粘った

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◇6月28日(日)阪神?横浜12回戦(阪神7勝5敗、18時、甲子園、46584人)
横 浜 010 010 000 ?2 
阪 神 000 000 003X?3 
【横浜】マストニー 木塚 加藤康 ●山口(3勝3敗)
【阪神】久保 渡辺 アッチソン ○藤川(2勝3敗)
[本塁打] 下園2号(横)


 ほぼ負け試合、しかも完封目前、ひどい内容の負け試合だった。先発久保の投球内容は5回2失点だからそう悪いというほどではない。だけれども、1回表いきなり四球で始まり、防戦の幕開け。2回表は、先頭下園にフルカウントとして、四球を避けるためにエイヤと放った1球をバックスクリーンに運ばれる。昨日の悪い周期のままだ。5回表の追加点は、二死を取ってから内川二塁打、村田タイムリーとあっさり献上。しかもその一死目は鳥谷が三遊間横っ飛びでヒットをアウトにしてくれたファインプレーだ。ああそれなのにいともあっけなく。特に村田には力投で抑えにいったのだが、一塁が空いているという「アドバンテージ」を生かすでもなく、声が出るほどのど真ん中へ失投。打球が上がらなくて良かったというくらい意識のない球だった。したがって「5回2点なら」と思えるような投球には思えなかった。
 久保をそうさせているのが打線の頼りなさだ。ベイ先発マストニーが緩急を使って粘り強く投げていたことも、各回の先頭打者がなんとか出塁しようと粘っていたのも認めるが、いかんせん先頭打者が出られなかった。ようやく7回、先頭狩野の中前ヒットで無死一塁。守備から入っていた葛城が左前ヒットで続き、無死一二塁、打順は上位に戻って1番赤星。ただの送りバントではなく、巧いコースに転がれば1塁セーフ、無死満塁まである…そう思っちゃった私が悪い。喜ぶのは良いことが起きた後からで良かったのだ。赤星バントを2つファールしてしまい、ヒッティングに切り換え。しかしなぜか3バントの構えからバットを引く「バスター」にこだわり、その構え遅れのせいでおあつらえ向けの遊併殺打、自身今季初併殺打が最悪のタイミングで出てしまった。二死三塁、関本初球投ゴロで無得点。つい2球前までは無死一二塁だったような気もするんだけど…。
 タイガースの投手リレーも本当にルールがわからなくなっている状況。ジェフを偵察メンバーに使用。誰かこの意図を教えて。お仕置き?それ意味ある?調整が必要だと思うなら抹消して誰か上げるも良し。この日だけ使わないというのでも、黙って置いておけば、相手は勝手にいろいろ考えてくれる。私にはわからん。
 2点ビハインドから、渡辺1回、アッチソン2回、藤川1回と繋いだ。まあ思惑通りの試合展開といかないから、調整登板ということなのだろうが、これからの長い戦い、方針だけは常に持っていて欲しい。
 とまあ、ちぐはぐな試合で完封されるところだった。9回裏、先頭平野はベイのクローザー山口相手に良く粘ったが二ゴロに倒れる。鳥谷も当たりは良いがイージーバウンドの一ゴロ…と思った。しかし捕球前のバウンドが大きく跳ねて右前ヒット。ツキがあった。頼りになる狩野、同点2ラン打っちゃいなよ!初球レフト前クリーンヒット、おお来た来たやっと来たね、一死一二塁。さあイクロー、山口も若いクローザーだ、得意な直球をど真ん中に放り込んでくる、そうだ!イクロー打った、痛烈!しかし一塁佐伯横っ飛び、おおっとボールがこぼれている、それを拾って一塁ベースカバーの山口へトス、イクローの足が僅かに先、セーフ!一死満塁で、赤星に代打桧山。うーん、どうかなあ、今ならみっちゃんの方が打てそうだけどなぁ。まあでも桧山行くしかないな、チームの在り方としては。初球ど真ん中直球、見逃し。あかん、これ振れないようではあかん。2球目直球、振り遅れて空振り、あかん、間に合わん。3球目直球ファール、なんとか間にあったが、あかん今のを仕留められなきゃ落とされて終わりだ。4球目直球打った、おお平凡なレフトフライ、犠飛にはなった。1?2となって、二死一二塁。経験のあるクローザーならアウトが増えて一歩前進ほっと一息というところだが、山口にとっては1点差となってなお二塁と追い込まれたような心境だったのかもね。さあ関本、前進している外野の間を破っちゃいなよ!4球目、甘いスライダー打った、左中間、左中間、これは破る!さあ葛城も三塁回る、サヨナラ、サヨナラ三塁打???!最後は思い切ってスラッガー関本で振ったね、ナイスバッティング。
 殊勲打の関本はもちろん偉い。投手との精神的な力関係を冷静に見定め、落ち着いて仕留めた。でも思い返せば、先頭平野の粘り。これが物を言った。前日はピシャリと抑えた山口だったが、先頭平野に手こずったことで、自信が揺らいでいたことだろう。キレで勝負するリリーバーにとって、球数を放るごとにイヤな気分になっていただろう。球児だって先頭に粘られる時は、イヤな予感するもんね。出塁できなかったが、風向きを変えた粘りだった。
 ということで、完封目前、9回裏一死走者なしから、怒濤の攻撃で3点を奪い逆転サヨナラ勝ち。まったく褒められた内容でもないし、帳尻が合ったとも思えないけど、少なくとも「リスタートしましたが、すでに終了しました」という気分を寸前で回避できた。今はツキでもなんでも味方にしてやっていくしかないから、素直に喜んで吉かな。

