受け入れがたきコースターゲームを受け入れる

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◇5月2日(土)阪神-巨人4回戦(巨人3勝1分、14時、甲子園、46425人)
巨 人 000 410 001-6
阪 神 101 000 300-5
[本塁打]坂本2号(巨) 谷1号(巨) 坂本3号(巨)


 行楽シーズンらしい「ジェットコースターゲーム」。期待の高まりとともに頂点まで登りつめて、カクンという音とともに一気に下まで滑り落ち、ぐわっともう一回登ったと思ったけど、また悲鳴とともに落ちていって始発点に戻る。って同じレールの上をまた繰り返すんかい。10周もしたんだから、もうカンベンな。
 ボールポゼッションじゃないけれど、良いことに使っていた時間と、イヤなことに使っていた時間とでは、良いことに使っていた時間の方がかなり長かった。序盤能見の自信満々素晴らしい立ち上がり。1回表赤星の引っ張りクリーンヒット、バント警戒の中で関本が三塁頭をワンバウンドで越えるバスターエンドランで無死一三塁、鳥谷綺麗に捉えた良い当たりの中犠飛、絵に描いたように美しい先制点。G先発グライシンガーが立ち直りを模索する3回、先頭赤星叩きつけ高いバウンド三内野安打、関本一発犠打、鳥谷倒れた後金本維持の一二塁間タイムリーで2点目。能見の快投も含め、素晴らしい序盤戦を楽しんだ。
 しかし、4回打てそうになかったラミレス、亀井の連打、さらにエラーも絡んだ後の坂本逆転3ランで計4点。3点差に突き放す谷のソロ。それぞれあっという間の出来事。
 再び反撃7回ウラ、狩野二塁打、藤本ジャストミートタイムリーで2点差。赤星セーフティバントに投内連携の乱れが合わさって無死二三塁。ここで関本大きい中飛で走者それぞれタッチアップ、1点差。続く鳥谷もあわや右中間突破の大飛球で同点。下位から上位へ渋く好機をものにしていく、素晴らしい。
 急降下を乗り越えた能見7回まで踏ん張って、8回ジェフ、9回藤川で抑えてサヨナラが見えたと思ったら球児が坂本に2本目を叩き込まれて最後の急降下。一瞬の出来事。
 まるでジェットコースターのネーミングのようなニックネームをもらったというG自慢の若きダブルセットアッパーの前に最後の波乱を作れなかった。
 まあ結果からして悔やまれることは多々ある。投手たちにとっても、狩野にとっても、「ちゃんと行けば大丈夫のハズ」という希望的観測に基づく配球を悔やみ、打者の推理のウラをかき、局面によっては「失投があったとしても」という悲観的観測を加味させることの重要性を痛感しただろう。
 ここまでの積み重ねがあるから、この敗戦は実に受け入れがたいものがある。それは正直なところ。この対G(0勝3敗1分)でついてしまった3ゲーム差がなければ、せめてとんとんできていれば、どうということもないのが今シーズンの出だしだから。
 まあでも、ここへ来て本格化への可能性を見せる能見にも、急成長中の狩野にも、不完全燃焼中の球児にも、肥やしをくれてやるくらいの度量は持たないといけないのだろうね。
 相手の嫌がるプレーを積み重ね、したたかに加点した攻撃陣は褒めて良い。現実としてGのような「どこからもホームランが飛び出す打線」ではないのだから、前の試合でも感じさせた、粘り、繋がりはとことん大事にして欲しいと思う。
 ただ依然として野手のエラーが試合を動かしてしまっているのが残念。監督の思いが実効性をともなわなっておらず、「痛み」だけが積み重なる。成長のための痛みなら、誰もが耐えられるが、その痛みの向こう側に何があるのかが見えにくい。多角的な再検証だけは絶えずおこなって欲しいと思う。
 さて「しぶとさ」を感じさせる攻撃のためには、先発投手と野手との信頼関係、相手にとって1点が重く感じられる試合運びを続けることが肝要。そうすると中継ぎの信頼感もまた不可欠。結局各セクションすべての要素が密接に絡んで、チーム状態というのは維持される。だから好循環は「どこから」でも始められるとも言える。まず「したたかな攻撃」でチームの勢いをリードしていくのは良いこと。
 この日その主役はやはり3安打3得点の赤星だった。休場がち、おそらく体調は相当悪いのだろう。いるといないのとでは大違いなのは前からわかっているけれど、その存在感の大きさを痛感。
 二軍では坂がセンターの準備をしたりしているのを見るにつけ、首脳陣がその地位を脅かすものが必要だと考えていること、現状その候補がいないということがわかる。そりゃまあ赤星に代わる人材なんてのは簡単に手に入るわけはない。でもこの点でも成長の痛みを受け入れるだけの覚悟はあるよ。思い切って若い人材を育てていったって文句はないよ。

コメント

  1. ジジィ より:

