「阪神史観」にご用心

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先日、「綱島ボブルヘッズ球団事務所」こと「綱島理友事務所」に遊びに行ったら、綱島さんはライオンズ・クラシックの講演内容を検討中だった。


ライオンズの歴史についてあれこれブレーンストーミングする中で、「今や『阪神史観』というものが台頭しつつある」という話題が出た。かつて圧倒的な情報発信力を武器に、「最終的にはジャイアンツの主張が正しい。なぜなら日本プロ野球とはすなわちジャイアンツだからだ」という歴史観、「読売史観」がプロ野球界を支配していた。しかしその思想が崩壊すると同時に、まるでそれを穴埋めするかのように、「阪神こそが正しい球団のあり方であり、阪神のやることがすべて正しい」とする「阪神史観」が目に付くようになったというのである。
これについてはうすうす私も感じていた。特に球場などで無粋なヤジや、傍若無人のふるまいをする「阪神ファン」が、そういう浅はかな感覚の持ち主であるということは容易に想像がつく。そしてそういう感覚がじわじわと蔓延しつつあることが心配である。
あのクソ暗黒時代などは、どう考えても球団運営の間違い(それでも球団が潰れなかったのは、ひとえにジャイアンツ人気のおかげだ)だと思うのだが、それすらも「神話」になってしまいかねない。いい気になるな!っちゅう話やね(笑)。
阪神史観が生まれる背景として、中心にあるのは「タイガースファンのシェアの大きさ」だろう。ホーム+ビジターの動員力で言えば、現在12球団最強であるのはどうやら間違いなさそうだ。
なぜそこにいたったのかは、色々な理由が複合的にからまっていると思うが、メディアの力が大きかったことは間違いない。
東京の人気球団ジャイアンツのライバル、大阪(じゃないんだけどね)のタイガース。強い時も弱い時も地元の球団を応援してきた関西マスコミの姿勢について、私は大筋で良いものと思っている。ただし、関西の他球団や、他のスポーツへの冷淡が同時にあったこと(現に今もあること)は非常に残念に感じている。タイガース一辺倒報道の罪は大きい。
ともかく、どんな時でもタイガースだけを祭り上げるような歪曲した「報道」が、現在のタイガース人気を作り、「阪神史観」を形成する大きな原動力になったことは否定できないと思う。
しかしながら、ファンが自分のひいき球団のことを、まったく他の球団とは違うと思うことは当然のことだ。特に野球のように毎日のように試合を見ることが出来るものなら、生活への密着度もひとしおだし、選手たちのへの親近感も大きい。「生活習慣病」の源であり、特別な存在である。それはとても良いことなのだ。自分とタイガース、この関係はこの世に二つと無い特別な関係である。それは全面的に正しいし、素晴らしいことだ。
だけどそのことと、「日本球界においてタイガースだけは特別」という歪んだ思想とを混同してはいけないということだ。特に「洗脳」に近い阪神マスコミの中で成長してきた、関西の阪神ファンはそういう影響下にあった(ある)ということを、常に自覚していた方が良いと思う。
シーズン中に野球がないと退屈しちゃうね。交流戦もゆったりした日程だから予備日も中で消化できるだろう。交流戦の優勝争いで盛り上がった後で、この小休止はいただけないよなぁ。
さて明日は今日の話を、音楽界のことも参考にしながら、「プロ野球とメディア流通」へと繋げていこうと思う(忘れないように書いといたりしてw)。

コメント

  1. DIME より:

    タイトルだけみて、「阪神史観」っていう本の送り付け商法でもはやっていて、注意しましょうねって話かと思いましたよ。
    ちなみに私は「巨人批判史観」を感じますけどね、むしろ。
    プロ野球40年史、50年史、70年史を並べて読み進めていくと、最近のになるにつれて、事実を書き連ねるのでなく、チャンスがあれば批判的に書きたい書きたいという意図が見えてしまって。
    年史にもかかわらず、客観性が確保されずに編者の意思が見えるって時点で、読み物としての質が落ちてるって事でもあるんですが。
    週ベとかをみていてもそういうのを感じます、当時の古本や報道に書かれていた内容と明らかに違って、巨人悪しきの前提で過去の事件が紹介されている。
    もちろん、昔はそういう事がかけなくて、今は書けるようになったんだ、なんていう解釈もできるんでしょうが、私は人間の記憶と言うのはバイアスがかかるものなので、当時の情報の方が正確だと思います、年史にしてもそう。
    けど実際のところ古本を見るような人間は稀なので、誤解は誤解のまま広まってることが多いです。
    ってそう見えてしまうのは私が「巨人史観」に陥っているのかもしれませんけど(笑)

