその俊敏性と脚力はないが、技術がある。打球を追って、横っ飛びに近い形で倒れ込むようにしながら確実にキャッチ、倒れ込みと同時に左足を抱え込むように曲げながらスパイク底面で土を掴み支点を作り、転がる動作の中で右足をクロスさせてスパイクの歯を立てるとあら不思議、流れるように立ち上がり、スムーズな送球動作で一塁楽々アウト!横っ飛びの中にローリングの力学を組み込むという工夫、さらってやってのけているが、賢さやセンスだけでできるものではないと思う。
意図と運動を高次元で統合させるている関本。これを「技術力」と言わずしてなんと言おうか。

コメント

  1. やっぱりトラ! より:

    関本=「技術力」、技術力といえば「中小企業」ってことは…関本は「中小企業」という結論。
    なんかピッタシやわ。

  2. ブロス より:

    とにかく今夜、甲子園球場に大雨が降ることを願います。とても勝てる気がしません(涙)。

  3. 虎こそ命 より:

    関本さんとは誕生日が同じ。親近感があります。
    今年の躍進ぶりは物凄い。これまでの練習量が生きているのでしょうか。

  4. KEN より:

    リンクありがとうございます。
    1枚はTigers-net.com内にて使ってる写真なんですが、
    もう1枚はちょっと諸事情あってお蔵入りになってたんです。
    でもあまりにも美しい写真だったんで、
    このままお蔵入りじゃあもったいないと思って、
    勝手に陽の目をあてさせました(笑)
    >練習の蓄積
    関本の1つ1つのプレーには、
    その裏付けになっている努力がなぜか見える気がすますね。

  5. とらぽるた より:

    立浪の打球、タイミングは切迫してましたね。
    私は「こらっもっと速く動かんか!」とじれているのに、慎重に捕球して・・・
    反転して送球が実にスムーズで美しい!何で?
    toraoさんの解説で納得しました。
    関本よ。気持ちよくバット振るなよ。窮屈に、泥臭く。
    今日も職人の技を見せてくれ!
    藤本のポップもある種の職人芸なんだろうけど・・・。
    有効活用はできないもんかね?。

  6. 馬馬虎虎 より:

    関本君が天理高校甲子園優勝の
    時、レギュラーだった同級生(外野手)の父親です あのガタイ・186cmで今はムリに右に押っつける打法で地味にタイガーズの一員なのです 本当は、GG佐藤のようにホームランバッターの可能性があり、年収1億円には、それしかありません 2009は西武に行ったら、実現可能ですが

  7. 一虎ファン より:

    関本は和田豊を目指しているのでしょう。
    長打力も魅力のひとつですが、今のウチにとっては技術屋も欠かせない戦力です。
    平野の鮮烈さとはまた違う、いぶし銀の輝きを追求するのもレギュラー獲りの一方法です。
    お立ち台での話芸(?)にさらなる磨きをかければ言うことなし。

  8. 西田辺 より:

    03年の日本シリーズで放った一発。
    阪神ファンの大多数が将来の中軸を思い描いた瞬間だったと思う。
    しかし伸び悩む中で、自分自身に出した答えに頑ななまでに拘った。
    首脳陣からの苦言も皮肉も意に介さずに。
    飛距離を捨て、右打ちとバントを磨き、俊敏さに欠ける守備は、一連の動作の機能性を高める事に専念した。
    ニコニコとムードメーカーたりえる笑顔の裏に、とてつもない頑固者の顔が隠れているのかも知れませんね。

  9. kam より:

    関本はいまの自然体の打撃を維持できればほんとスゴイ選手になるんですけどねぇ…
    05の時も結構期待してたんですが06になったらいきなりダメダメでしたから
    あまり手放しに期待するのは禁物かも。
    いや、もちろん関本には一流の選手に大成して欲しいんですけどね。