    歩かせてもいい場面で8番打者と勝負して「痛い目にあう」シーンを、昔から何度も見ている気がします。
    エラーも絡み、本当に悔やまれるゲームでした。
    「大型連休=弱い」というジンクス(9月も心配)なのかなぁ??今日は、相手が「初物に弱い」ジンクスを信じて…

  2. 西田探偵局員 より:

    またHRを打った選手が両方とも関西出身というのが複雑ですね。GW地元に帰ってリフレッシュさせてしまったんでしょうか。
    話は変わりますが探してたら見つけました。
    ttp://www.youtube.com/watch?v=V6ffnFGnuAE
    ttp://www.youtube.com/watch?v=UUfQ_wP4KKY

  3. タイガー・アイ より:

    かつて日本一の広さと謳われた甲子園球場はいまや12球団の本拠地の中で下からニ番目に狭い球場であることが発覚しました。メジャー級に少しでも近づけ、投手の不安を解消するためにも客席を削ってグラウンドを広げる大改装をしたほうが良いのではないでしょうか。

  4. 西田辺 より:

    狩野
    矢野と比べちゃいけないんでしょうが、やはり、あと少しの慎重さの欠如や
    試合後半での雑さが目についてしまいますね。
    去年から痛い目に何度も遭っている坂本。
    確かに急成長を遂げた良い選手ではあるが、他所の若手を
    育成してあげる義理はどこにも無いはずなんだが(笑)
    一日も早く連敗を止めて、この重苦しい鎖から解放して
    欲しいですね。

  5. より:

    真弓監督主導のコンバートの弊害がまたもや出ましたね・・・
    関本が普通に打球処理してれば3ランはなかったんだからあのエラーは論外ですが、新井も新井で坂本の1打席目普通の3塁手ならただの正面ゴロなのに反応鈍くヒットにして乗せてしまう等、3塁手として横の反応が遅すぎる為記録に付かないミスが多すぎます。
    単純に2人の位置を逆に戻せば回避できるミスが多いのに、これだけ投手の足引っ張ってる現状があっても尚見てみぬ振りするだなんて、監督として敗退行為でしょう。
    toraoさんの言うようにこれが若手のエラーなら「将来へ向けた成長の為の痛み」と受け入れられますが、新井も関本も若手じゃなくもう失敗してはいけない立場の選手ですからね。。
    しかもその2人以外にもメンチや平野、藤本ら30オーバーが走攻守でそれぞれミスしたり結果出せなかったりしようが何度もスタメンチャンス与えるくせに、坂や桜井ら若手には全く我慢する事をしないので、現状勝っても負けても将来への展望が何一つ見えません。
    今岡にしても前監督が3年以上かけてようやく見切った選手で今更スタメンなんてありえないし代打1番手の実力もないのに、未だ復活させるだの言ってる始末だし。。
    セカンド8番なら平野や藤本ばかりじゃなく、坂、上本、大和ら若手にも経験積ませるべき。もしくはセカンド関本にしてファースト野原将8番でもいい。
    現スタメンは20代の鳥谷と狩野以外のポジション全て世代交代に向け種まかないといけない時期にきてるんだから、将来に向けた選手起用をしていかないと。

  6. 匿名 より:

    昨日坂にセンター挑戦させたそうですが、坂だけじゃなく大和にも外野の練習させて欲しいです。
    大和の強肩は素晴らしいし足も速いので、外野守れるようになったら今いる外野手の中で守備力においては一番戦力になりえます。
    それにショートレギュラーは鳥谷がまだ20代なので当分ありえないしセカンドも来年1軍スタメンは上本を育てていくであろう事を考えると、新たな武器として外野守れるようにした方が大和にとってもプラス。
    内野しか守れないままなら正直大和のレギュラーは遠いけど、内外野守れるようになったら今の平野のポジションに取って代われるんだから。

  7. TAKA より:

    真弓監督は選手の把握が出来て無いように、感じるのは私だけでしょうか?
    監督の采配で、敗戦かなり多いのでは、コーチ陣も、進言してるとは思うのですが?
    新井、関本は元に戻し、若手を我慢して使ってもいいのでは、赤星は少し休ませ、シーズン後半にがんばってほしい。
    一番に桜井固定、坂、野原、大和、上本など育ててほしい。

  8. のののー より:

    ライトは葛城・桜井併用が既定路線となった現在、林が上がってきたら守れるところはファーストしかありません。なので新井サードは動かせません。林と入れ替わりで落ちるのは今岡、関本セカンドで平野はスーパーサブ専任となるはずです。

  9. 広虎 より:

    昨年は同じ投手に何度もやられましたが,今年はここまで,グライに内海,三浦や前田などそれなりに攻略しているのは感じられます。
    原氏はスタメンの組み方も変えてきますし,若手もベテランも使い方がうまいと思います。期待していた真弓さんはというと,何か変わり映えしない年功序列,高給者優遇という感じで個人的にがっかりですね。

  10. 魂花 より:

    みなさんのお気持ちは解りますが、「関本一塁」は林復活迄のつなぎです。真弓野球で不可解なのは「投手交替」です。岡田前監督の進言に期待するしかないでしょう。