  2. メル より:

    今でこそ、NPBのサイトをブックマークしたら12球団のHPリンクがあって、情報も平等に入手できますけど、昔(というほどでもない?)は、大変だったんでしょうね。偏っててもしかたなかったでしょうね。
    なるべく全球団のファンの方と知り合いになりたいと思ってるのですが、オリックスファンが近くに見つかりません。スワのつばくろうが12球団の監督とツーショットを撮ってサインしてもらってるのなんかほほえましいです。オリックスのイケメンとして浜中選手ともツーショットしてましたよ。試合がないので、マスコット関係で楽しんでいる日々です。

  3. あーちゃん より:

    「阪神史観」とは、「アンチ巨人史観」に近いんだと思います。
    長く阪神ファンやってれば、球団代表が「カネかかるから優勝したくない」と言い放ち、シーズン途中でもうチーム内からリークされた内紛が面白おかしく報道される、そんな「暗黒時代」がどれだけひどいものだったか、骨身にしみてますから、持ち上げようがありませんわな(笑)
    巨人は間違った。阪神は間違い続けてきたが修正されつつある。巨人に頼り続けてきたセリーグのチームは破綻しつつある。パリーグの地方チームはそれぞれのビジョンで道を開きつつある。
    そして、Jリーグは何度も危機を乗り越えながら、上(世界)と下(地域への普及)を目指している。
    スポーツの発展において、「明確な行動指針」は大切だなぁと思うことです。

  4. いわほー より:

    私もそうですが「アンチ巨人」から入った阪神ファンというのも、広義の「巨人ファン」ということです。ま、そういう意味では「巨人」の存在が気にならなくなった時、「巨人ファン」の宿痾がとれるのかも。その意味では、まだまだ私は「巨人ファン」です。
    長くプロ野球界にはびこって来た「読売巨人ファシズム」。実はその真の継承者はうちの星野SDではないかと危惧しています。そこはかとなく危険な香りが…(汗)。
    その点、岡田監督にはそのような臭いを感じない。だって彼ってグラウンドの野球以外、全く関心ありませんから。

  5. ジョジョ より:

    すいませんが、Yahooのプロ野球ニュースで今岡選手が頑張っているというニュースがあったのですが、まだ阪神ファンになって8年間しかったてないのですが、私にとって今岡選手はまさに阪神の救世主というイメージが凄く強かったのです。何十年間も阪神ファンをしている皆さんは今岡選手を、今一体どんな目で見ているのか教えてほしいのですが、誰か書き込みください。

  6. 西田辺 より:

    あ?、交流戦の余韻を引きずったままの、この試合の無い日々はツラい。
    録り貯めた交流戦の好ゲームをボンヤリと見るしか収まらない(笑)
    さぁリーグ戦再開!の意気込みに蹴た繰りを喰らった感じ。
    昔、阪神ファンの非難の的だった読売主導の数々の不条理。
    その幾つかの「読売」の部分を「阪神」と読み替えられる事象は
    ありますよね。
    確かにここ数年優勝争いできる力を得、お客さんも沢山来てくれる。
    でも阪神と言えど、読売と言えど、12分の1、one of themでしかない。
    球団もファンもその自覚を忘れちゃいけませんよね。
    でも現実は…ねぇ。

  7. ハードリスナー より:

    今岡選手には今シーズン期待していました。
    しかし、2年間けがや不調で、今シーズンも不調なら、引退の危機ですね。
    「アンチ巨人も巨人ファン」よくわかります。
    アンチ巨人の人は巨人の動向が気になりますものね。

  8. L in ナゴド より:

    昨日のメガフォン(○○バット)私も去年から止めました。鞄が嵩張るんで(笑)
    やっぱりへそ曲がりなんで
    掛布の鳴物なし ありましたよね。
    今日のお題も重いです。が、今でこそ、30年 やられっぱなしがほとんどで。来る日も!来る日も!
    あの頃カープファン結構、羨ましかったです。
    生き生きしてて・・宗旨変え真剣に考え(笑)て・・ませんわ?!
    やっぱ歪んでるわ。最近腰痛いわぁ。