コメント

  1. アルスタ より:

    先発を左の吉見と読んで実は右の強打者であるウィリアムスを起用した。
    そんなことはあるはずがなくてどうも抹消も検討の様子で。
    7回のチャンスを生かせず、8回はあっさりと終わり、刻々と連敗の瞬間が近づいてきたはずだった。
    6番から2番とクリーンアップ以外の活躍で逆転サヨナラとは。
    岡田前監督による選手起用の説明は説得力あったが。
     打っている林を代えることは?
     この打順では代打桧山・高橋を使えない など。
    ラジオで一枝さんも渡辺2回投げさせるべき
    葛城9番に入れてしまうと作戦が狭まる と
     どれもこれもその通りだと思うが
    選手が自分の役割をこなせば結果につながるし作戦は完璧でも選手が働かなければ結果は残らない。
    桧山を使うべきという主張はわかるがチーム内で最もヒットを打つ確率の高い狩野に代えてとは暴論。
    昨日の選手起用は結果オーライもあるけど
    真弓監督の勝ち。

  2. Yalkeys より:

    岡田前監督の解説を聞いていると、選手起用に?を表明されています。なるほどナと思うこともありますが、素人の私が評価することは遠慮します。結果として勝ったのですから・・
    ただ、9回関本がシングルか、葛城が3塁に止まっていたら、延長になっていた可能性が強かったのではと(新井には失礼ながら)思っています。それにしても関本はよく打ちました。

  3. ジジィ より:

    7回の場面、岡田さんの解説は確かに説得力のあるものでした。
    「なんて下手な采配なんだ真弓監督」などと思って見ていましたが結果的に『勝った』という事は、真弓采配が正しかったのだと思います。
    最後、三塁打の少ない「鈍足」関本が、ちゃっかり三塁まで行っていたところに彼のしたたかさが出ていましたね(笑)。

  4. 西田辺 より:

