育成考

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 日本一になったライオンズは若い強打者たちのホームラン量産でリーグを抜け出し、ポストシーズンは若い投手たちが大車輪の働きで頂点まで駆け上った。


 「もし」に意味がないのは百も承知だが、タイガースも若いヤツがもうちょとだけキラッとした活躍を加えてくれれば、08シーズンは全然違ったものになっていた。鳥谷、平野、岩田が前半の溌剌さをもうすこし粘らせることができたら。上園、桜井、林ら、計算していた選手たちが持っている力を発揮できていれば。期待していた未知の力の中から、あと一人でも飛び出して来ていれば。
 若手に責任を覆い被せるのもどうかと思うが、しかし事実、飛び出すチームと失速するチームの違いは、若い選手の「伸びる力」を活用できるかどうかである。これはここ数年の結果が語っている。
 中でも岩田が惜しかった。素晴らしい働きをした。これは間違いない。もし岩田がいなければ、今年のタイガーズは恐ろしいことになっていた。タイガースの前半快進撃にはいくつもの要素が絡み合っているが、岩田の伸びる力がチームに与えた影響は大きい。
 だからこそ岩田が惜しかったんだなぁ。あともうひと粘りできれば、優勝も、新人王も取り逃がすことはなかったろう。でも岩田はきっとこれをバネにできると思う。岩田はそんな顔してるもんね(笑)。
 ついつい勝ち負けや、打った打たない、ブレークした、派手な活躍をした…そんなところに目が行ってしまうが、若手の評価は、もっとしっかりとした方針を持った目で見てやることが大事だろう。勝ち負けや、打った打たないは、時の運もあるし相手もあるから、達成できなくても仕方ない要素だ。しかし基礎体力の向上だとか、制球力アップだとか、スイングスピード向上だとか…は、努力の仕方によって着実にアップできる要素。こういう部分を計画的に強化して、それを逐一評価していくことが大切。それによって、ベースとなる自信を深めていかないと、いつまでたっても土台が固まっていかない。厳しい鍛錬の中に、着実に進歩する喜びとチャレンジの刺激を与えてやれば育成は上手く行く。
 12月になって、心はすでに来季なのは仕方ないこと。自分を見ても、相手を見ても、「若手を伸ばす」重要性に目が行くのは当然。でも総括の仕方を誤ると、けっこうややこしいことになっちゃうからね。

コメント

  1. ジジィ より:

    おっしゃる通り、上園、林、桜井が期待に応えていれば…。と、何度も思いました。
    決してチャンスをあげなかった訳ではないのに…
    監督が代わって、彼らの「何か」が変わる事を期待します。
    投手では、高卒トリオ(若竹、玉置、鶴)の誰かの「飛び出し」を望みます!

  2. 未来 より:

    日本シリーズで再認識したのは、
    強い先発投手は、中継ぎ、抑えも兼ねるということで、
    その逆はないんですね。
    いくら素晴らしい中継ぎ、抑えでも先発はできない。
    登板過多とは言え、最終戦で越智が2イニング持たなかったのに対し、
    岸や涌井は先発中2日のスクランブル登板で完璧なリリーフを見せました。
    強い先発投手を作ることの大切さを痛感しましたね。

  3. 一虎ファン より:

    一軍の監督としてはイライラさせられるところもありましたが、二軍監督としては抜群の手腕を発揮した岡田彰布氏。
    一軍監督経験者が同じ球団の二軍監督になるのは無理なのでしょうか。
    近い将来、そんな復帰もありだと思うのですが。

  4. 西田辺 より:

    あらゆる世代が混在するチームの中で、技術・経験で劣る
    若手を有効に組み入れるのは難しい事ではあるけど、必須
    事項でもある。
    一言で若手育成と言えど、技術・体力の到達を始め、戦術の理解度。
    色んなファクターを見極めて使わないと、力を発揮するどころか潰れてしまう。
    また、試合に出るようになるまでしたら育成完了ではなく、以降何年か結果を
    出せるまでになって本当の育成ではないでしょうか。
    そう言う意味では、昨年希望を抱かせた数名の選手は未だ育成途上と言えるかも。
    魑魅魍魎の虎マスコミが取り囲むタイガースでは、勘違いさせない事も大事な
    育成プログラムかも知れませんね。

  5. サルボボ より:

    チームの勝利と若手の育成の両立。わかってはいるけど難しいですね。個人的には矢野に続くキャッチャーの育成に期待します。今年の矢野の活躍は素晴らしかったですが、来年は、狩野を筆頭に、若手の橋本良平らの活躍に期待したいです!