編成

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 日本シリーズ3戦は、いかにも東京ドームな試合。


ファイターズにとっては外野守備力の優位性を打ち消されるから、相対的に不利を被る。それはわかっていることなので、何か面白いことをやって欲しかった。言うは易しで、どうしたら良いのかわからんけどね(笑)。
 それにしても、「打ったー」の声がして、諦める外野手の緩い駆け足が映って、「入ったー」っていう大声で途切れる野球の興ざめなこと。打ったーの後、どうなんだ、入るのか、抜けるのか、スーパーキャッチがあるのか。抜けたら抜けたで、中継プレー、走者の足、アウトセーフどっち?こういうプレーの可能性、その機会をすべて奪ってしまうのだから、狭い球場というのは犯罪に近い。それが好きな人もいるんだろうけどね。
 しかし東京ドームがオープンした頃は、信じられないことに「広い広い東京ドーム」と言われていた。以後、いかに日本の野球が変わったかということだろう。
 三村敏之さん(61)の急死には驚いた。現役時代は赤ヘル旋風の名脇役、指導者になっても「強いカープ」を引っ張っていた。金本も大いに影響を受けたという。最近では楽天イーグルスの編成部長として活躍していた。主張の強い「現場」「経営」双方の接点を探り、具体的な形にする仕事は、おそらくGMに近かったのではないだろうか。イーグルスの躍進を支え、次代ブラウン体制に向けて推進力になっていたのは間違いない。ご冥福をお祈りしたい。
 この経営の思いと現場の思いを調整し、形にする「編成」という仕事は、プロ野球チームの要諦と言って良い。ファイターズは高田GM(現スワ監督)の下、明確なカラーを作って行ったと思う。GMを設けない場合は、監督にその能力があれば、監督の側に「編成権」が委ねられる。前述の高田監督や落合監督なんかは、編成の相当部分を任されていることだろう。最近のジャイアンツなんかは経営側の能力が高いから、清武代表が主導して編成を行っているのだろう。タイガースも経営主導の編成なのだが、(おなじみの展開→)残念ながらその能力については疑問符がたくさん付く。
 星野監督の頃、ジャイアンツの突出した事業予算にタイガースが抵抗せんでどうする!と経営に迫り、本社の金庫を開けた。以来、そこそこやってりゃボチボチ入る、後はキュッと締めておけば儲かるという経営スタイルから、大きく投資して大きく回収する形態へと変革した。そこで重要となる、プロ野球ビジネスの「商品企画」と「商品仕入れ」に相当する編成が強化できていないため、期待以上の回収がままならない状況にある。
 今月から編成部課長として福田功氏を招聘した。ドラゴンズやベイスターズで現場指導者として高い評価を得て、五輪日本代表ではスコアラーを務めた。星野派の実力者とのことだ。経営側が、編成能力の低さを自覚し、反省し、その対策として招いたものであれば期待できるかも知れない。その手腕、実力の程はわからないが、期待の眼差しを込めて今後の編成部門を見守ろうと思う。

コメント

  1. 熊虎 より:

    野球ってのは小学生でも観て判る物理の法則や数学(確率)的真理を理解させる一方でセオリーに打ち勝つサプライズの演出も飛び出す最高のエンターテイメントなのにTV中継は相変わらずで野球中継衰退に導いた低レベル解説でしたね。昔は解説者のレベルを嘆いたものですが、最近はアナウンサーの質問のレベルというか切り口の引き出しの少なさが問題なのかと思うようになりました。彼らが玄人では無いんですよね。
    「編成部課長として福田功氏」についてはお手並み拝見ですが、方向性としては良いと思います。タイガースのチーム構成は硬直しすぎている所と定まらない所がハッキリし過ぎで野球と人脈に明るいタイプの人が編成の責任ある立場にいて、タイガースの問題点に切り込んでいくことはプラスに働くと思います。
     

  2. スーパーエリーバ より:

     昨日のスポーツ紙に、日本シリーズの視聴率が出てましたが、第1戦、2戦共、G絡みのシリーズなのに、関東より、関西の方が、数字が良かったのに驚きました。関東の方では、野球人気が落ちているのか、地上波以外のメディアで見られているのか分かりませんが、意外でした。
     第2戦の新庄解説者?はちょいとはしゃぎ過ぎでしたな(笑)
    私も実況アナの愚問は気になります。当たり前過ぎる事を聞いたり、抽象的過ぎる事を聞いたり。真弓監督は解説者時代、○〇テレビのアナウンサーの愚問に抵抗してましたけどね(笑)
    聞いてるこっちも気まずいので、アナウンサーも、もっと勉強してもらいたいですね。

  3. バースと藤川命 より:

    求めるものの違いでしょうけど
    娯楽としては、新庄アンド清原解説も笑いながらみれたしよかったと思います。
    ああいうものを求める人もいるでしょう。
    でもおいらの場合には、仮に我が社が日本シリーズでていた場合には、BSでみるかなあ。
    また、実況アナについては、人によるんじゃないでしょうかね。中には、中々勉強しとる人もいますがな。ちょっと名前忘れましたけど、球児のストレートという名の魔球の秘密を色々な角度から専門的に照会してましたし

  4. 西田辺 より:

    28年前は同じ本拠地後楽園で覇を競った両チーム。
    時を経てそれぞれの本拠地にフィットしたチーム作りで
    常に優勝争いに絡んでいる。
    東京ドームは常に一発の恐怖が付きまとうけど、
    逃げの投球が一番危険な事は、阪神ファンなら誰でも
    知っている。
    日ハム打線も、本来の嫌らしく進める・還す野球に
    徹した方が好結果を生むはず。
    空中戦で今の読売に勝てるチームはいないんだから。
    三村さん
    春頃に手術をされた事は知ってたんですが、先日の
    ドラフト会議にも出席されてたので、訃報には驚きました。
    61才…
    早過ぎます。
    心よりご冥福をお祈りいたします。

  5. ライムD より:

    たった4年間でしたが、大下剛史と三村敏之の二遊間は魅せてくれましたね(阪神は平と勝ちゃんの時代でしたね)。大下はそれまで東映であの名手、大橋譲とコンビを組んでいたのですが、これがまた上手いんだなー。天下一品、東映の無敵の二遊間でした。贔屓目にみても吉田=鎌田、荒木=井端より魅せてくれたという記憶が甦ります。
    三村さんとは安芸の海田町の同郷で、高校も広島商で一緒だった大下さん、まさに鬼の目にも涙。思い切り泣いて下さい。「毒舌と嫌味と上目線の解説で言いたい放題」という印象が強い大下さんだけど、あんたは本当は優しい人なんだと思うのであります。
    阪神にも、あんたのような鬼コーチが居てくれれば・・・と思う今日この頃です。