    勝ったとは言え、反省やらタラレバがゴロゴロしてる試合でした。
    5回の失点の場面、鳥谷の好守で助かったとは言え、インコースを狙った球が
    甘く入ってしまっていた。
    内川の2塁打も同じくインコース要求。
    村田の初球もインコース要求もど真ん中。
    村田が「1球待ち」で助かった。
    しかし、2回目は許してくれなかった。
    仰る通り、スタンドに放り込まれなくて良かった。
    バッテリーが危険予知アンテナを働かせていれば防げていたかも知れない1点でした。
    今年は何度もこの「インコースを攻める(裏をかく)つもりが相手に読まれてガツン」を
    見た気がする。
    このイン攻めもある程度傾向として出てしまっていては、裏をかく事にはならない。
    兵法の「まず己を知り・・」じゃないけれど、まず自分達の配球の傾向と、
    やられるパターンを洗い直した方が良いでしょうね。
    上位球団はもっとシビアに対応してくるはず。
    同じ失敗を繰り返す時期でない事は、肝に命じたほうが良いでしょうね。

  5. ナラノトラキチ より:

    嬉しいような悲しいようなゲームでした。
    こういう劇的サヨナラ勝ちって、強いチームはあまりしないんですよね。昨年の後半、今年の前半は、目立ってきました。
    野村時代にも、ちょくちょくありました。
    うらを返せば、「負け試合」すれすれということで、ちゃんと勝つ試合が出来ていないから、こういうことがたまにでてくるのでしょう。
    それにしても重苦しい試合がつづきまんなあ。

  6. お調子者 より:

    前の梶谷といい、新沼、下園ら、えっ誰?によくホームラン打たれますね。
    岡田さん。『だから・・・』を途中まで何回言ったかを数えていましたが、途中で判らなくなりました(笑)。
    ただでさえ重たいゲームが岡田さんの解説によって一層重く感じました。

  7. apatite より:

    計11本も打って、最終回にようやく3点ということで、サヨナラも喜べなくなってきました。クリーンアップにヒットがなかったためです。で、しばらく、狩野3番はどうでしょうか。バレンタインなら、やるかも。

  8. クリキントン飛雄馬 より:

    古くは、古溝。最近では
    葛西、遠山、弓長、伊藤で必死に頑張っていた頃を思い出す。横浜の最後でしたね。
    横浜だから勝てた勝利かもしれないけど、勝ちは勝ち。
    今は、贅沢言えません。
    5割に戻すためには、連敗だけは、しないような戦いをして行かないと。
    現状では、大型連勝は難しいと思います。
    夏のロードまでは、勝てる試合は、絶対に取る。
    その間、故障者が戻り。
    主力が復調。先発ローテをしっかりと決めて。
    夏のロードからタイガーチャージというのが、自分が描くシナリオです。

  9. 芹沢 より:

    セリーグに来ての久保は本当にダメですね。。
    抑え込む投手じゃないんですが、うまくゴロを打たせる事も出来ていない。
    急速がある訳じゃないのに、ボールが先行して、見極められている
    のが明らかに見てとれます。
    同じランナー出すなら、四球より打たれた方がマシという、里崎的な
    強気のリードをして欲しいです。

  10. 時次郎 より:

    新しい監督の采配や選手起用が前の監督と違うことに何の不思議もありません。
    真弓と岡田、どっちがどうこう言う気はありませんが、今の監督は真弓。
    前監督のやり方にこだわる【姑解説】はあまり聞き心地が好いものではない。
    林のところにピッチャーを入れても、狩野はそのまま打たせて桧山を赤星の代打で使っても、それはそれで采配や選手起用のうち。

  11. BUCK-TORA より:

    ジェフ偵察は恐らく懲罰→抹消→能見配置転換あたりじゃないですかね?
    仰るとおりゆとりの無いチーム状況でハンデをくれてやる理由がワケわかりません。
    勝負事には流れがあって放棄すれば勝ち運に見放される。鉄則だと思いますが…。

  12. aiko より:

    関本選手の大ファンです。でも昨日の試合は、諦め半分。だけどこの打席だけでも、と固唾を呑んで見守りました。もう最高の晩でした。昨年シーズンの最後、巨人に一位を譲り渡したのも横浜戦。最後の最後まで粘り強く打席でバントを決め、その夜はHRも飛び出した。彼はこうやってここまで貢献しつづけて来たんだとあのとき思ったのに。まだシーズンも終ってない。とりあえず一個ずつ借金を返せるよう、こちらも粘り強く応援しようと思います。

  13. wr29 より:

    岡田前監督の解説、あまり評判よろしくないのもうなずけますが、個人的にはかなり好きです^^;
    カツゼツや人を不快にさせない話し方についてはもちょっと練習してもらいたいですが、内容は、当たり障りのないことしか言わない解説者ばかりの中、際立って面白いなと。
    「少ないピンチを確実にものにされる投手」という久保評や、マストニーについて「シャープなスイングの打者ほど打てて無いですね」とかいう表現が面白かったです。
    代打桧山の使いどころをを異常に心配したり(代走の手配のことまで・・・)、うまくいかないと「んもおおお」と唸るところなどは完全にファンのおっさんかと(笑)
    このまま解説業を続けるなら、是非しゃべりの訓練をきちんとやってほしいですね。記憶力や分析力、観察力はすごいなと思います。

  14. ミス・コンバート より:

    聞き苦しい前監督の解説!
    ジェフの偵察メンバーに今年の戦い方を見た。
    なんで、抹消せずに?敵に手のうちを見せるのが孫子の兵法にあったけ?
    3番に狩野も有りだと思います。大先生は7か8番で打率を2割5分に戻したい。
    借金8の今が改革のチャンスです。
    監督の斬新な采配を期待したい!
    サヨナラ勝ちで救われたツキを大切に。

  15. 大虎真弓 より:

     平野は良いね?!
     ちゃんと自分の最低限の仕事を心得ている。
     あの大声援の中で9球も先頭打者に投げさせ られたら、息の上がった金魚状態でしょう!
      その後仕留めたと思った鳥谷のボールが
     イレギラーして、ライト前ヒットですから
     心中お察し申し上げ状態です。〈笑)
      それにしても久保は、投球間隔が悪いね?
     我々観客がイライラするのですから守ってい る選手はたまらないだろうね!
      右打者のインコースが突けないのなら久保 の存在価値は無いね。

  16. とらぽるた より:

    やるせなさ満載のゲームでした。
    マストニー、タイガースにのみ通用する投手がまたひとり、ちょっと前カープにいたナックルボーラーを思い出した。
    5回の追加点の取られ方、狩野よ、頼むから学習能力を働かせてくれ。(バッティング絶好調やね、頼りにしてるよ)
    7回の赤星併殺打、よりによってこんな時に出るかね。(こんなチーム状態、体調のなかで走る勇気をありがとう)
    しんどい展開でも当然のごとく2イニング行ってくれるアッチをこんなくそゲームでまだ投げさせるの。
    8回のクリーンナップ情けない。加藤康ってそんなにすごい投手か!
    「こんな打順じゃあ桧山とミツを出すところがないわなあ」来ました、どん様もぶーたれてます。はいはい、お説ごもっとも。
    ぐだぐだ球児がふたつ目の四球。あ?あ、私も切れた!ここでチャンネル権を放棄してしまった。
    結果を知って嬉しいには違いないが、これをきっかけに大攻勢、なんてことはありえない。
    金本の四度と同じく淡々とゲームをこなしていくんだろーなこのチームは・・・
    どん様のご批判にもめげず6番に入った平野はいい仕事をしたんですか。

  17. きだたろー より:

    岡田解説好きです(笑)
    7回裏の予言的中ぶりも9回裏の外しっぷりも。
    それはさておき、岡田采配と真弓采配を比べてみたところでしょうがないからしません。
    けど、昨日の試合を勝ったから結果オーライなんてことにしてたらイカンですよ。
    不可解な采配やら反省すべき点がありながらも、たまさかの勝利を結果オーライにしてきたからこその今の順位です。
    シーズン前の真弓監督が言っていたことと今真弓監督がやっていることは一致してますかね?
    方向性が見えていれば、一致してなくてもいいんですけど、その場しのぎにしか見えないんです。